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神の悪戯に翻弄される冒険者  作者: 佐神大地
第3章
128/330

128 毒の平原2

 すぐに見つかって良かった。俺はすぐさま引き返そうとすると、毒カエル、ドクムカデ、毒とんぼに周囲を囲まれていた。

 事前にD(ディー)聞いていた情報によると、毒カエルはランクEで攻撃を受けると痺れるそうだ。ドクムカデもランクEで猛毒になるそうだ。攻撃力自体は高くないらしい。毒とんぼはランクFのモンスターで弱った相手に攻撃してくるが、普通に動いていると襲われることはほとんどないそうだ。

 襲い掛かってきた毒カエル、ドクムカデを手斧で切りつける。まっすぐ突っ込んできたので、みごとにカウンターがきまる。なんと一撃で倒すことが出来た。はっきり言って弱かった。拍子抜けした感じだった。というか、ランクFのゴブリンよりも弱いんだが。毒があるから危険と判断されているのだろうか。毒とんぼは周りをブンブン飛び回っているが攻撃してくる気配がない。これは情報通りだ。これは無視で構わないな。

 引き返していると、目の前をホーリーラビットが横切った。俺は無意識のうちにホーリーラビットを切り倒す。後ろから毒カエルたちが迫ってきているのが確認できたため、幸運の石をこの場で探すことを諦め、ホーリーラビットの死体を回収し、毒の瘴気の外側へ戻った。毒カエルたちは跡を追ってきていないようだ。これでミッションコンプリートだ。


 毒の平原の境界に戻ると何か騒ぎが起こっていた。何かあったのだろうか。近づいていくと一人の冒険者が倒れていた。


「どうかしたんですか?」


 俺が尋ねると周りにいた他の冒険者達が驚きの声を上げる。


「あんた無事だったのか。毒の瘴気があっただろ。」


「ああ、俺はスキルで毒を無効化できるんだ。」


「それでずんずん奥に入っていったんだな。この馬鹿はお前が奥に入っていったあと、『危険だ。戻れ。』と叫びながらお前の後を追いかけて行ったんだ。その結果がこれだ。」


 そうか、この男は中に入る時に向こうの方で何か叫んでいた男か。どうやら、危ないと注意していたようだ。それにしても、危ない場所に突っ込んで行って倒れるとは、・・・馬鹿だな。


「で、治療は済んだのか?」


「見殺しにはできないからな。急いでここまで運んで解毒薬を飲ませたんだがあまり効果がないんだ。」


 倒れている男の顔を見ると、確かにまだ目が虚ろで意識も混濁している。俺はカバンから高解毒薬を取り出すと倒れている男に飲ませた。


「ゴホッゴホッ。」


 男は咳き込むと何かを吐き出した。周りで見ていた冒険者が騒ぎ出す。


「おい、何を飲ませたんだ?」


「落ち着け。高解毒薬だ。」


「高解毒薬?そんな薬があるのか。」


 しばらく観察すると、男の顔色が良くなってきている。どうやら解毒できたようだ。周りの冒険者たちも安心して胸をなでおろしている。


「ありがとな。こんな馬鹿でも横で死なれると寝覚めが悪いからな。それより、その薬どこで手に入れたんだ。」


「高解毒薬か。俺が自分で調剤した。そのうち、リンカーンで店を持つ予定だから、良かったら買いに来てくれ。」


 俺はそう言うと周囲の冒険者にそれぞれ1個づつ、高解毒薬を渡した。これも先行投資だ。これが噂になれば、俺の店に買いに来るはずだ。



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