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神の悪戯に翻弄される冒険者  作者: 佐神大地
第2章
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64 エルフの文化?

 結局、フミヤさんに押し切られて、一緒に旅をすることになった。フミヤさんの用意があるため、出発は明日の朝、ということになった。今夜はエルフ総出の送別会が開かれるそうだ。送別会までは暇なため、俺たちはエルフの里を観光することにした。


 俺のイメージではエルフは自然を愛する森の守護者のイメージなのだが、この里では木々を切り倒し、森を開拓している。少し・・・、いや、かなりイメージと違う。


「なあ、この世界ではエルフってこんな種族なのか?」


「私は、エルフは自然を愛し、自然と共に生きる種族と聞いていましたが、ここは違うみたいですね。」


「自分はエルフの知り合いがローラン様だけなのでなんとも言えませんが、ここは特殊な気がします。」


 やっぱりそうなのか。この里はどちらかというと、自然と共存ではなく自然を管理して生きている、というイメージが近い。

 売られているものを見ても、武器に金属が使われていて、イメージにそぐわない。



「この里はどうですか?」


 一人のエルフが話しかけてきた。確か、フミヤさんがこの里の現リーダーだと言っていたヒトだ。


「いい里ですね。」


 俺が答えると彼は笑いながら答えた。


「思っていたイメージと大分違うでしょう。本来エルフは自然と共存する種族ですが、我々はフミヤさまの影響を強く受けすぎています。あの方のおかげでこの里は幾度も滅亡の危機を回避してきたと伝えられています。そのため、徐々にあの方の考え方がこの里の浸透していったそうです。あの方はなぜか、エルフとは全く違う価値観や考え方を持っています。そのため、この里は他のエルフの里から異端視されているんです。ここ数百年、あの方はそのことを気にしていました。おそらく、里を出るのはそのこともあるんだと思います。どうか、あの方をよろしくい願いします。」


 何か深刻な話になってきた。それにしてもあのフミヤさんがそんなことを考えていたなんて、思いもしなかった。



 送迎会では中央の広場でキャンプファイヤーがたかれていた。これもイメージとは違う。だいたい、森の中でキャンプファイヤーは森林火災になる危険が高い。やっぱりフミヤさんによる文化汚染はかなりひどいのだろう。キャンプファイヤーの横で酒を飲みながら、肉を食っているフミヤさんやエルフたちをみると日本でキャンプをやっているように感じられる。うん、ここは日本の文化がかなり浸透しているんだろう。



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