99 武器選び
「よろしくお願いします。千波矢です。」
「おう。で、どんな武器が欲しいんだ?」
「そうですね。鈍器か斧系の武器です。」
「なんだそりゃ。えらく変わった趣味だな。斧と鈍器は全く違う武器だろ。」
「スキルの関係でどうやらこの系統に相性が良いみたいなんです。」
ザイルさんは不思議そうな顔をしていたので俺は【蛮族の英雄】について説明した。
「ふーん。初めて聞くスキルだな。詳しく調べさせてもらっていいか?」
「はい、構いませんが、何をするんですか?」
「ああ、お前のスキルのように複数の武器に効果がある場合、どの武器が一番使いやすいかを調べた方がいいんだ。」
「どういう意味です?」
「本人の筋力や体格などで扱いやすい武器が変わるだろ。後、思ってもみなかった武器に効果があることもあるからだ。」
なるほど、そういうことか。ザイルさんは「用意してくる。」といって店の奥に入っていった。
しばらくすると、「用意ができたからこっちに来い」とザイルさんに店の裏に連れていかれた。そこは武器を試すための広場になっていた。そこにはハンマー、斧、ナックルなど以外にもいろいろな武器が用意されていた。
「まずは剣でその的を攻撃してくれ。」
ザイルが指さす先に丸い球体の物体が置いてあった。俺は言われたとおりにその的を切りつける。的は少しへこんだ後、また元に戻った。
「5秒ってとこだな。」
「この的は何なんですか?」
「なんだ、知らねえのか。この的はな、見ての通り、切りつけても元に戻るんだ。そして戻るのにかかった時間で与えたダメージ量がわかるんだ。」
なるほど、そういうことか。俺は用意された。武器を次々に試していく。どうやらこれらの武器は攻撃力が同じになるように調整されたものらしい。そのため、スキルや本人と技術のみの比較ができるそうだ。
剣、槍、ハンマー、斧、ナックル、昆、いろいろな武器を試していく。予想通り、斧とハンマーは12秒と非常に良い結果だった。そして以外にもナックルが8秒と良い結果だった。そして、ハルバードという武器は10秒と良い結果がでた。
「面白い結果がでたな。斧とハンマーの他にナックルとハルバードか。」
ザックさんが笑いながら俺の背中を叩いてきた。あまりの力に俺はよろめく。それを見て、ザックさんは思案し始める。
「兄ちゃん。斧やハンマーを使うには筋力が足りないな。」
「自分でも重々承知しています。」
「かと言ってナックルやハルバードは技術が足りない。」
「ということは・・・」
「この4種類の中ならどれでもいいってことだな。」
ザイルさんはそういうと豪快に笑いだした。
結局俺は片手斧を購入することにした。実力が付いたらまた武器選びをしようと思う。




