姫物語
『シンデレラ』
12時の鐘
それは別れの合図
ほら
鳴り響いてる
貴方は僕に
背を向けて
走り去って行く
ねぇ
僕等は今日で
お別れだけど
いつか
この人混みの中
貴方を迎えに行くから
その時まで
運命を信じて
待っていてくれないか?
『かぐや姫』
最後の夜
止められない運命
別れの鎮魂曲
どうか今だけは
貴方の隣
いさせてほしい
私達に明日は
もうないから
今を何よりも
愛しましょう
幸せな結末が
待っていない事くらい
私は気付いてた
「離れたくない」
そんな愚かな戯言は
闇へと葬りましょう
月の光が
私達を照らす
涙を流して
別れる前に
今は今だけは
抱きしめあって
愛を囁いて
繋いだ手と手
伝えたい想い
断ち切って
どうか涙に濡れた
この顔が
月明かりに
照らされてない事を
祈ります
まわる歯車
光る満月
去ってゆく風
誰よりも愛しています
『眠り姫』
雪のように白い肌
薔薇のような真紅の唇
閉じた瞳は何色?
君が目覚たら
どんなに
幸せな事だろう
君に触れた指先から
伝わる感触体温
かたくて冷たい
こんな君を
僕は知らない
永遠の眠り姫
どうか目覚めて
僕の言葉で
僕の涙で
僕のキスで
お伽話とは違うんだ…
『人魚姫』
ただ純粋に会いたい
そう思ったから
私は声と存在を捨てた
その行動に
迷いも後悔も無い
でも貴方の
側に居れば居る程
切なくなって
初めて恋を知った
けれど運命とは
皮肉なもので
貴方の幸せは
私の悲劇
私の幸せは
貴方の足枷
私の願いは儚く消えた
ならば貴方が
幸せになるよう
祈ります
叶う事のない
この想いは
泡と共に消えましょう