2 神の悪戯
本日は頑張ったので2話目も投稿します。3話目は・・・
「いや、君は不運なんじゃなくて、神様に『神の悪戯』ってスキルを与えられているんだよ。」
「なんですか。『神の悪戯』って」
「『神様の力で結果が自分の思いもよらなかった結果になる』っていうスキルだね。」
「それで俺は不運だったんですね。」
「いや、結果が君にとってより良くなることもあったはずだよ。」
そんなことあっただろうか。
・・・
・・・・・・
あっ。あった。罰ゲームで好きな女子に告白させられたら、OKの返事が来て、しばらく付き合ったっけ。あれがそうかな。
最も、1ヶ月後に不良に絡まれている同級生を助けたら、「不良は嫌い。」って言われて別れたけど・・・。
「まあ、悪くなる方が多かったみたいだな。」
ラインハットさんが笑いをこらえている。
なるほど、「神の悪戯」ってこういうことか。俺が反応するのを見て、楽しんでいたのか。
「違うよ。僕じゃないよ。このスキルを君に付けたのは」
「じゃあ、誰が付けたんです?」
「えっと。僕より偉い神様。」
「で、俺はそいつに文句を言えばいいんですか。」
「えっと。無理かな。どう頑張っても君が会うことはできないね。」
「そんなに偉い神様なんですか。」
「そうだね。悪いけど、これ以上は話せない。僕も命が惜しいから。」
ラインハットのスマホの着メロが鳴る。着信者を見たラインハットの顔色が明らかに変わる。誰からだろうか。
ラインハットはいない相手に向かって何度もお辞儀をしている。ほんと、サラリーマンだ。
電話を終わったラインハットは疲れ果てていた。かなり精神的に疲れたようだ。
「あの、すみません。そろそろ元の世界に帰りたいんですけど、帰してもらえます?あと、できればこの『神の悪戯』ってスキル、外してもらいたいんですけど。」
俺が図々しいお願いをするとラインハットは深くため息をついて俺に言い放った。
「両方とも無理です。」