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バトルフィールドの島  作者: 鍛冶
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バトルフィールド

1話目はホラー要素がまだないですけど

短めで完結したいので是非読んでください。

近未来

戦争の概念が変わった


この地球(ほし)は戦いの歴史の果て

この先に戦争は地球の自滅でしかないと言う結果になったのだ


若者の愛国心は無く戦って母国を守る人が急激に減る

武器を手に入れても使う者が居ない

武器商人も力が入らなくなり武器の進歩は停滞


AIに戦争を任せた国は国民反発をくらいAIを乗っ取られて自滅した


世界中が協定を結んだ

約9割の国が手を結んだ

平和な時代が来たと思われた



それは世界の策略

海に浮かぶ小さな島国

北海道と同じくらいの大きさの島は

戦争の為だけの島


島の名前は バトルフィールド と名付けられた


欲しい物 欲しい領土等、国同士で折合いがつかない場合

この島国に自国の軍隊を各300名づつ送り戦う


自国フィールドと呼ばれる基地内にあるボタンを先に押した方が勝利である

使用禁止武器は核ミサイル、ウィルス兵器など島を使用できなくなる物


この戦いは各国営放送の有料チャンネルでライブ配信されている。


常に何処かの国が戦争をするようになったがエンタメ要素が強いため今迄の戦争より反対するものは少なくなった


武器商人はモチベーションを上げ

戦いの見せ方が上手いからか戦争への志願者も増えた

我が国も自衛隊から軍隊へと変わる事になり

1度戦争に行くだけでボーナスも出る様になった


ただ僕の感想は

戦争が軽くなった気がした

命の重さは変わらないのに視点を変えただけで争うことには変わらない


そして増えた戦争のせいで増えた軍隊員が減り一般からの召集命令が始まった。


現代の 赤紙である


それが僕の所にも来た

正直行きたくないが行かないと厳罰がくだる

悪い時代に戻った気がした


まぁ結婚もしてないし、元々スポーツが得意でオリンピック候補にもなったことがあるから選考されたのだろう

ただ種目は短距離走

戦争向きではない



水面に浮かぶ数隻の船

僕は島へと向かう軍艦から観たことがないくらい輝いている星を観ながら思った。


帰りたい


「何黄昏てんだよ、墨田」

大きな身体の男が僕に声をかける

男の名前は品川

元レスリング選手で何度か大会会場で顔見た位だ

だが軍艦で会った時は心細いせいか、お互い仲間意識が強かった

急に仲良くなった


「早く終わらせて帰ろうぜ」

品川は僕の肩にポンと手を起き一緒に星空を見上げた

「俺はさこの戦争が終わったら結婚すんだ、だからとっとと終わらせるよ」

そう続けて笑った


「そのセリフ死亡ブラフだな」

僕は笑って返した


日が昇り始めると光に照らされた島が影から色を浮き出して見えてくる


バトルフィールドの島が姿を見せたのだ


港から自国フィールドへ入る

フィールド内にある基地は掃除こそされているが所々に前の戦争の跡を残していた

消毒された匂いもあり不気味な綺麗さだった


自国の武器や戦車が搬入される間に一般兵100名に作戦が話される

青い顔をしてる人 異常にやる気を出してる人

両極端な集まりをどちらでもない僕が見ていた


戦闘機は時間が来たら空母から出るそうだ

それが空を通った時が合図代わり

手榴弾とナイフ 機関銃と食料を持って走り出す

それまではなるべく敵の近く迄移動しておく


僕達はジープタイプの車でひたすら走って行った

瓦礫まみれの土地を抜け、何隊かに別れて山に入り森の中で待機する


嫌な高鳴りが僕を締め付ける

品川も流石に顔が曇っていた

僕は品川と同じグループチーム


空が近い山奥で見上げた空には一番星が光る


空母から夕日を浴びて戦闘機が飛び立つ

空母を蜃気楼で歪ませて轟音と共に編隊が飛んで行く


間もなくして僕達の上を戦闘機が通り過ぎると

飛んで行った先から爆撃音が聞こえた


ダダダダダダ

グゥオーン

大地をえぐるような音と共に

「行けぇーっ!」

隊長の大きな声が響いた


ザザザザ

一般兵が一斉に走り出す

ダダダダダダ

離れた所から機関銃の乾いた銃声が響く


当然相手国も近く迄来ていた

考える事はどっちも同じ


出来るだけ誰にも会わずに走って行きたい


暗くなり山の中は影すら解らない程真っ暗だ

チームワークはほぼ無い

一般兵と言う1つのチームは訓練すら受けてないのだから100人の一般兵と言う捨て駒なんだろう


自国ではこの様子が流れている

歓喜に溢れ、賭けまで有る

300人の中で誰が生き残るのか?

誰が先に死ぬのか?

等のパターン別に賭博が有る


スポーツバーの様な場所も有って

バトルバーと呼ばれている

お酒を呑みながら

ツマミを食べながら

命からがらの僕達を観ている

笑いながら、喋りながら文句まで言って観戦


何より驚くのはこれが 国営ギャンブルなのだ

僕達の給付金はこの賭け金から成り立っている


あちこちから銃声や叫び声が聞こえ始めてきた

この辺りも危険だと感じた僕は耳を頼って

人の居なさそうな所を走る


ガサガサ


後ろから音がした、敵なのか?

木に隠れライフルのスコープを覗く


便利だ、よく見える

緑がかった視野にメモリが映っているが

「ん?」

音はしたが、誰も居なかった


油断をしたら殺される


警戒と恐怖が僕を襲い始める

ベタベタの汗がにじむ

自信の浅い呼吸が耳のなかを駆け巡り、僕を怖がらせる


「!!」

誰かが僕の足を掴んだ?

ダダダダダダ

初めて撃った機関銃は地面を掘る

スコープにはボロボロの男が映っているのに

スコープから目を外すと地面から湯気が出てるのだけが見えている

足を振り回し確認しても何も当たらない

しかしスコープには間違いなくボロボロの男が映っている、しかも動いている


「わっわー」

恐怖に襲われた僕は叫びながらその場から走った

「墨田!危ないから声出すな」

遠くから品川の声がしたが、僕はひたすら走って逃げた


暫く走った所で一息つく

水筒の飲み物を飲むと、気配に気づいた


真っ暗な中からいくつものガチャガチャと金属音がした

「え?」

ダダダダダダ ダダダダダダ


暗い森の中が銃声と共にフラッシュされ明るくなった

ドサッと倒れる僕は傷みは無く、ただ遠のく意識が誰かにつままれて引っ張られる感覚だった

どんどん目の前の感覚が無くなっていく


僕は俗に言う

ハチノスにされて死んだ








読んで頂きありがとうございました

引き続き宜しくお願い致します


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