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動く雪だるまと合言葉

作者: 屑屋 浪
掲載日:2025/12/27

「なろうラジオ大賞7」参加作品です!テーマは「合言葉」。


【登場人物】

私     :小学生の時、動く雪だるまを見た事がある。

かまくら  :家の裏の雪原に突然現れた。

動く雪だるま:ある夜、かまくらに集まっていた。

 冬になると思い出す事がある。

 私は雪の降る地域に住んでいて、冬になると家の裏は広い雪原になり、小学生の私はそこで雪だるまや雪うさぎを作って遊んでいた。

 ある日、雪原に大きなかまくらができていた。誰が作ったのかは分からなかったが、私はそこを勝手に秘密基地という事にして、漫画を読んだり、お菓子やジュースを持ち込んで寛いでいた。

 そしてかまくらの中が思いのほか暖かい事に気付いた私は、かまくらで星の観察をしようと思い付いた。昼間から双眼鏡や星座早見盤、懐中電灯、毛布を用意して、予定した時間になるとドキドキしながら静かに家を出た。親に気付かれれば止められるからだ。

 しかし庭の囲いまで来た時、異変に気付いた。かまくらの周りに雪だるまが何体もある。夕食前には無かったものだ。

 急いで双眼鏡を使ってかまくらを見た私はドキリとした。雪だるまが動いていたのだ。枝の手が上下に動いたり体がゆらゆらしている。そして雪だるまの一体がジャンプした。

 ピョン、ピョン、ピョン、ピョン。

 するとかまくらの中が光り、雪だるまが入っていく。次の雪だるまもジャンプして、かまくらが光り、中に入っていった。

 それを繰り返して全ての雪だるまがいなくなった後、私はかまくらへ行って確認したのだが、中は空っぽだったのである。

 私は驚きと不思議でいっぱいになった。そして雪だるまが消えた理由をこんな風に考えた。


 かまくらを通じて別の世界へ移動したのだ。


 私も別の世界へ行きたくて、雪だるまと同じようにジャンプした。

 ピョン、ピョン、ピョン、ピョン。

 するとかまくらの中が光った。やったと思い、中へ入ろうとした時、声が聞こえた。


『雪だまるまる雪だるま?』


 私は驚いて何も言えなかった。今から考えれば、あれは雪だるまの合言葉だったのだ。合言葉を言えない者は先に進めない。だから光は消えてしまった。


 その後、何度ジャンプしてもかまくらは光らず、私は親に見つかり家に連れ戻された。後でもう一度かまくらへ行こうとしたが、いつの間にか寝てしまい、気付けば朝になっていた。急いで見に行った時にはかまくらは消えており、跡形もなかった。壊されたのではなく見つけた時と同じようにどこかへ移動したのだと思う。


 私は今でも考える。もしあの時、合言葉が言えていたら、雪だるまの世界に行けたのに、と。

お読み頂きありがとうございます!

謎は謎のままですが、楽しんで頂けたら幸いです。

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