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神の悪戯に翻弄される冒険者  作者: 佐神大地
第4章
197/330

197 対策会議始まる

 対策会議にはそうそうたるメンバーがそろっていた。流石、王子が開催した会議である。緊急であったにもかかわらず、魔王に対抗するための有力者のほとんどが集まっていた。

 武官では龍王騎士団団長、近衛騎士団団長、他にもすぐに集まることのできた将軍やそれに類する立場の者は全員出席していた。宮廷魔術師も何名か出席している。文官は宰相を筆頭に財務長官などほぼすべての高官が出席していた。現国王は病で床に伏しているため欠席だったが、クリス王子、フィル王子両殿下が参加していた。

 教会関係者として大神官、聖堂騎士団団長、リリアさんも呼ばれている。その隣には冒険者ギルドの職員がいる。おそらく一番偉そうにしているのが王都のギルドマスターだろう。その隣にはいかにも歴戦の勇者、といういでたちの冒険者が座っている。


「千波矢、あの人ランクSの冒険者、レギンスさんだ。」


 ギルが驚きの声を上げている。なるほど、ランクSの冒険者か。




「ほとんどの者が顔見知りだとは思うが、幾人か新参の者もいるな。しかし時間もないことなので自己紹介などは後で各自やってくれ。これより、魔王対策の会議を始める。まずは神託者アン、リンガル様からの神託の言葉をもう一度皆に聞かせてくれ。」


 クリス王子の進行で会議が始まった。指名されたアンが緊張した面持ちで席を立つ。


「『新たなる魔王が誕生し、活動を開始したので注意するよう』これがリンガル様から直々に賜れたお言葉です。」


「新たな魔王だと!」「そんな馬鹿な!」あちらこちらで動揺が走る。


「静まれ。元々魔王と戦うために準備を進めてきたのだ。戦う相手がちょっと違うだけだ。」


 クリス王子の言葉に口に出すものはいなくなったが、動揺は残っている。


「すまんが、嬢ちゃん。リンガル様は魔王の動向について何か仰っておられたかのう?」


 次に口を開いたのは初老の将軍だった。退役直前ということで現在は役職を辞しているが、数年前までは王国の全部隊を率いる大将軍の地位にいた人物だ。


「いいえ」


「そうか、情報は全くないのか。ギルド長。魔人の目撃情報、モンスターの生息分布の変化や個体レベルの上昇などの情報がないか調べてくれんか。」


「わかりました。その辺はギルドで調べていきます。ただ、申し訳ないのですが、冒険者は依頼がないと動かない場合が多いので、できれば少しでも予算を付けてもらえば嬉しいのですが・・・。」


 ギルド長は申し訳なさそうに提言する。


「わかった。それでは国からギルドに依頼というにしよう。財務長官、面倒だがよろしく頼む。」


 クリス王子は即断で決めていく。財務長官もわかりました、と頭を下げる。どうやら、この世界では騎士団とギルドの仲は悪くはないようだ。


「それはそうと、そちらの御仁は全く初めてお目にかかるのですが、どちら様なのでしょうか?」


 出席者の一人がラインハットを指差して聞いてきた。


「ふむ。そうだったな。千波矢、是非にと推薦したので会議に参加させたのだが・・・」


 クリス王子もラインハットの事は気になっていたようだ。



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