表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の悪戯に翻弄される冒険者  作者: 佐神大地
第2章
54/330

54 初めての調剤

「いくぞ、お前ら。」


「おおー」


 遠くで勇ましい声が聞こえる。冒険者達がオーク討伐に向かったのだろう。ギルド嬢の話によると今日の夕方までには帰還する予定だという。


「何をしようか。」


 アンもギルも今日は一日自由行動だ。


 ・・・することがないな。




 俺はあることを思い出した。せっかくリンガル様にもらった魔法の調剤器具を使っていない。以前、試そうとは思ったのだが、結局使っていないのだ。調剤に必要な薬草などは道中に結構採取して溜まっている。


「なあ、D(ディー)。初心者に作れそうで、現在の手持ちの材料で作れそうな調剤のレシピを教えてくれ。」


「・・・現在調剤可能なレシピは20あります。その中でお勧めは、ランクGの調剤レシピでは回復薬、解毒薬、気つけ薬の3つで、ランクFの調剤レシピは栄養剤、高回復薬、万能薬の3つです。作り方は・・・・・・・・・です。」




 リンガル様から与えられた魔法の調剤器具には調剤器具の他に薬保管用のビンが100本も付いていた。しかも、スキル【調剤 優】を超えるスキルを付与された俺専用の道具らしい。チートアイテムだな。

 まずは、基本の回復薬を作ってみるか。



「あれ、この魔法の調剤器具、D(ディー)の説明とかなり違うな。」


 いざ、作ってみようとするとD(ディー)の説明に出てくる調剤器具と俺の持っている魔法の調剤器具の構成がかなり違っている。


「まずいな。・・・作り方がわからない。」


 俺は魔法の調剤器具の取扱説明書を読むことにした。日本にいた時、新しい家電を購入しても取扱説明書など読むことはほとんどなかった。取扱説明書など久しぶりに呼んでいる。


 どうやら、思った以上にチートなアイテムだった。「湧き水(アクア)」という魔法で水を作りビンに入れ、必要な材料と水入りのビンを本体にセットし、魔力を発動しながらスタートボタンを押すと薬ができる、ということだった。D(ディー)の説明にあった焙煎、抽出、ろ過などはする必要がないようだ。




「あくあ」


「アクア」


 ・・・・・・


湧き水(アクア)


 7回目で湧き水(アクア)に成功した。この魔法は水を作る魔法だ。これで「灯り(ライト)」についで2つ目の魔法の修得だ。できれば、次は攻撃魔法を覚えたいものだ。


 後は簡単だった。回復薬、解毒薬、気つけ薬、高回復薬、万能薬、栄養剤をそれぞれ10個ずつ作りことができた。成功率は・・・100%だった。

 結局、午前中で調剤は終わってしまった。俺はすることがなくなり、午後は暇な時間を過ごす羽目になった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ