178 試練の内容
「それでね。さっきリンガル様から連絡があったんだ。それで、試練の内容を伝えられたんだけど・・・。」
珍しくラインハットが言いにくそうだ。余程の試練なんだろうか。
「どんな試練だったんだ?」
「あのね、古の大迷宮の50階にいる獣王に話をつけてほしいそうなんだ。」
「古の大迷宮の50階!」
たしか古の大迷宮はまだ34階までしか攻略されてなかったはずだ。しかも、3ヶ月に1回中の様子が変わる鬼畜なダンジョンって聞いた気がするな。
「えっとね。ヒトの常識だとあそこはダンジョンなんだけど、実はあそこは牢獄なんだよ。昔、神に逆らった重罪人を捕まえて封印するための場所なんだ。それで、50階には獣王が封印されているんだ。」
「それで、手助けしてほしいと」
「いやー、確かに手助けはしてもらいたいけど、迷惑じゃない?」
俺はびっくりした。ラインハットの口からこんな言葉が出るとは思っていなかった。
「今更だろ。」
「でも、あそこは50階まで行くのにかなり時間が掛るよ。たぶん、1回や2回では成功しないと思うんだ。途中で牢獄のリモデリングに巻き込まれたら、外にはじき出されちゃうから。」
「牢獄のリモデリング?ああ、3ヶ月に1回のやつか。」
「そう、それそれ。」
「あそこはテレポート不可の場所なんだ。だから神でも歩いて降りないといけないんだ。大変なんだよ。まあ、今の僕はテレポートは使えないけどね。」
「それはたぶん大丈夫だ。Dの能力でマッピングできるから。で、行ってどうするんだ?」
「マッピングもできるんだ。意外にすごいんだね、そのスキル。で、することだけど、50階にいる獣王に紙を渡せば、伝わるはずだからって、リンガル様は言ってたよ。ただ、なんか隠している感じはしたけどね。」
「まあ、何かあってもその時考えるしかないな。後知りたいのは50階までのモンスターは強いのか?」
「うーん、どうなんだろうね。神の時は気にならなかったからね。あのへんだと、バジリスクとかオークキングレベルじゃなかったかな」
結構おおざっぱだな。まあ、神からしたらどのモンスターでもそんなに変わらない様に見えるのかな。
「なあD、バジリスクとオークキングについて教えてくれ。」
「・・・バジリスクはランクBのモンスターでとかげのモンスターです。攻撃力はさほど高くないですが、石化の目を持ってます。オークキングはオークの上位種です。高い戦闘能力と知能を有しています。ランクBのモンスターです。」
「ラインハット。ランクBのモンスターだそうだ。どうだ。いけそうか?」
「大丈夫だけど、前みたいに魔法を連発できないんだよね。亜神になってかなり魔力の制限があってね。あと、接近戦は全然ダメになったね。」
つまり、ラインハット一人では無理な試練のようだ。というか、たぶん俺とアンが一緒に行くことが前提の試練のようだな。
「ラインハット。とりあえず、アンとアシアナにも話をしよう。」




