三題噺 黒砂糖 甘酒 フレンチ
三題噺「黒砂糖」「甘酒」「フレンチ」
僕はこの三題噺の肝心のお題を見たときに正直焦った。
三題噺を書くとき、僕はなんとか無理難題を無理につなげてきた。
三題噺の特性上そうなるだろう。
だが何の変哲もないこの3つをくっつけることが難しい。
黒砂糖。
サトウキビの絞り汁を煮詰めて出来る黒褐色の砂糖。
甘酒。
その起源は古墳時代から飲まれているという日本の伝統的な甘味飲料。
フレンチ。
いろんな意味があるが、フランス料理として捉えよう。
ソースの体系が高度に発達しているのが特徴である。元は宮廷料理だった献立の総称。
そんなものをどう繋げよう。
黒砂糖作りしている人が甘酒を飲みながらフレンチを食べる。
いつもならこんなふうに連想されるものをつなげていく。
でもそれじゃつまらない。
何か新しい事がしたい。
だが何をする?
僕はそれで迷っている。
だが、新しい事をしようたってそれが新しいことかどうかの確証すらない。
自分が新しいことだ!
と、言い張ってても、同じような使い方を昔に違う人が使ったかもしれない。
だが、そう考えるとつまらない。
ロマンが無い。
どうせインスピレーションで書いているんだ。
なんならもっと面白い作品にしたいじゃないか。
そのための「ひらめき」なんだから。
だけど困ったことにそれが浮かばないのだ。
僕はこんな時にすぐアイデアが浮かび、すぐに文章にできるほどの文才はあいにく持ち合わせていない。
むしろそれが出来るようになるためにこういうことをしているのだが。
だがこれで困っては意味が無い。
そんなこと自分でも分かっている。
だがどうしようもないのだ。
そう考えてたとき、僕と同じお題の文章を考えてる彼からヒントを貰った。
「お題の意味が分からない」
この言葉から感じられるものはそこまで多く無いだろう。
だが僕はこれに光が見えた。
そうか。
なら僕がお題の組み合わせ方がわからないってすればいいじゃないか。
面白いな。
よし、それでいこう。
僕はそれで考えることにする。
だが骨組みまでは浮かぶ。
肝心の中身が浮かんでこないではないか。
これじゃ面白いものが面白くない。
味気のないものになってしまう。
それだと僕が必死に考えたことの意味が無いじゃないか。
頭が痛くなるほど考えたって浮かばないなら意味がない。
なら考えなければいいのか。
僕は考えるのをやめた。
無心で文章を打てばいい。
どうせなら
「黒砂糖。甘酒、フレンチ。黒砂糖フレンチ甘酒。甘酒、甘酒、フレンチ。甘酒...フレンチ...黒砂糖!」
こんな文章でもいいのだ。
書いている僕自身、訳がわからなくてもお題通りになってるではないか。
そんな考えで僕は文章を練っている。
・・・待てよ?
結局僕は考えてるではないか。
かの天才であるパスカルはいった。
人間は考える葦である、と。
そういう事か。
そしてこの僕の三題噺は、考えることに納得して終わるという自己解決で幕を閉じる。
とまぁこんな感じになった・・・。
三題噺が持ち上がったのは提案者の一言。
第三者の同じお題で作品を作ろうじゃないか。
二つ返事をしてしまったが、お題自体は本当に難しい物だった。
その結果生まれたのがこの作品。
視点を変えてみると言う、変なことに挑戦してみた。
自分では正直面白いとはちょっと思えない作品になってしまったが。
あとがきでも作品のように喋った僕のあとがきはこれで終了する。
何か感想などあると嬉しい。
では。
P.S:提案者の彼myuzの作品も見て、比べるとさらに面白いのかもしれない。
ということで彼の作品のアドレスを張っておく。http://ncode.syosetu.com/n7797s/