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神の悪戯に翻弄される冒険者  作者: 佐神大地
第4章
176/330

176 借金問題はなくなった

 試練の内容については後日知らせる、と言いリンガル様は去って行った。試練か。たぶん俺も手伝わされるよな。それよりも・・・


「ラインハット、どんな感じだ。亜神に落とされたんだろ。」


「そうだね、別段変わってないけど・・・、あっ。」


 ラインハットの付けていた指輪やネックレスなどが粉々になっていく。おそらくその一つ一つが神の力なのだろう。


「結構なくなったね。」


「どんな感じだ。」


「そうだね。魔力は激減しているね。使える魔法の種類もかなり減ったね。今の実力は、ヒトでいうと上級魔術師10人分ぐらいかな。」


「上級魔術師10人分!・・・問題なさそうだな。」


「そうだね。これなら、試練がドラゴンの討伐とかでもなんとかなりそうだよ。」


 なるのか。ドラゴンの討伐が・・・。いやいや、そんな試練は御免だな。


「ははは、大丈夫だよ。たぶんそんな試練はこないと思うよ。たぶん僕達4人でなんとかなるぐらいの内容だと思うよ。」


 どうやら、俺とアンが助けるのは前提のようだ。


「で、これからどうするんだ?」


「うーん。たぶん試練の内容が伝えられるのはもう少し後になりそうだから、もうしばらく雇ってほしいんだけどいいかな?試練の時は手を貸してもらいたいし。」


「ああ、それは構わないけど、店に二人で住むのはきつくないか?」


「僕達は大丈夫だよ。」


 そういうとラインハットとアシアナはお互い見つめ合って二人の世界を作っている。バカップルだな。




「ところで、千波矢さん。お金の方はどうなったんですか。」


「ああ、グランデスライムってスライムも発生していたんで討伐依頼だけで300000ゴールドだな。あと、オークの素材とかもあるから、何とかなりそうだよ。」


「そうなんですか。よかったです。」


 俺とアンが話しているとアシアナが話しかけてきた。


「千波矢、ありがとう。ラインハット様と結婚できるのも君のおかげだ。父さんとも相談したんだが、これはお礼だ。」


 アシアナはそういうとラインハットに目配せする。ラインハットは酒樽をカバンから取り出す。あのカバンも魔法のカバンか。それにしても、このお酒ってもしかして。


「そうだよ、君の想像通りバッカスの泉だよ。」


 やっぱりそうか。これは、お酒を物納したら、借金はなくなるな。バッカスの泉をマーサさんのところに持っていくと100000ゴールドで引き取ってもらえることになった。それと討伐の報酬の300000ゴールドで、借金返済だ。こうして、我が家の借金問題はあっという間になくなった。



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