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1月20日

1月20日の1限目、国語の授業を受けていた。

1月の気温は寒く、シャツに貼ってあるカイロを動かすと暖かさを感じた。

早く春にならないかな、でも夏は嫌だと思いながらノートを書いていると、慌ただしい足音が聞こえた。


扉を大きな音を立てて開くと、担任が青ざめた顔をして私を見ていた。

なんとなく何があったか予想ができて、シャーペンを布製の筆箱に入れる。



普段よりも落ち着かない職員室で担任から話を聞いた。

隣のクラスに在籍していた私の双子の弟建木和弘が通学途中、

凍った川に乗って「アイススケート!」と言い遊んでいたら氷が割れ川に落ち、心臓麻痺で死んだらしい。

分かっていたがやはり私の弟はアホだ。




しばらくすると学校から連絡を受けた両親が車で学校に来た。

憔悴した顔の母に病院に一緒に行くかと聞かれたが、家に行きたいと答え一人家に入る。


弟と同室である自分の部屋には目もくれず、元はおばあちゃんの部屋だった和室に行く。

仏壇にお金をかける北陸地方らしく、大きな仏壇の前にある座布団の上に正座し目を瞑り手を合わせる。


「1月20日の午前4時に戻りたい」


目を開くと、私は二段ベットの上段で寝ていた。

和のうるさいイビキが聞こえた。


箪笥に向かい、使っていない大きな枕を取り出し、和の顔に乗せた。


大きく息を吸う。


そして、和の腹に向かって拳を振り上げた


「ごふうっ!!」と馬鹿みたいな悲鳴のような何かが聞こえたが無視し、

和の顔に乗せていた枕に体重をかける。


しばらく和はまるで命がかかっているようにじたばたと体を動かしていたが全体重をかけて、枕を押さえつける。

顔を見られては面倒だ。


しばらくすると動きが止まったので体と枕を退かす。

酷く苦しそうな顔をしているが、命には代えられないだろう。


眠くなってきたのでお手洗いに行って寝た。




その日の朝、和は「お腹と頭が痛い」と言って学校を休んだ。


そうして、無事次の日を迎えられたのである。


死因:通学途中、川に落ち心臓麻痺で死亡


対策:弟に病欠をさせる



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