銀さん
お久しぶりです。連載します。前回よりは面白いと思います。
夜遅く、2人の男は道を歩きながら話をしている。片方は体格が良くもう一人に肩を貸している。もう片方は大分飲んだのだろう、酔っているようだ。そんな不釣り合いな二人が話している。
「なぁなぁ銀さん最近ここら辺で殺人時件が多発しているらしではないか。」
「おいおい、今そんな話をするなよ。怖いだろう。でもまぁ、そうだな最近はやたらと人が死ぬ。本当に物騒になったもんだ」
「そうそう本当に物騒だ。その殺人事件もこんな夜中だったらしいし、、、」
「おいおい本当に怖いなぁシッコがチビりそうだ」
「ははは、それは銀さんビビりすぎだ」
銀さんと呼ばれた男はもう一人の肩をつかみ引き寄せ小声で
「違う、違う、聞いた話によると、犯人は大男で、知らないうちに近くに来て首を斬るらしいし、遺体は毎回驚きの表情で死んでいるらしいから、なんとも恐ろしい。だからチビるのも分かるだろ」
「まぁ、わからなくもな、、、」
そんな世間話をしながら二人の男は道を歩いていたが、前から白の帽子に黒のコートを着た体格の良い男が歩いて来ていたことに二人は気付き歩みを止めた。男も気付いて立ち止まった。二組の間に緊張が走るが、銀さんと呼ばれた男が
「すいません。煩かったですか?」
と言った。すると男は
「イ、いや。そうではない。忘れ物を思い出しただけだ」
と言い来た道をそのまま戻っていった。銀さんは離れていく男が見えなくなるとほっとした気持ちで連れの男を見た。すると連れの男は腰が抜けた感じで
「いやぁ、銀さん助かったぁ。銀さんほんと度胸あるなぁ」
「いや、貴方が居たから出来たんだ。一人だったら怖くて逃げた。ほんとに二人で良かった。誰も居なくて」
「銀さん、照れるよそんなに言われたら、ははは」
「いや、本当に貴方で良かった。だって━━━━━━━━」
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ある日の朝、町奉行に新しい殺人があったと報告が入る。これで13人目である。今回は酔ったところを殺させたらしい、しかし顔は非常に安心した顔をしていたらしい、それを聞いた役人は皆顔が蒼白になる。
本当に奇妙な事件である。非常に奇妙だった為か。これより先の時代にも受け継がれ、これが世に言う
「嘉永安十三殺」
である。