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進化論~レベル式進化説  作者: ツタンカーメン
3章 迷宮都市
60/65

60 決心?

「はァ……癒される」

《……》


頭を半ば包み込むような、奇妙な弾力に満ちた枕。

それでいてズレず、控えめな冷たさが心地良い。

体を覆う白銀の毛布。

暖かく、ふかふかで、雲の中にいるような錯覚を覚える程の極上の毛皮だ。


春の陽射しを思わせる陽光、心地いい草のマット、爽やかな風も全てがおれの心を癒してくれる。


「ギッ……」


たまに現れる魔物も、屈強なSPに囲まれたおれの元までたどり着くことは無い。




畑でも耕したい気分だ。


冒険もいいけどスローライフも悪くない。


あ゛っ、太陽見ちゃった。

目がァァァ!


モニュッと、頭の下が蠢いて薄い日除けが突き出される。

毛布がおれを気遣うようにパタパタと動いて……


《主……時間はよろしいのですかぁ?》

「ん、大丈夫大丈夫」

《確か毎日ギルドの方に顔を出すと……》

「あれはレイジが言ったことだから。今の俺はヴォイドスキンだから。それにあんな約束すっぽかしてもいいよもう」

《……なんで拗ねておられるのか……》

「拗ねてないし。別に拗ねてないからね。ヲトナが負けたくらいで拗ねるわけないし」

《……》



だって、あんなの聞いてない!


竜って、翼生えてステータスもあがったドラゴンかと思ってたけど。

翼以外にも触手生えてるわ翼から魔法撃ってくるわ魔眼使うわ……



倒したよ?倒したけどね。実際。


2回死んで不意打ちでね。


「……フッww」


情けない。

羽虫の如く龍を殺しちゃうよ、と言って来た割にその下っ端に手こずるとは。

まあ手こずっただけで勝ったからね。勝ちはしたからね。


……はぁ。誰に言い訳してるんだろう。




あれが龍なら良かった。

魔物の中でも最上級とされる翔ぶ災害『龍』なら。


でもおれが苦戦したのは竜だ。龍の下位互換である竜に苦戦して、倒したはいいけど2度も死んだ。

あの上が存在()って……さらにその遥か上に何が居る?



見えない。

あまりに遠くて、あまりに差があって、見えない。


無理だろ。

なんだその化け物は。

そんなのが湧いて、その対抗策が転生者数人?

神様の頭の方は大丈夫なのだろうか。

多分馬鹿なんだろう。この世界の運命が危ぶまれる。


【馬鹿なこと言ってる場合ですか】

「君の運命も危ぶまれる………声帯ちゃんも含まってるからね」

【死ぬのは生き物だけです。世界は器。内容物が変われど生き続ける】

「え、ずるくね」

【ふっ、存在の格が違うんですよ】


はぁ。


【そもそもですね。神が出来もしないことをやらせようとしているという考えが間違いでは?】

「だって無理じゃね?羽虫に負けるボクには世界なんて守れないよぉ。地球に帰りたいよぉ」

【キモ】

「ぇ」

【昔昔、人間の勇者は神に問いました。『神よ。何故私にこの様な試練を課すのですか。あんまりです。私に世界など救えない。』】

「おれも無理ー」

【『君達人間は、何にでもなれる』】

「童話の話だろう?真に受けると?」


何にでもなれる。


"君は何にでもなれる"

"私も、その可能性とそのための才能を持っていた"

"でも、世界はそれを許さない"

"世界中の人が拒絶する"

"力とは、好きに生きる道具だよ"

"私を拒絶する人間。拒絶されまいと私"

"向けられた剣を、槍を斬り捨て後ずさる彼らに追い縋る"

"『私を拒絶するなら、死んでしまえ』"

"死ねば受容も拒絶も出来ないからね"

"『それみたことか』"

"『やはり。なんという邪悪』"

"当然、拒絶は薄まるどころか強まった"

"『なんという邪悪?』"

"『私をそうしたのは君達だ』"

"悪と決めつけ断じられた私に、悪以外の選択肢など無い"

"その行動が真に悪かどうかなど関係ない"

"私がやったということが重要だ"

"ありもしない腹の中を探り、でっち上げ…"

"ようやく気付いたよ"

"人々が私に求めるのは『悪』"

"『邪職持ちがいる。行き倒れに水を分けている。盗賊から馬車を守った。魔物を殺している』"

"『毒入りに違いない。恩を売って搾取するつもりだ。魔物を殺すなら人も殺すぞ』"

"『なんて悪いやつだ』"

"酷くない?"

"ん?その後?"




"全員殺して逃げちゃった"





"で……なんだったっけ?"

"そうそう、『人は何にでもなれる』だ"

"可能性のお話だから、実際は無理だよ?"

"世界中が敵に回ったら?"

"世界の全てに拒絶されたら?"


私のように、とその目が語っていた。


"群れなければ生きていけない人間は何も出来ない"

"1人で生きて行くしかないだろう?"

"寂しくても、辛くても、最も確実で賢い生き方だ"

"私は今、1人じゃないけどね"

"私が君にどれほど感謝しているか、君には分かるまい"



"とにかくだ。もし……"



"もし。その人が世界中の人間の攻撃をまるっと無視できるなら"

"そのくらい強ければ"

"世論に忌み嫌われ拒絶された人は、そうなって初めて好きに生きられる"

"世界の全てを壊せるなら、誰がどうやっても止めれない。止まらない"

"好きに生きられる"



"世界の全てを壊す者"



"私はそれに憧れる"




『俺はこんなに強いんだぞ』と。

『敵対したら全員殺すから行動には気をつけて』と。



"ダメだったら?……ぅーん"


"全員殺して逃げよっか"

"2人で?いいね。凄くいい"


それは、幼い子供が『正義の勇者』よりもむしろ『悪の魔王』に憧れるような無邪気で純粋なものでは決してない。

世界中から否定された男の怨嗟の声。


そう。

たとえば、邪職持ちと言うだけで迫害されたアレンに近い。

彼は人と接することを拒み、たった一人で生きた。

まさにこの男のように。



世界を壊す力があれば。


誰が何を言おうと、どんな力を振りかざしても、どれだけ群れたとしても。


主導権を握っている気になっている彼らは、実は自分に主導権を握られている。

それに気づかずキャンキャン吠えたてる彼らの滑稽さ。


それは、どれほど冷たい言動からも心を守る護符(タリスマン)になるだろう。


直接攻撃して来るやつらは言わずもがな。

撃退から拷問、殺害まで選り取りみどりだ。


心の平穏と肉体の無傷。


それに好きに生きる幸福を加えれば、非の打ち所のないパーフェクトライフと言えるだろう。



「世界を救う、ねぇ……」


なんでおれが?



【選ばれたからです。粗いフィルターを通っただけの無数の魂から無作為に】


何で選んだよコンチクショウ。

おかげで毎日そこそこ楽しいです。


変な予言さえなければな!


なんだよ世界滅亡って。


「まぁ、救うけどね」

【ほーん】

「だってさ、救えなかったら死んじゃうわけじゃん?多分おれ寿命そこそこ長いし進化したらもっと伸びそうだし。生きてりゃ楽しいこともあるだろ」



死よりも辛い生なんて、なかなかないと思うんだよね。



「だからさ、決めたよ。世界を──」



マジックハンドを使って、気をつけの体勢のまま体を垂直に立て上げる。


ウィーン、ガション。


「──救えるようになってやる」


──壊せるようになってやる



まあ、救う方が壊すより難しいだろうね。


世界を破滅に陥らせる存在より強くないといけないんだから。



従魔達が一斉に従魔空間へ戻っていく。

迷宮の外は、もう薄暗かった。


竜には負けたが、レベルも大分と上がったし、また少し強くなれただろう。

今はそれで、十分だ。



「転移」


転移の直前、服を入れ替えいつものスタイルに戻る。

転移したのは、宿の部屋。


「あ、ご飯お願いしていい?」

「お、レイジか。帰ってたのか」

「ちょっと前ね」

「飯だが、30分後くらいでいいか?」

「分かった。25分後には戻るよ」


冒険者ギルドを顔を出さないと。







現代ダンジョンモノって面白いですよね

モーモーパワーとかDジェネシスとかモンスターが溢れる世界〜とか朝起きたら〜とか


面白くてずっと読んでたわけです。

で、何作品か読み終わって、もっと沢山ないのかーと思って謎に書き始めました

↓↓URL

暇な人と優しい人とその他の人はブクマとかお願いします。(評価でもと言いたいけどちょっと言えない)

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