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最強魔術師の学園(冒険者)物語  作者: いじめられ者
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第二話 さよなら

 俺とルーシーは国の門の前で、最後に友達たちとお別れの挨拶をしていた……友達と言っても、みんなルーシーの友達だ、俺のことを見送ってくれる人なんていなかった。まあいいけど……友達一人ぐらい作っとけばな、って思ってしまう……、だが友達ができなかったのは、自分がコミュ障で人と話すのが苦手で、いじめられるんじゃないかと思う恐怖心から来ていたのかもしれない、もし普通に話せてたら、友達ができたのかもしれない。


 その人たちが離れていったんじゃなくて、俺がその人たちから離れていったんだ……、


 まあ、今そんなことを後悔していても前には進めない、あっちの国ではたくさん友達を作ろう。

 ……でも、できるだろうか、普段あまり人と話さない俺に上手く話せるだろうか、友達になりたい人とうまく話せるだろうか、いや、友達っていうのは言葉だけじゃない、行動でも表すことができる、かっこいいポーズをとって、『友達になってくれ!』なんて言ったら友達になれること間違いな……。

 そう言い切ろうとした俺だが、よくよく考えてみた、突然現れた男が、突然グッドしながらかっこいいポーズを決めて、突然『友達になってくれ!』……なんて意味不明で逆に怖がられるかもしれない。

 逆に考えてみよう、もしそんな行動をする奴と友達になりたいか?……いや、なりたくないな。

 結論がすぐに出た。

 頑張ろう、頑張れば友達という、素敵なものができるさと自分に言い聞かせる。


 ところでさっきから数が多いな、あれ全部、ルーシーの友達か? 

 門の前ではまるで今から戦場に向かう兵士を見送るかの如く、人だかりができていた。

 百人はいるんじゃないか……

 ルーシーの女友達は、皆ルーシーと抱き合い、さようならと言い合っていた、その中には、行かないでほしい、という声もあった、もっともだろう、こんな優しい友人がいなくなるのは悲しい、できれば、妹には残ってほしいんだが、俺もルーシーと離れるのは、ほとんど死を意味するからな、俺の都合で国から引っ越す何て、悪いことをしたなと思う。

 そしてルーシーの男友達は皆、号泣していた、『いかないでぐれええ』と泣き叫ぶもの、『寂しくなるな』とクールぶっているが、めちゃくちゃ泣いてるやつもいる、そしてなぜだか、皆が俺を睨んでくる。

 まるで『ルーシーを奪るな」『なんだお前ルーシーの彼氏か?』とかそういう眼差しを向けられる、別に奪るわけでもないし、それに俺は彼氏じゃない、お兄ちゃまだぞ。

 それに永遠にさよならというわけでもないだろう、学校を卒業すれば会いに行けるんじゃないか?

何年後になるかはわからないけど、しばらくの間さようなら、って感じだと思ってくれると嬉しいんだが。  だが、その友人の中に数人だが、俺を裏でいじめていた奴らだ、彼らはフッと俺を嘲笑うように見てきた、だが、少しばかり嫉妬のようなものが見えた、ルーシーと一緒に入れて羨ましいって感じの目をしている、そもそも、俺がお前らがいじめてきたやつって言えば、妹は多分お前らとは友達辞められるどころか『一生顔も見たくない』って感じになるんだぞ、よかったな、俺が言わなくて、優しい人でな、って感じで笑みを返すと、奴らは怯えていた、殺気も混ぜたんだから当然だろう。

 そしてルーシーに惚れているという、あのクソッタレがいない、バックだ。

 仕事で忙しいのか、それとも、さっきのことで、顔を合わせることができないのか、おそらく両方だろう。

 こちらとしては顔を合わせることがないので、嬉しいんだが……

 ていうかもう見たくないな、次会ったら『何をやらかす』かたまったもんじゃない。

 無論俺の妹に手を出そうものなら、だれであろうと躊躇いもなく、殺す、だけだ。

 ……とそろそろ出発だな、カイエン・ルミナス、俺の叔父が馬車を連れてきた。

 俺は馬車の中に入ろうとすると、突然声をかけられた。

「あの……」

 と声をかけてきてくれたのは、ルーシーの親友とも呼べる、たしか……

「えーと……君は確か……」

 そう考えこみながらいうと、彼女はフッと笑って自己紹介をしてくれた。

「サリエ・スミスと申します!ルーシーの親友です!」

 サリエ・スミス、この子のことはルーシーからたくさん聞いている、『とても優しい子で、女性の私ですら惚れてしまうぐらいにかっこいい人です』と太鼓判を押すぐらいだ。そしてこの子も、いやこの方も、その歳で、この国の兵士、つまりバックと同じ、ということだ、だがその見た目は鎧を着ているが、にじみ出ている、スレンダーなボディ、髪は黒髪ロングと普通だが、兵士にふさわしい真剣な顔、男なら、すぐに惚れてしまうほどに美しい、そして優しい表情。ずっと見ていたくなる。十秒間ほど見惚れてしまったが、ハッと我に返り。

「あ、すみません、ボーっとしてました」

「いえ大丈夫です!」

 彼女は笑顔で答えた、やばい可愛い、ルーシーとは違う可愛さがある。

 他の女性たちよりも一段と輝かしく見える、人の良さっていうのはオーラで見てわかる、『いい人オーラ』がこれでもか!ってぐらい出ている。

「あの、ルーシーのお兄さん、ですよね?」

 と聞いてきたのでここは男らしく、紳士?らしく答えよう。

「初めまして、ルーシーの兄、レミルズ・ルミナスと申します、妹がいつもお世話になっております」

 と頭を下げた、サリエは慌てたように。

「いえ!お世話になっているのは、私の方で、いつも助けられてばっかりなので、それと頭を下げなくても、大丈夫ですよ?」

「いえ仮にもあなたはこの国の兵士です、そんな位の高い人に頭を下げるのは当然かと……」

「そんなことはありませんよ、私なんて、兵士としてはまだまだで」

「そんなご謙遜を」

 本当だ、この子は見ただけで分かる、魔力量が周りとは段違いだ、相当鍛えられたのであろう、恐らく、バックより強い、それでもルーシーの方が魔力量が多いな、化け物級は身近にいるもんだね。

「それにあなたは、お世話になってばかり、と言いましたがルーシーと仲良くしてくれるだけで、本人はそれでお世話になっていると思っていますよ!」

 彼女は、頬をポリポリ搔きながら『そうでしょうか……』と恥ずかしがりながら言う。

 そしてなぜか、彼女は俺の顔をずっとじろじろ見ていた……

「あの……俺の顔に何か付いてます?」

 と聞くとサリエは慌てて目線をそらした。

「す、すみません、つい……」

「ん?つい?」

「いえ、あの、意外とかっこいいなって思って」

 彼女はそう言うと、キャッと恥ずかしそうに後ろに向いた。

 俺がかっこいい?みんなからブサイクって言われ続けてきた俺が?、だがルーシーだけは『かっこいいですよ』と言ってくれる、兄を傷つけたくないだけの心使いだったのかもしれないけど。

 ルーシー以外で言ってくれる子は初めてだ、嬉しくなっちゃうね、ただのお世辞かもしれないけど。

「ありがとうございます、お世辞でも言ってくれるのは嬉しいです」

「そんなお世辞ではありません!」

 大声で言ってくれた、ちょっと顔が赤くなってる、なんかやらかしたのか俺は。

「皆からルーシーの兄はブサイクって聞いて、最初はどんな男が出てくるのか、って思ってたら、思いのほかかっこよくて、つい」

「国の兵士様に言ってもらえると自信がつきますね……」

「もっと胸を張ってください!、と今日はレミルズさんにお願いがあって……」

「お願いですか?」

 なんだろう、ルーシーを置いて行ってもらえませんか?なんて言われたら、流石に泣く、でもルーシーだってここにいたいんだろう、決めるのはルーシー自身だ。

「はい、お願いというのはルーシーのことです」

「ルーシーをこの国に置いてくださいとかですか?」

 サリエは首を振り答えた

「いえ、ルーシーにはもっと世界を知ってほしいので、ここに置いてという話ではありません、もう会えないとかはないと思いますし。」

「では何でしょうか?」

「ルーシーのことをよろしくお願いします」

 ふむ、お願いしますか、恐らく『あっちの国で上手くやっていけるのか心配』という感じだろうな。

「ええ、でも大丈夫ですよ、ルーシーはあっちの国でもすぐに馴染んで、友達だってすぐできます、俺じゃあるまいし、だから安心してください……」

 彼女にそう言うと笑みをこぼしながら……

「そうですよね!、彼女は人気者で、明るい子なので、心配なさそうですね!ありがとうございます!」

「たまにはルーシーに手紙を書いてやってください、喜ぶんで」

「もちろんたくさん書きます!なにせ親友ですから!」

 ……と彼女は可愛い笑顔で言った

「あと……」

「はい」

「レミルズさんにも手紙を書いてもよろしいでしょうか?」

「俺に?」

 なんで俺に何だろう、ルーシーに聞けないこととか、彼氏が欲しいから男はどうすれば振り向いてくれるか、とかだろうか。でもまあ手紙が来ることは嬉しいから、問題はない。

「こんな僕に手紙を書いてくれるなんて、光栄です、ぜひ送ってもらえると嬉しいです……」

「は、はい!ぜひ送らせてもらいます!」

彼女はさらに顔を赤らめていた、また何か気に障ることをしてしまったのか心配してしまった。

「では私は仕事があるので、これで!、今日はお話ししていただきありがとうございました!、また会える日をお望みしております!」

 と彼女は手を伸ばしてきた。

「いえ、こちらこそありがとうございました。ぜひ、また会いましょう」

 と俺たちは握手を交わした、友達ってことでいいのかな…………

 彼女は最後に、ルーシーと抱き合い、城の方に戻っていった……また会いたいな……

「行きましょう、お兄様」

「もうお別れの挨拶は済んだか?」

 彼女は親指を上げグッドポーズをしている。

 これならあっちの国でも、やっていけるなと確信し、俺たちは馬車に乗って、リネル王国にさよならをした。


父さん……母さん……絶対また戻ってくるからね……




 

 

 




リネル王国から発ったレミルズ達、この先はどうなるのか

そしてサリエはレミルズのこと、どう『想って』いるのでしょうっているのでしょう。

サリエさんとはしばらくのさよならですね

見ていただきありがとうございます!


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