雪花紅染
新月の夜
今夜もわたしは
血を求め
君に狂った鬼となる
『百合』
鮮やかな紅も
濁った緋も
くらくらと目眩がする
朱に染まりゆく己が
怖くて 怖くて 怖くて
なのに
魅了されてるから
きっと自分は
狂ったんだって
自覚した
『椿』
貴方には紅が似合う
白い肌によく映える
怖がらなくていい
ほら真っ赤に染めなよ
掌も頬も肩も髪も
心さえも───
『紅血ワイン』
貴女の首筋に
歯を立てて
温かい血を吸いあげる
なんて美味
もっと欲しい
まだ足りない
躯が熱に侵される
なんて強いアルコール
嗚呼すっかり
酔ってしまった
それでも僕は
まだ足りないと
貴女の首筋を
絶え間なく
吸いあげるのさ
貴女の吐息で
髪が揺れた
息があがって苦しそう
それでも僕は
止めたりしない
完全に貴女に
溺れてしまった
きっと僕は
もう抜け出せない
今宵も極上のワインを
僕に……
僕だけに下さい
『運命・輪廻』
こんな結末
誰も望んでない
いつだって
祈ったのは
変わらぬ想い
それでも永遠は
いつも儚くて
平気で誰かを傷つける
残酷な真実は
目をそらす事さえ
許されない
歪んだ感情
浮かべる冷笑
告げた別れ
全てが運命に流される
嗚呼 無情
望んだ幸せは……
どこ?
そんな顔で見ないでほしい
泣かないで
悲しいじゃない
本当に怖いと感じるなら
潔く散るか
殺す気で止めてみせてよ
モウ私ノ理性ハ
働カナイカラ