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神の悪戯に翻弄される冒険者  作者: 佐神大地
第3章
136/330

136 アン、浮気現場を目撃する

 最近、千波矢さんの様子がおかしい。こそこそと何か調べているような気がする。調べ物があるなら、私や母さんに聞けばいいのに聞いてこない。


 先日は一人で護衛依頼を受けてきた。リナに聞きに行くと「緊急依頼で千波矢さん以外に適当な人物がいなかったため紹介した」と言っていたが、なんだか怪しい。だいたい、護衛の緊急依頼をランクEの千波矢さんに振るのはおかしい。どうやらリナもなにか隠しているようだ。

 護衛依頼はレストンまでと言っていた。レストンまでは馬車で3日、徒歩で7日の距離である。12日経ってっも帰ってこなかった。途中で魔物に襲われたのではないかと、すごく不安であった。15日目で帰ってきた。無事に帰ってきてとても嬉しかったが、毒の平原で薬草採取をしていたと聞いて、無性に腹が立って説教をしていた。毒の平原は危険だから行かないでって言っていたのに。


 マルゲリータさんから「千波矢さんが倒れた」と連絡が入った。急いで道具屋に行くと千波矢さんが疲労と魔力欠乏で倒れていた。魔力がなくなるまで調剤をしていたらしい。欲しいものがあって頑張ったと言っていたが、何がほしいのだろう。聞いても誤魔化されてしまった。マルゲリータさんも何か隠しているようだ。このところ千波矢さんはどうしたのだろう。もしかして・・・浮気?


 知り合いから聞きたくない話を聞いた。「数日前、千波矢さんと女性が宝飾屋から出てくるのを見た」というのだ。千波矢さんから「好きだ」って告白してきたはずだよね。私は知らない内に涙を流していた。どうしよう。こんなこと、お母さんにも相談できない。誰か相談できる人はいないだろうか。・・・そうだ、リリアさんなら。


 今日も千波矢さんは薬草採取に行っている。私は宿の掃除だ。食堂、客室、受付などをどんどん掃除していく。午後になってひと段落したところで、私は休憩がてら街を歩いていた。


「あれ?あそこを歩いているのは千波矢さん?今日はいつもより早いな。」


 私はちょっと気になり跡をつけてみた。浮気調査とかではなく、軽い気持ちだった。普段、何をしているのかをちょっと知りたかっただけだった。

 千波矢さんはギルドを出たあと、宿ではなく町の中心部に向かって歩き出した。そしてついた場所は宝飾店だった。


「嘘・・・。」


 宝飾店と言えば、先日「千波矢さんが女性と出てきた」といういらない情報を聞いたばかりだ。私は胸騒ぎがした。本当に浮気をしているのだろうか。しばらくすると、千波矢さんが女性と一緒に出てきた。



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