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神の悪戯に翻弄される冒険者  作者: 佐神大地
第1章
25/330

25 そう、これは変装だ

「ちょっと出かけてきます。待っていてくださいね。」


 アンはそういうと外出してしまう。変装の道具を買いに行くのだろうか。偉く張り切っているな。俺は何もすることがなかった。困ったな。何か趣味でもつくろうかな・・・。


 しばらくすると、アンは大きな袋を抱えて帰って来た。


「お待たせしました。変装用の道具を持ってきました。」


 そういうと、アンは紙袋から物を取り出す。


 ロングの黒髪のカツラ。

 女性もののワンピース。

 化粧道具。


 これはアン用だろうか。


「千波矢さん、使い方はわかりますか?」


「えっ?これ、俺用なの?」


「はい、そうですよ。」


「もしかして、変装じゃなくて女装しろと・・・。」


「貸衣装屋の友達から借りてきたんです。千波矢さんの特徴を伝えたら、女性ものが似合う、という結論に達して。」


 都合のいい友達がいたもんだ。


「で、どう伝えたんだ。」


「えっと、黒髪の短。色が白い。ほっそりした体型。身長は私より15センチほど高い。

 ですかね。」


 うん。特徴を捉えているな。良く観察している。って、感心してどうする。


「千波矢さんの声は少し高いのできっと大丈夫です。ギルドに行ったらモテモテですよ。」


 いや、それは勘弁願いたい。あんな暑苦しい男どもに言い寄られたくない。


「ちなみに、私のカツラも黒髪にしました。姉妹ってことでお願いします。さあ、時間がないです。着替えてください。」


「・・・・・・。





 渋々着替える。人生初のワンピース、いやスカートだ。スースーする。とても変な感じだ。


「わあ、綺麗ですよ。お姉ちゃん。」


「誰がお姉ちゃんだ。」


 アンの方を見るとカツラを装着し、いつもと違う服を着ている。ちょっと新鮮な感じだ。つい、見惚れてしまう。


「どうしたんですか?それより、口調、気を付けてください。後、私たちは姉妹の設定です。」


「はいはい、わかりました。アンちゃん。」


「そうですよ。お姉ちゃん。」


 そういうと、アンは嬉しそうに俺の方をジロジロ見る。


「何か顔についてます?」


「いえ、小さい時にお姉ちゃんがほしかったので、夢が叶ったかな、と」


 そうですか。それは良かったですね。


「後は化粧ですね。」


 ソウダッタ。マダソンナモノガノコッテイタ。




 30分後、化粧が終わり変装は完了した。そう、これは変装だ。断じて女装ではない。



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