十五話 ブログを書いてみた
「さてと、寝る前にやろうかな」
ログアウトした俺はパソコンの電源を入れて、『Lunatic brave online IV』の筐体と繋げた。こうすることによって『Lunatic brave online IV』で遊んだデータをパソコンに取り込んで画像等を編集できる。
「とりあえず、ドメインを取得して……サーバーは前のがあるから大丈夫、と。テンプレートは……これも前に買ったやつの中からでいいか」
俺は『Lunatic brave online』を楽しんでいた時にブログを運営していた。独自ドメインを取って、有料サーバーを契約し、WordPressで制作していた。当然、忙しくなって遊ばなくなってからは放置だったのだが……
今回『Lunatic brave online IV』をやるにあたって、ブログの運営も再開しようと思い立った。再開というよりは開始と言った方が合ってるかもしれないが……
「久々だけど、やっぱ感覚的なのは残ってるんだな」
パパパッとブログのタイトルを決めて、記事を書く。とりあえず一回目は今日のこと。メインクエストの攻略記事とかかな? 生産関係はもっと色々と試してから書くことにしよう。
「記事はこれで大丈夫……っと。次に取り込んだデータから、画像をスクショして……挿入して……」
記事を書いたら画像の挿入&編集をする。文字だけのブログじゃあ面白みも何も無い。『Lunatic brave online』の時は、ブログのことを考えながらプレイして、画像をスクショしておかなきゃならなかったけど、『Lunatic brave online IV』は楽だな。普通に遊び終わってから筐体とパソコンを繋げばいいんだもの。
「……よし! っと。これで『Lunatic brave online IV』に興味を持ってくれる人が増えたらいいなぁ」
『Lunatic brave online』の時にはたまに知らない人からチャットがきたこともある。「ブログ見てます!」とか「頑張ってください!」とか言われると嬉しかったものだし、俺のブログを見て楽しそうだと思って始めた、とか聞くと嬉しすぎてレアアイテムをあげたりしたものだった。俺の好きな『Lunatic brave online』を好きになってくれた、俺が普及させたんだって思うとより一層『Lunatic brave online』も楽しめたものだ。
『Lunatic brave online IV』はにちゃんねるにもスレ立ってなかったし、正直、人気がないのかもしれないけど、俺のブログがその一助になるかもしれない、と思うとブログにも身が入る。
「さて、こんなもんかな。寝るかー!」
と、俺はブログの記事を一つ投稿してから寝床についた。
一方その頃……巨大掲示板のごちゃんねるでは……
────────────────
203 名もなき月の勇者
やべー装備買っちった
208 名もなき月の勇者
»203
どんな装備だ?
208 名もなき月の勇者
»208
千発千中って能力ついてる冒険者の服
211 名もなき月の勇者
»208
はい、デマ乙
聞いたことない能力だぞ
212 名もなき月の勇者
»208
もしかして百発百中の上位能力?
218 名もなき月の勇者
»212
っぽいね。命中率二倍だから多分そう
220 名もなき月の勇者
»218
なんだそのぶっ壊れ性能。百発百中だって十%アップだぞ。アホか。
222 名もなき月の勇者
»220
しかもこれ、十万で出てたw
224 名もなき月の勇者
»222
嘘だろ? 百発百中だって百万くらいするぞ?
誰も知らないレア能力だし五千万でも売れるんじゃないか?
228 名もなき月の勇者
»224
アホか。五千万でも売らねーわw
230 名もなき月の勇者
»228
だよなぁ……その能力があるって分かっても手に入れる気には到底ならんわw
231 名もなき月の勇者
»230
禿同
232 名もなき月の勇者
»231
通常攻撃を千回連続で当てる。
これで百発百中だぜ?
多分一万回とかだぜ? 千発千中は。
頭おかしいだろ。運営はw
取らせる気は無いってことw
233 名もなき月の勇者
»232
でも、あるんだぜ? ここにw
234 名もなき月の勇者
»233
運営以上に頭おかしい奴がいたってことかw
しかもたった十万ぽっちで売るとかw
バカと天才は紙一重ってのは本当なんだなw
235 名もなき月の勇者
»234
禿同w
────────────────
簡単な気持ちで売却した装備が話題になっていることなど、アオイは知る由もない。