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花鳥風月

タイトルの通り、【花】【鳥】【風】【月】を題に作りました。




『一輪の花』


それはきっと


砂漠に生まれた運命



誰も見ない


誰も知らない


誰も気付かない


どんなに揺れても


わたしを見てはくれないの



ねぇ……


どうして?


せめてオアシスに咲けば


良かったのかな



砂漠のど真ん中


強すぎる日射し


都合のいい蜃気楼


渇いた心


涙でしか潤せない



誰か誰か誰か


早く来て─────









『籠の中の鳥』


逃がしたくない


でも優しくしたい


だけど不安



僕のもとから


君はいつでも抜けれる


広い空に羽ばたいていくの?


僕を地面に置き去りにして?



────嫌だ


お願い行かないで


僕の側にいて


愛しくて仕方ないんだ



だから僕は


その自由な翼を


引き裂いてむしって


飛べなくした


真っ白な羽が舞う


僕は笑った



籠の中


君を閉じこめる


鍵は捨てた


だっていらないだろう?


君はずっと此処にいるんだから


君の傷付いた翼を


優しく撫でる


もう飛ぶことは叶わない



大丈夫だよ


僕が優しくする


籠の中だって


案外心地好いでしょう



閉じこめるための?


ううん、守るために



赤い鮮血、虚ろな瞳孔


乾いた唇、冷たい指先


籠の中ふたりぼっち


僕は泣いた










『風になって』


風になれたらいいな


何も考えず


何も思わず


西から東に、北から南に


ただ流れるだけの



ゴールも行く先も


決めずに


どこかで待ってる誰かのために


花を濡らし


水を撫で


森を揺らす



何にも縛られず


世界を回る


たくさんの景色を見て


また此処に


戻ってこよう



そして


二周目のスタート


そんなふうに生きる


風になりたい










『月下美人』


仄かな明かり


私を照らして


月の調べ


今宵も流れる



ひとりになりたくて


真夜中へ逃げ出したのに


どうしてかな


私を追い掛けるんだね



疎ましい


そう感じたよ


だって


泣けないじゃない


意地悪



でもね気付いたの


貴方の優しさに


月光は


優しくて心地好くて


震えてた私を


包みこんでくれた



貴方の下なら笑える


そんな気がした


ううん、違う


笑えたんだ


冷たい夜に涙した私を


慰めてくれたね



咲こう


今この場所で


貴方が輝く限り


私は枯れない



真夜中


星と月を見上げて


花は開く







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