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神の悪戯に翻弄される冒険者  作者: 佐神大地
第3章
127/330

127 毒の平原1

 俺はレストンで一日観光をして、明日ここを出発する予定だったが、予定を繰り上げて今すぐ出発することにした。宿屋の人には急な仕事が入ったと嘘をついてしまった。毒の平原への道のりは非常に楽だった。初心者冒険者がよく行く狩場だけあって、道もしっかりとしていた。そのため、昼に出発したにもかかわらず、夕方には毒の平原の少し手前まで到着していた。流石に毒の平原で一夜は明かしたくないので、ここで野営を行った。同じ考えの冒険者も多いらしく、近くにはいくつかのキャンプ跡が見つかった。

 翌朝早くに出発すると、すぐに毒の平原に到着した。すでに何人もの冒険者がホーンラビット狩をしている。ほとんどが若い冒険者だった。

 ここは毒の平原との境界らしく、毒系のモンスターは現れるが、毒の瘴気や沼などは周囲にはまだないようだ。100メートルほど向かうを見ると灰色の靄のようなものがかかっている。おそらくあそこは毒の瘴気が充満しているのだろう。



「なあ、D(ディー)。ホーリーラビットについて教えてくれ。」


「・・・ホーリーラビットはランクFのモンスターです。聖属性のモンスターで体内で毒を浄化すると体内に幸運の石が生成されます。幸運の石はホーリーラビットの喉元にできます。浄化した毒の量が多いほど大きな石を生成します。肉は食べることが出来ます。」


 俺はとりあえず、一匹のホーリーラビットを見つけて、手斧で切りつけた。思った以上に弱かった。そして、喉元を調べたが、幸運の石は存在しなかった。Dによると肉は食べれるらしいが、誰も拾ってはいなかった。どうやら毒の平原に住むホーリーラビットを食べようとする勇敢なものはいないようだ。まあ、当然か。

 俺はここである仮説を立てた。ホーンラビットは毒を浄化すると幸運の石ができるなら、毒の瘴気が充満しているところで狩った方が幸運の石が出てくる可能性が高いんじゃないだろうか。

 しかし、周りを見渡しても中に入っていこうとする冒険者はいない。毒耐性のスキルがない限り当然か。俺は周囲にモンスターがいないかを確認しながら奥に入っていく。仮説を立証するためだ。

 毒の瘴気の少し手前まで来た時、後ろの方で何か声が聞こえた。振り向くと一人の冒険者が大声で呼び掛けてきている。かなり遠くにいるため何を言っているのかは分からない。俺はとりあえず、手を振ると奥の方に進んでいった。

 ほんの少し入っただけで、周囲は毒の瘴気に包まれた。魔人の毒の瘴気ですら無効だった俺にとって、ここの毒は全く問題なかった。地面にある水たまりもかなり濁っている。おそらく毒水だろう。俺はホーリーラビットを見つけると一匹狩った。喉元を確かめると小さな幸運の石がちゃんとあった。予想通りだ。



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