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私の妄想部屋  作者: tukasa
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First. ぼくがしたかったこと。

ぼくがしたいことってなんだろうか。

そう思う毎日がこの何年間も続いてきていた。

周りに同調してはいたがどこか人が嫌いで自分だけしかいない妄想という名の部屋にとじ込もって自分にとって都合のいい空想を淡々と作りふと現実を見ると全くそんな都合のいいことにはなってなくてその度に理想と現実の乖離に苦しめられる。どれだけ認められようとどれだけ慕われても結局自分が認めていなかったら、自分が納得していなければそれはただのハリボテでしかない。そんなぼくの日常のなかで普段から妄想してるいろんなことを面白いおかしくこれからつずっていくストーリーできるだけ更新が途絶えないようにがんばります。

ぼくは昔デザイナーになりたかった。

正確にはミニカーのデザイナーだ。

昔から車が大好きだった。

私自身とくに誇れるものはない、しかし好きなものはある。それが絵と車だった。

ぼくがまだ3歳のころ初めてサーキットに連れていってもらった時だった。家族がぼくの誕生日だからといって鈴鹿サーキットに連れていってくれた。そこでぼくの人生はまるで地球の時

自転が逆回転するかのごとく変わってしまった。2日目だったかお母さんとはぐれてしまったのだ。お母さんを探すためにうろうろしていた。館内のことをまだ把握しきれていなかったぼくはサーキットに迷い混んだ説明がまだだったが鈴鹿サーキットは遊園地とサーキットの二つに分けられている。ぼくは遊園地側で別れた、つまり普通はそっち側にいるのが正解だったのだろうだが3歳のぼくの好奇心はそれを許さなかった。初めてサーキットの客席に足を踏み入れたとき私が驚いたことはそのサーキットの広さではなくサーキットに止まっている車たちだった。ランボルギーニムルシェウラゴsv、フェラーリ458イタリア、マクラーレン650s

、もう遠い昔のことだったためあまり覚えていないがそんなところだった気がする。私は感動した。けたたましいエンジンの轟音、流麗で思わず見とれてしまうほどカッコいいそのスタイリング、その迫力、全てに感動し3歳の心にして感動のあまり涙を流した。自分自身これが親がいないことへの不安ではなく感動の涙であることがすぐにわかった。我ながらに語っていて恥ずかしくない少ない人生経験の一部だ。それからは常に車が頭からはなれなかったご飯食べているときもお湯を頭から被ったときでも例えそれが愛犬に同然だと考えていた祖父母の犬がなくなってしまった連絡が来ていたときさえもぼくがやっていたことはタブレットで車のレストア動画を見ることだった。そのくらい私は車を愛していた。それからある日自分の理想となる車を思い浮かべることが多くなっていた日だった。親の帰りを待っていたときメモ帳を見つけた。初めて車の絵を描いた。初めて描いた車はブガッティのヴェイロンだった気がする。その時私は初めて一人でいられた。誰からも肯定されない否定されない自分だけの部屋。それが初めて確立された気がした。それからぼくは学校の休み時間中絵を描くようになった。絵を書く時対話するのは自分だけで良かった。他人の目を気にすることも挙げ句自分の立ち位置を考えながら好きでもないヤツの期限をとる必要もなかったためとても気が楽だった。

時がたちぼくは中学校2年生になった。

結局あれからもぼくの車と絵の情熱は消えずにいた。そんなある日、いつも通りネットの海に身を投げていると面白いものがでてきた。確かドキュメンタリー番組の動画でその内容はメーカー50周年を記念してミニカーをデザインそのミニカーを実写化させちゃおう的なないようだった。ぼくの心はすぐに動かされた。だが絵を描いていて感じてしまった。自分の絵に熱がはいらなくなっていることに。そして私の出した結論はこうだった。


デザイナーを諦める。


理由は至極単純もともと誰からも干渉されない空間それこそがぼくの大好きな絵を描くという作業だったのだ。しかしデザインするということは評価される。つまりは、ぼくだけの世界じゃなくなる。それは同時にぼくが唯一自己を受け入れることができるきちょうな空間の消滅を意味していた。だからぼくはデザイナー、したかったことあきらめた。いつか世界一のデザイナーなってカッコいい車をデザインするという妄想があった。またぼくは見た。理想と現実の乖離だ。またぼくは自分に落胆した。またぼくは自分を嫌った。

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