表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の悪戯に翻弄される冒険者  作者: 佐神大地
第4章
187/330

187 口添えの件

「僕は構わないけど、この先を話すと大変なことになるよ。それでも知りたい?」


 ラインハットは意味深に聞いてくる。さも聞いてくれ、という顔だ。たぶん、俺に聞かせて面倒ごとに巻き込みたいんだろう。


「ならいい。」


 俺は即座に答えた。リスクを負ってまで聞きたいことではない。


「即決だね。意外だよ。」


「当たり前だろ。厄介ごとにこれ以上巻き込まれたくない。」


「いやいや、千波矢君。もう手遅れだよ。すでにどっぷり浸かってるよ。」


「・・・やっぱりそうか。でも、いいや。必要と思ったらまた聞くよ。」


 俺がそう言うと、ラインハットは残念そうな顔をする。そんな顔をしても無駄だ。



 俺はアンとリリアさんの方を向くと二人は何とか衝撃から回復していた。話が逸れていたが、俺たちは(いにしえ)の大迷宮に入る許可を貰うん為に来たんだった。


「リリアさん。で、口添えの件なんですけど、どうでしょうか?」


 俺の言葉に他の全員がハッとしている。全員忘れていたな。


「千波矢さん、その話なんだけど、口添えはできるけど、最終的には冒険者ギルドが判断するのよ。だから、このままだと難しいと思うわ。千波矢君がランクDでアンがランクCでしょう。この評価は覆らないと思うわ。ラインハットは実力的には問題ないけど、それを裏付けるものがないのよね。そうなると、教会がいくら口添えをしても難しいと思うわ。アシアナさんも戦闘はそれなりでしょう?」


 確かにそうだった。後はギル達だが、ギルのランクもEで止まっているはずだし、どうしよう。王子に頼むという裏技をするしかないのだろうか。


「千波矢さん。ギルさんが来るまでもう少し時間があるんでしょう?それだったら、教会からの依頼を受けてくれないかしら?」


 悩んでいる俺にリリアさんが一つの提案をしてきた。


「依頼ですか」


「ええ。千波矢君にぴったりの依頼よ。王家の墓の害虫駆除よ。ギルドだとランクC相当の依頼よ。それをクリアすれば、ランクCの実力があると証明できるわ。さらに、過去の実績を強調すれば何とかなるかもしれないわ。」


「過去の実績ってなんですか?」


「何って、王都での魔人討伐に関わったでしょ。後、レントでは二人が魔人を討伐したって報告が来ているわよ。後は、アンデッド島討伐に従軍していたことよ。どれも冒険者ギルドは関知してないでしょう。」


「確かに・・・。ただ、それだと黒髪の聖女が俺ってバレません?」


 一番のネックはそこだ。女装していたことがバレる。それはいやだ。


「・・・確かにバレるわね。まあ、ばれたとしても冒険者ギルド内部だけよ?」


「俺としてはできれば、バレない方がいいんですけど・・・。」


 俺がどうしようか悩んでいると、横からラインハットが口を出した。


「それだったら、ボクが先日リンカーン郊外でSランクの神龍に止めの魔法を使用したって言えばいいんじゃない?」


 そういえば、そうだった。これで実力的にはなんとかなるな。問題が解決した。


「それはそうと、黒髪の聖女って何?」


 ラインハットが喰いついてきた。やっぱり気になるか。その後、ラインハットの追及を逃れるために俺は苦労をすることになった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ