表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

最強捜査官外伝・爆笑外伝

【一話完結】ロクシー(24歳)、熱燗で悪魔を課金させる。 〜私のバレンタインは、2/15です〜

作者: 久茉莉himari
掲載日:2026/02/16

ロクシーにとって、2/14は"稼ぎ時"。

それ以外の意味は無い。


二月に入ると、

アメリカ全土から――

いや、世界中から、

バレンタインに関する仕事が舞い込む。


そして、

バレンタイン当日に完遂する。


そうして、2/15。


ロクシーは

"お疲れさま会"を自分だけで開く。


スマホで口座の"ドル"の数字を確認しながら。

まさに、至福の時。




今年は日本に行った。


行き先は――

TOKYOの新橋にある、おでん専門店。


決して高級店ではない。

会社員が帰りに寄るような、大衆向きの店。


だが、

ロクシーはここのおでんが大好きだ。

――熱燗も。


初めて、

ここでおでんを食べた時、


イレイナが味蕾にまじないをかけたのかと

疑った程に美味しかった。




ロクシーが扉を開けると、


「おっ!ロクシーちゃん!久しぶり!」


と、大将が声を掛けてくれる。


そう、

ここはロクシーの隠れ家的なお店。


ロクシーは

翻訳アプリの日本語翻訳を

ワイヤレスイヤホンに飛ばして会話する。


ロクシーが

ツインテールを揺らし、

笑顔で応える。


「久しぶり!

じゃあ、まずは大将のオススメ5個盛ってくれる?

あと、熱燗!」


大将が勢い良く答える。


「はいよっ!

熱燗……分かってるねぇ~ロクシーちゃん!

最近は熱燗を頼むお客さんは、

あまりいないんだよ〜!」


ロクシーがパチンとウィンクする。


「おでんには熱燗だよね♪」




そして、

ロクシーがカウンター席の隅で、

一人、まずは熱燗を飲む。


「染みるぅ~!」


グビグビと熱燗をあおり、

最初のおでんに手をつける。


「今年は……君だ!」


それは、はんぺん。


ジュワッと染み出るおでんの出汁と、

はんぺんの旨味を堪能する。


そして、熱燗をグビリ。


次は大根。


箸で一口大に切れる、

トロトロの大根に、

ほんの少し辛子を付けて、ぱくり。


「癒される〜……!!」


そうして、

スマホで口座の"ドル"の0の数を数えながら、

熱燗をちびちび飲む。


これ以上の癒しは、

あるだろうか……。




そして、

ロクシーが次のおでんを大将に頼むと――


小さな店にざわめきが広がった。


ロクシーは見ないふりをして、

おでんと熱燗とスマホに集中する。


だが――


聞き慣れた、

やかましい声が鳴り響く。


「ロクシー先生……!

2/14が終わらないのに……

アンジュちゃんと帰っちゃうとは何事ですか!?」


そう、

地獄の王、ルチアーノだ。


いつもの黒スーツ上下に、

今日は黒のハット帽まで被っている。


ロクシーは無言で、

悪魔撃退スプレーをバッグから取り出し、

ルチアーノに向ける。


そして、低く告げた。


「……プレゼント交換、したよね?


まさか……

午前0時まで一緒にいるとか思ってる?


300歳越えてて、

情緒、何歳なのよ?


私の仕事は終了!


……それより、

どうやってここを突き止めたの?」


ルチアーノが、

あわあわと帽子を取って答える。


「イレイナに聞きました!


最初は渋っておりましたが……

俺様のロクシー先生への尊敬の念が伝わったのであります……。


五万ドルで、

教えてくれました……。


俺様、尊い☆」


ロクシーが舌打ちする。


――イレイナ!!

もう、守銭奴って

お金を積めば裏切るからね……!

分かるけど!




すると、

ルチアーノがロクシーのお皿を見て、

不思議そうに言った。


「この食べ物は何でありますか?」


ロクシーがジロリとルチアーノを見る。


「あんた……

日本通じゃないの?


いつも自分でそう言ってるじゃん!


おでんだよ!おでん!」


ルチアーノが深紅のハンカチを噛む。


「……ややっ!!

日本文化は奥深いもの……

秘すればおでんなり……

なーんちゃって♪」


ロクシーの目が、

ナイフのようにギラリと光る。


――鬱陶しい!!

帰れ!!

……ん?待てよ……。


ロクシーの顔に、

黒い笑みが浮かぶ。


「あんたも座りなよ。

お互いお疲れってことで。

おでん、奢ってあげる!」


「……え!?

ロクシー先生が身銭を切る!?


最後の晩餐でありますか……!?

俺様、悪魔ですよ!?」


ロクシーのこめかみに青筋が浮かんだ。




そして、

ルチアーノの前の皿には、

熱々のおでんの具が一つ。


「……これは?」


ルチアーノが、

興味津々と箸でつつく。


「それはね……


おでんを初めて食べる人が、

最初に口にするもの……卵よ!


さあ!

一口でいって!」


「わーい♪」


ルチアーノが大喜びで、

卵を一口で口の中へ――


次の瞬間、


「あぢッ……!!」


と悲鳴が上がる。


ロクシーが

「ごめん!ごめん!水飲んで!」

と、

熱燗の入ったお猪口をルチアーノに渡す。


ルチアーノは即座に受け取り、


「……ありがとうございます……」


と一気飲みをし、

また


「あぢッ!!」


と叫ぶ。


すると、

カウンター越しに大将が言った。


「ロクシーちゃんのお父さんかい?

大丈夫?


ほら、キンキンに冷えた水だよ!」


ルチアーノが涙目で、

グラスを受け取る。


「……ありがとう、人間よ……!」


そうして、

水をごくごく飲むと、

ルチアーノがロクシーに言った。


「……お、お父さん!?

ロクシー先生、

俺様ショックでありますッ!」


ロクシーがニヤリと笑う。


「あんたの自己認識のズレは直んないみたいだから、

不毛な話はもう止めない?


それよりさあ……」


「ハイッ!」


ぴんと背筋を正すルチアーノ。


ゆっくりと告げるロクシーの声は、

妙にやさしい。


「熱々卵の一気食いのお礼に……


まあ、

1時間一万ドルで、

一緒におでん食べても良いよ❤️」


ルチアーノが即答する。


「もちろんでありますッ!」


そして、

ルチアーノはスマホを取り出した。




入金を確認したロクシーは、

その後、

ルチアーノと一緒におでんを食べては、

熱燗を飲みまくり、

時には最高級の冷酒も。


もちろん、

代金はルチアーノの支払いになっている。


そして、

ロクシーのスマホのタイマーが

残り10秒を告げる頃――


ルチアーノがグビッと冷酒を飲み干し、言った。


「じゃあ来年も、

2/15のロクシー先生のおでんの日を

予約するでありますッ!」


ロクシーは笑顔で答える。


「オッケー!前払いね!」


〜fin〜

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

明日も17時更新です☆

Xはこちら→ https://x.com/himari61290

自作のキービジュアルやキャラクターカード貼ってます♪


〈ルシアンとガブリエルをもっと知りたいあなたに…〉


【完結】大天使と“ズッ友”になりたい地獄の王。 〜柄物スーツに一目惚れしてから、すべてが始まった件〜


https://ncode.syosetu.com/n5195lb/


【完結】大天使ガブリエル、地上に爆誕!〜神の命がふんわりすぎて、祈ろうとしたら迷子になりました〜


https://ncode.syosetu.com/n2322lc/


【完結】大天使たち、日本昔話に異世界転生する。〜初恋成就作戦を決行するポンコツ地獄の王に振り回されています〜


https://ncode.syosetu.com/n7024ld/


【完結】大天使ルシアン、最強捜査官になる〜神の沈黙と愛の証明〜


https://ncode.syosetu.com/n5966lg/


【完結】大天使と最強捜査官のクリスマス戦線 〜セレニスに集う者たち、愛か使命か〜


https://ncode.syosetu.com/n9868lk/


【完結】大天使と最強捜査官のクリスマス戦線〜聖夜の余白の物語〜


https://ncode.syosetu.com/n9097lm/


【完結】地上でいちばん可愛い正月旅行〜天使と悪魔も福来たる、温泉・TOKYO・バタフライ〜


https://ncode.syosetu.com/n5279ln/


【完結】大天使、悪魔のお見合いを阻止せよ!?〜地獄の王がお見合いを断ったら、大天使に婚約者が爆誕!〜


https://ncode.syosetu.com/n2903lp/


地上でいちばん難しいバレンタインの贈り物〜天使が天使に恋してます!?悪魔と軍師も混ざる秘密の奇跡〜


http://ncode.syosetu.com/n2458ls/


を読んで頂けるともっと楽しめます(^^)



こちら単体でも大丈夫です☆


\外伝の元ネタはこちら✨/


『最強捜査官』本編 → https://ncode.syosetu.com/n2892lb/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ