19 パーティーを組みました
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朝、目が覚める。隣のベットにはアンが寝ている。俺は今日もよく眠れなかった。ぐっすり眠れるアンを羨ましく思う。
「おはようございます。どうしたんですか。私の顔をまじまじと見て。
もしかして、私を襲おうと・・・。」
「違う。よく眠ってるな、と思ってただけだ。」
「眠っている内に襲おうとしたんですか。」
アンはそういうと身構える。なぜアンはいつもこうなる。
「違う。そんなことするわけないだろ。」
「あはは、冗談ですよ。千波矢さんがそんなことするわけないって、分かってます。
今日は私もお仕事手伝いますんでがんばりましょうね。」
アンはそういうと出かける準備を始める。
信頼されているのは嬉しいが、この寝不足はきつい。
「そうだ、ギルドの人が冒険者にならないかって言ってたぞ。」
「私がですか?私は神官になりたいんで無理ですね。
だいたいなんで私なんですかね?」
どうやら、本人には冒険者を一撃で倒した、という自覚はないようだ。
いや、笑顔で微笑んでいる彼女を見ても、冒険者と結びつける人はいないだろう。あの力はどこから出ているのだろうか。
ギルドに到着すると、案の定、アンは勧誘されていた。アンがキッパリ断ると受付嬢は諦めたようだ。
「オススメの依頼はありますか?」
「そうですね。あの娘と一緒ならランクFの討伐依頼とかどうですか?」
「ランクFですか。」
「ええ、ランクGの冒険者は一つ上のランクFの依頼まで受けることができるんです。
ランクFだとゴブリン、オオトカゲとかですね。」
討伐依頼 ランクF
ゴブリン5匹 2000ゴールド
討伐依頼 ランクF
オオトカゲ5匹 1500ゴールド
「オオトカゲは南の砂地に生息しています。ここから1時間ぐらいです。ゴブリンは東の森に生息しています。ここから半日はかかります。」
「それなら、オオトカゲでお願いします。」
「わかりました。受理します。
そうそう、多人数で討伐依頼を受けるときはパーティーを組むことをお勧めします。
討伐のカウントを一括にすることができます。」
「どうやって組むんですか。」
「申し訳ありませんが、二人の身分証がいるのでよろしいですか。」
俺とアンは身分証を渡す。アンの身分証を見た受付嬢が驚く。
「アンさん神官見習いなんですね。・・・登録が完了しました。
パーティーを解除するときは。また手続きが必要ですので気を付けてください。」
こうして俺とアンはパーティーを組み、オオトカゲ討伐に向かった。




