こんにちは初めての人間④
子供が私を抱えてこの部屋にやってきた時思ったことは、この子供の家が大きいという事。
「トー」(長い廊下)
子供はこの村の権力者の息子か孫なのかもしれない。
すでに透明になった私と何人かの人間とすれ違ったが服装からして使用人ぽっい気がする。
「トト ト?」(そんな事はともかくとして 出口は何処だろう?)
窓から強行突破してもいいけど、その場合窓を叩き割ることになる。
痛そうだから、それは遠慮したい。
「トー」(だけど このままだとこの家から出られないなあ)
すでに迷子だ。
子供部屋にももどれません。
足をとめて悩んでいると、後ろに扉を開いた。
しかし、だれもでてこない。
「?」
不思議に思って部屋を覗いてみようと回り込むと部屋から出てきたのは 大きな 大きな
犬でした。
「トー!?」(でかい!?)
その大きさは軽く小トトロの五倍はある。
冷や汗がダラダラ 心臓がビクビク
チラッ 顔を上げると バチッ
(目があったー!?)
なんで!? 姿を消しているはずなのに
動物だから!
でも ウサギさんもビックリしてたし
「トッ トッ トー」
一歩 ニ歩 三歩
私は逃げた。
すると、ダー
犬も追いかけてきた。
「トー!!」(何でー!!)
確実にこっちを見て追いかけてくる。
犬に追いかけられている最中 すれ違う人達は怪訝な顔をしている
旗から見れば 人間には私 小トトロの姿は見えていないのだから当たり前だ
けれど、私を追いかけるこの犬ははっきりと私をターゲットにしているようだ
その姿はさながら 蝶を追いかける子猫のごとし
めちゃくちゃ 楽しそうだ
でも 私は逃げる
「トー」(だって)
「トー」 (だってー)
ダラダラ
「トーー!!」(めっちゃよだれがでてるもの!!)
カチャリとまた 扉があいた
「トー!」(チャンス!)
私は其の部屋に駆け込んで テーブルクロスのかかった大きな机の下に身を隠した。
バタン ドスンと 人の声とキャン キャンと犬に声がして 犬は人間たちに
回収されたようだ。
「トー」(助かった)
私はホッとため息をついた
「一体何事だったのでしょう?」
人の声が真上で聞こえた
「あんなに興奮してどうしたのでしょうね」
今度は女の人の声だ
「奥様 大丈夫ですか?」
「平気よ ベルは?」
「私は何処も怪我などしておりません。」
「そうなら よかったわ まったくベルにも困ったものね。でも、犬や猫には人間には
見えないものが見えるというから、いたのか知れないわね」
「おやめください 奥様まで」
「あら 恐いの?」
「ええ ええ そういった類の話は苦手でございますから」
会話からするとどうやら女の人はこの家の奥様らしい。
そばにいるのは多分執事さん。
楽しそうに奥様が執事さんをからかっている。
「少し 窓を開けましょうか」
「そうね そうして頂戴」
ギーと窓の開く音がした。
私は机の上から抜け出すと執事さんが開けてくれた窓から外に脱出した。




