似てないヤツ
『ゲラゲラコンテスト2』投稿台本です。
◇舞台袖から二人ピッタリ並んで歩いてくる。
ボケ「これから僕たちは漫才をします!」
ツッコミ「漫才中、ちょっと言葉が乱暴かもしれませんが、ボクたちは仲良しなので安心してくださいね!」
ボケ「さぁ! 始まります! タイトルは」
ボケ・ツッコミ同時に「似てないヤツ」
ツッコミが「ブー」っと舞台の公演開始のブザーのマネをする。
二人がお辞儀をして、顔をあげ話に入る。それなら
◇ボケ、笑顔で
ボケ「ねえねえ! 聞いて聞いて!」
◇ツッコミ興味津々で
ツッコミ「お、何かな何かな?」
ボケ「さっき、君にめっっっっちゃくちゃ『似てない』ヤツ見た!」
◇ツッコミ困惑して
ツッコミ「え、なんで報告したの!?」
◇ボケ、笑顔で
ボケ「似てないから」
ツッコミ「似てないヤツってたくさんいるよ! 似てるヤツなら『へぇー』ってなるけど、似てないヤツ見たって言われて、どんな反応返ってくると思ったの?」
◇ボケ、手をグーにして、上にあげてテンション高く
ボケ「『マジで! 見に行こう!』って」
ツッコミ「いや、その辺歩いていても見られると思うよ!」
◇ボケ、ツッコミの肩に手をおき、真剣な声で
ボケ「いやいやいや、逆に見たくない? 自分に滅茶苦茶似てないヤツ?」
ツッコミ「いや、別に」
◇ボケ驚いた顔で
ボケ「同年代で同性だよ!?」
ツッコミ「なんで『買わないの!? 半額だよぅ!?』みたいなノリで言う!? 見て『うわー似てない』ってなるだけじゃん!」
ボケ「うん」
◇ツッコミ、馬鹿々しい……といったふうに手をひらひら振る
ツッコミ「意味がない」
◇ボケ怒った様子で
ボケ「世の中に意味のないことなんてない!」
◇ツッコミも怒った様子で
ツッコミ「じゃあ、どう意味があるか言ってもらおうか!」
◇ボケ、真面目な声で――
ボケ「同年代で同性でここまで似てないというのは歩んできた人生が違うということがわかる」
◇ツッコミ、真剣に頷く
ツッコミ「うんうん」
◇ボケ、真剣な表情を崩し甘い艶声で――
ボケ「……まあ、そういうことだ」
ツッコミ「最もらしいこと言おうとして投げ出すな! 結構、『おっ』て思って期待してたのに!」……と、プンスカ。
ボケ「いや、言いたいのは、歩んできた人生が違うということは見た目もこんなにも似てないってこと」
ツッコミ「なら最初からそう言えばいいのに」
ボケ「まあ、顔の骨格も体型も違うから根本的に似てないんだけどね」
ツッコミ「人生関係なくない?」
ボケ「まだいるかもしれないから見に行こう」
◇ツッコミ、呆れながら
ツッコミ「あーもう、わかったよ」
◇ボケ、暗黒舞踏な奇妙にくねくねさせながら。(※声ならへーんな声で)
ボケ「ワニャワニャワニャ」
ツッコミ「いや、そもそも人間じゃない!」
ボケ「ほーら。『煮てない昆布』」
ツッコミ「……昆布じゃない! エイリアンだ!」
◇揃って『ワニャワニャワニャ』と左右に反復移動。
二人「ありがとうございました!」