表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の悪戯に翻弄される冒険者  作者: 佐神大地
第2章
74/330

74 気分鎮静化《リラックス》

ブックマーク登録ありがとうございます

「ギル、ソフィアさん、すみませんが王宮での情報収集お願いします。」


「おう、任せておけ。」


「わかりました。」


 そういうと、ギルとソフィアは王宮に向かう。俺は馬車による疲労が残っているので、アンと一緒に教会に行って、休憩させてもらうことにした。ついでに何か情報がないか聞いてみることにしようと思う。フミヤは「久しぶりの王都だ。ちょっと遊んでくる。夜までには教会に行く」と言ってどこかに消えていった。



 俺とアンは教会に行くとリリアさんが出迎えてくれた。


「アン、千波矢さん。久しぶりね。元気・・・じゃないみたいね。どうしたの?」


「馬車の旅が思ったよりもきつかったもので・・・」


「馬車の旅がきつかった?ああ、酔ったのね」


 リリアさんはそう言うと何やら魔法を掛けてくれた。すると、吐き気などがなくなった。


「どう?気分は良くなった?気分鎮静化(リラックス)って魔法よ。」


「よくなりました。ありがとうございます。」


 俺がお礼を言うと、リリアさんは「どういたしまして」と言い、アンの側に近づく。


「アン。これくらいの魔法使えないと嫌われちゃうわよ。」


 リリアさんは意地悪そうにアンに囁く。この人は相変わらずだな。


「えっ。」


 瞬間、アンの表情が暗くなる。そして「嫌いにならないで。」とばかりに俺を見つめてくる。いやいや、これぐらいで嫌いになりませんよ。


「アン。心配しないでも教えてあげるわ。」


 リリアさんは笑いを堪えながら、すばやくフォローする。




 早速、アンはリリアに気分鎮静化(リラックス)を習っている。どうやら簡単な魔法ですぐに覚えれるそうだ。アンは真剣な表情だ。


「で、あなた達は今、何を調べてるの?」


 リリアさんが俺に聞いてきた。俺はリコリスでの話を伝える。


「王国の東の島の別荘?」


 リリアさんが何か考え込む。


「何か知っているんですか」


「別荘は知らないけど、アンデッドの島なら知っているわよ」


「アンデッドの島?」


「ええ、王国の東にある島よ。いろいろなアンデッド系モンスターが生息しているの。数年前に浄化作戦が決行されたけど、失敗したのよ。」


「怖い場所ですね」


「もしそこが目的地なら聖なる光(ホーリーライト)って魔法が必要よ」


「その魔法も使えないです」


 魔法の練習をしていたアンが気まずそうに呟く。この世の終わりみたいな顔をしている。


「当たり前でしょ。聖なる光(ホーリーライト)は見習いが使えるような魔法じゃないわ。上位神官か聖堂騎士団になって、始めて習う魔法よ。あなたはまずは気分鎮静化(リラックス)の練習よ。」


 リリアは呆れ顔であった。しばらくして、アンは気分鎮静化(リラックス)を修得した。アンが「これで馬車も大丈夫ですよ」と笑顔で言ってきたが、「馬車は出来れば御免被りたい」と思ったのは秘密だ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ