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神の悪戯に翻弄される冒険者  作者: 佐神大地
第3章
131/330

131 奮発して

ブックマーク登録ありがとうございます。


昨日、1日のPVが初めて1000を超えました。ありがとうございます。

「えっと、どちらがいいか素人には判断がつきかねるんですが。」


 散々待たせて俺が言ったセリフがそれだった。実際は他のことで悩んでいたんだが、どちらの石で指輪を作ったほうが似合うかなどわかるはずがなかった。


「それではお相手の女性の特徴を教えてもらえないでしょうか。」


 マチルダさんは別に気にすることなく淡々と俺に聞いてくる。うーん。仕事のできるキャリアウーマンタイプといったところだろうか。


「小柄な女性です。赤毛で活発的です。・・・・・・」


 俺がいくつかアンの特徴を挙げたところで、最初に受け付けた女性が声を上げた。


「もしかして、宿屋のアンのことですか?」


 どうやら、彼女はアンのことを知っているようだ。


「ええ、そうですが、知り合いですか?」


「昔、よく遊んであげてたの。お転婆だったあの子がこんな素敵な人を見つけてきたのね。それなのに私は・・・・・・・。」


 だんだん鬱に入っている。ぶつぶつ何かつぶやきだした。これは非常にまずくないか。このままでは暗黒世界に落ちて住まうのではないか?


「セリナ。五月蠅い。

 それで、そのアンって子の特徴を詳しく教えて。」


 ・・・マチルダさんの一言でセリナさんは現実に強制的に引き戻されていた。


「それならこちらの小さな幸運の石の方が似合うと思います。リングの方は・・・ちょっと奮発をしてミスリルでシンプルに作られるのはどうでしょうか。」


 そういうと、見本と思われるリングを俺に差し出してきた。良く分からないが、見た感じはすっきりしていて感じが良さそうだ。気になるのは奮発をして、という言葉だ。


「あの、値段はどのくらいになるんですか?」


「そうですね。リング製作と加工代で本来300000ゴールドですが、もう一つの幸運の石を売ってくださるなら、80000ゴールドでどうでしょうか。」


 幸運の石が1個220000ゴールドか。そういえば、貴族は500000ゴールドくらいの指輪を求めるって言っていたが、ちょうどそれくらいか。


「あの、平民がこのランクの指輪を買って問題ないんですかね?」


 今更の質問ではあるが、買った後で貴族に喧嘩を吹っ掛けられても困る。


「その点は大丈夫です。上位冒険者なら1000000ゴールドの宝飾品を買うことも珍しくありません。余程の小物の貴族でない限り、たかが500000ゴールド程度の指輪に目くじらを立てるものはいないでしょう。」


 俺は上位冒険者ではないが、まあ、大丈夫だということみたいだ。デザインも問題なさそうだしこれでいいか。


「それでは、これでよろしくお願いします。」


「わかりました。納品は1週間後となりますが、よろしいでしょうか。」


「わかりました。それと、お願いなんですが、このことは他言無用でお願いします。」


「ご安心ください。お客様のプライバシーに関することなので、その点は徹底しております。」


 マチルダさんはそう言うと、セリナさんの方を向く。セリナさんはビクッとした後、「遵守します。」と短く答えたが、話したくてうずうずしている顔だった。大丈夫だろうか。



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