第1話〜俺の言うことを聞け!
こんばんは。引き続き 書かせていただきました。知らない間に手術が始まってしまいました。執刀医、は医師でも何でもないただの中年田中です。さあ どんなドタバタ劇の国 広げられるのでしょうか?
麻酔科医が田中の口元にマスクを押し当てようとする。神宮寺(中身は田中)の視界が、怪しく歪み始めた。
「待て……! その角度で切れば、大動脈を傷つける! メスを立てろ、刃先を3ミリ浮かせろ!」
必死の叫びも、マスクに遮られて「むにゃむにゃ」としか響かない。
対する田中(中身は神宮寺)は、額から滝のような汗を流し、今にも泣き出しそうだった。
「ひ、一センチってどれくらい!? ミリって何!? 誰か代わってよお!」
「神宮寺先生、何をおっしゃっているんですか? 早く始めてください」
周囲のスタッフが急かす。偽物の天才外科医が、震える手でついにメスを突き下ろした。
その刃先が向かうのは、紛れもない、神宮寺自身の胸元である。
(正気か!? 自分の手で、私を殺す気か……!)
薄れゆく意識のなか、神宮寺は「凡人の毛深い拳」を強く握りしめた。こうなれば、気絶する前にこの男の脳へ直接、オペの手順を叩き込むしかない。
「おい、田中! 私の言う通りに動け! 失敗したらお前も殺人犯だぞ!」
帝都総合病院が誇る第一手術室で、前代未聞の「ベッドサイド・コントロール」が幕を開けた。
ご一読いただきまして誠にありがとうございました。引き続き 書いていこうと思います。よろしくお願い申し上げます。




