168 グランデスライム
グランデスライムか。ラインハットは倒せると言っているがどんなモンスターなんだ。
「なあD,グランデスライムについて教えてくれ。」
「・・・グランデスライムはランクAのモンスターです。物理耐性が非常に高く、ほとんどの武器攻撃は効果がありません。魔法耐性もそれなりに高く初級魔法ではあまり効果がありません。動きは遅く特殊な攻撃もありませんが、一度捕まると脱出はほぼ不可能です。」
ランクAのモンスター!それってドラゴンと同格ということか。ラインハットはそのドラゴンレベルのスライムを簡単に倒せるといっているが、どうやって倒すつもりだ?
「ラインハット。ちなみに聞くが、どうやって倒すつもりだ?」
「えっ。そうだね。スライムは火の魔法が効果が高いから火の魔法をしこたまぶち込んでいけば、そのうち倒せるよ。師匠だったら即死魔法とかで倒せるけど。」
師匠?ああ、使えない設定の魔法だからか。
「他にはないのか?」
俺は試しに聞いてみた。ラインハットは少し考え込んでいる。
「そうだね。師匠は毒魔法も効果があるって言ってたね。ただ、時間が掛るからお勧めはしないって言ってたけど。」
毒は有効なのか。それならいいのがあるな。
「それなら俺の猛毒玉が効果があるかもしれないな。」
「猛毒玉?」
「ああ、麻酔玉の毒バージョンだ。最近、開発したんだ。」
「千波矢君。君、いろいろと変なアイテムを開発しているんだね。それより、ここで話しててもあれだし、そろそろ鉱山に行ってみようよ。」
どうやらラインハットは飽きたようだ。
「それじゃあ、鉱山に行って様子を見てきます。」
俺がそう言うとドノバンさんは胸を撫で下した。
「案内に若いのを一人付けるんで、こき使ってくれ。」
ドノバンさんはそういうと一人の若いドワーフを呼んだ。
「村長、何の用だい。」
村長に呼ばれて来たのは若い女性のドワーフだった。うん。ドワーフというと男のイメージが強いが当然女性もいるよな。ドワーフは男女共に身長が低く、筋肉質のようだ。ドワーフと言えば髭だが、さすがに女性は生やしていない。男性だけのようだ。
「アシアナ。この人たちがヒュージスライムの退治を引き受けてくれた冒険者達だ。鉱山まで案内してやってくれ。」
「ふーん。力の弱そうな奴らだね。こんなんで大丈夫なのかい?まあ、いいかい。私はアシアナ。鉱山作業員だ。宜しくな。」
「こちらこそ宜しく。」
「宜しくねー。」
こうして俺たちは鉱山に足を踏み入れた。




