51 フラグ回収
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「ギル、この辺では上位種のオークは出ないといったよな。」
「はい、いいました。」
「俺たちの目の前にいるオークは先ほどのオークと違う気がするんだが、どう思う。」
「・・・オークソルジャーとオークマジシャンですね。」
俺たちの前にオークソルジャーとオークマジシャンが立っていた。見事にフラグ回収をしていた。
「よりによって、オークマジシャンですか。やっかいですね。」
「アン、強いのか?」
「眠りの魔法とか炎の魔法とか使ってきます。身体能力はオークとさほど変わらないはずです。」
「炎の魔法か、厄介だな。」
「いや、千波矢。厄介なのは眠りの魔法だ。眠ったら最後だからな。炎の魔法は熱いが、打撃の方が痛い。」
「・・・そうなのか?それなら、俺がマジシャンの相手をするから、二人でソルジャーを倒してくれ。」
「危険ですよ。千波矢さん。」
「心配するな。俺に眠りの魔法は効かない」
「「あっ」」
俺はオークマジシャンと対峙した。相手は杖を手に握りしめ、こちらは棍棒を握りしめている。互いに渾身の一撃を相手に繰り出そうと牽制している。たしかに、先ほどのオークの方が剣と盾を装備していた分、強そうに見える。
「炎の魔法くるな」
俺は心の中で呟きながら相手の隙を探していた。俺の目的は時間稼ぎである。俺がこいつを引きつけている間にアンとギルにオークソルジャーを倒してもらう。そして3人でオークマジシャンをボコる。完璧な作戦だ。危険なのは炎の魔法だけだ。
「炎くるな。炎くるな。」
願いが通じたのか眠りの魔法を唱えてきた。Dの通訳で唱えている呪文が眠りの魔法だと教えてもらえた。
これはチャンスかな?俺がわざとふらつくと、相手は杖を大きく振りかぶって攻撃してきた。予想通りだ。後は先ほどのオークと同じだ。避けて、頭に棍棒を叩きつけるだけだ。今度は一撃で倒そう。俺は渾身の力を込めて棍棒を振り切る。
ボキッ。
凄まじい衝撃が走り、棍棒が折れる。俺は勢い余って、もう一回転して尻餅を付く。
これはまずい。
・・・
・・・・・・
相手の追撃は来なかった。オークマジシャンの方を見ると、頭が・・・。
おぇー。
俺は一撃で倒すことが出来ていた。
アンとギルの方を見ると二人も優勢に勝負をしていた。ギルは倒したことがあると言っていたし、2対1なら問題ないだろう。
俺の実力では、助けに行けば逆に迷惑になりそうなので、このまま見守ることにした。しばらくして、アンの大剣がオークソルジャーの首を跳ね飛ばして決着がついた。