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進化論~レベル式進化説  作者: ツタンカーメン
3章 迷宮都市
58/65

58 驕り

眠くならない徹夜と眠くなる徹夜の違いってなんでしょうね?


「ふぅ。一時はどうなることかと思ったよ」

「ホントありがとう……また助けられちゃった」

「また助けちゃった」

「うん!ありがと」


こういう時、なんて声をかければいいのかわからない。

フッ、やっぱり君は笑っている方が魅力的だね……とか言った方がいいのか?

現実でそんなん言う人見た事ないけど。


「1回家戻る?」

「んー、そうね。1回戻ろうかしら」


さっきの騎士団が原因の調査にかかる時間は、多分一日から1週間くらいか。

そのあとは……やっぱり帝都に行かなければならないだろうか。

逃げちゃおうかなぁ。面倒くさそうだし。

でも知名度上がってチヤホヤされるのはぶっちゃけ嫌じゃないから悩むところだ。


ガラガラと引戸を開けると、居間にヒュウガが横たわっていた。


「暇なの?」

「暇」

「仕事しろよ……あ、そうだ。おれ近いうちにこの街出るから」


コッ


振り返ると、台所の床に包丁が突き刺さっていた。怖いよ。カグヤって包丁キャラだっけ?


「えっ……あ、そっか、そうだよね……皇帝が呼んでるんだよね」


一応陛下ってつけた方がいいんじゃないだろうか。


とりあえず、驚いてるだけでヤンデレ波動は出てないのでセーフ。まな板とかフライパンとかも一緒に持ってるし、包丁も持ってただけっぽい。


「カグヤ」

「そうだよね……でももさ皇帝が居なかったら仕方ないよね。だってないんだもん……」

「おーいカグヤ?」

「つまりは皇帝……何?」

「一緒に来て欲しいなー……なんて」


ホントにヤンデレじゃないよな?

その日のストックが尽きるまでまでなら刺されてもいいけど……いや、全然良くないわ。


「うんっ!」


即決は嬉しいけどヒュウガが涙目になってるぞ。別にいいけど。


「ありがと。というわけで、ヒュウガは1人寂しく留守番してて」

「寂しくないし。別に全然寂しくないし」


ヒュウガを無視してカグヤを部屋の前まで送る。

部屋に入ったろうかとも思ったけど、おれはチキンなので今の関係を壊したくない系幼馴染と同じでグイグイいけないのだ。


「じゃーね」

「うん」


おれも自分が借りている部屋に戻った。


【そろそろよろしいですかー?】

「よろしいですよー。けどいきなり出てこないでくださーい」

【(´-ι_-`)はぃはぃ。】

「顔文字でたよ……記憶にある映像とかいって全然記憶にないんだけど」

【記憶弱者だったんですね】


興味無い事はあまり覚えられなかったが、一応一夜漬けはそこそこ自信アリ。


ベッドに身体を横たえる。


「いや、まあ昔は……」

【暗記弱者、略して暗弱ですね】

「それはもう違う意味だから。ただの罵倒だから」

【(☆´°ω°)vワロスwwww】

「うぜー。結果売ってんのか、買うぞコラ」

【カカッテコイヤ(ง°̀ロ°́)ง】

「つっても攻撃手段ないしオンオフ効かないしでやっぱ面倒臭いなお前」

【レイジの攻撃!奥義『アースインパクト』!世界の声はベクトル反射を使用した。レイジに500のダメージ】

「なんで反射持ちだよ……それより、要件は?あるんだろ?」

【なくちゃ出てきたらダメですか】

「……別にそんな事ないけど。そっちが言わないんならこっちから聞きたいことあるんだけど」

【あ、先に言います。そろそろログ流していいですか?】

「いいよ?」

【経験値を沢山ゲットしました。レベルが上がりました。ユニークモンスターを倒しました。召喚できます】

「適当だな……で、なんのユニーク?」

【キラーアント(♀)です。こんな感じの。名前付けてあげてください】

「うん、まずワネットだな」

【まずってまだなんかあるんですか?……というか、キラー・アントワネットですか】

「キラーアント、ワネットね。じゃあ次、こっちから聞いていい?おれの前世、知ってるでしょ?教えてよ」


おれの前世は日本の学生だったはずだ。

じゃあ、あの記憶はいつのだろう?


【……地球の事までは】

「それ以外にもあるよね?」

【……答えられませんね。ただ、ちょうどいいので少し忠告しておきましょう】





その言葉は、忠告という言葉を大して重く受け取らず自然体で構えていたおれに思いのほか大きな衝撃を与えた。






【貴方は、自分が最強かなにかだと勘違いしていませんか?】




「……」



【日に何度も生き返るのが自分だけだと思っていませんか?心まで見透すのが自分だけだと思っているでしょう?無限に近い魔力?唯一無二の無属性魔法?基礎ステータスの高さやスキルの多さのせいですか?異世界人の転生者だから?最近でいえば、"憤怒"というクセは強そうだけどかなり強い自強化技の存在ですか?それとも神に会いスキルを授かったという特異性から自らを特別な存在だと、ひいては、最強の存在だと勘違いしてしまいましたか?】



……しているな。確かに。



【今あなたが生きているのは何故ですか?まず[スケープゴート]があるからですね。希少で強力ななレジェンドスキルです。…………でも、希少なだけです。強力なだけです。レジェンドスキルを持っているのは貴方だけですか?そんなはずが無いでしょう】


……確かに。


【Sランクの冒険者と言ってもあまり大したことは無かった。エリート中のエリートである皇室騎士もそうたった。………だから、なんですか?今の貴方はちっぽけな縄張りのお山の大将です。安地中の安地でひっそり暮らす人間達がどれほど強いですか?産まれて数年の貴方と比べてさえ大きく劣る彼等と同じ物差しでどうして世界が測れますか?】


確かに。辛辣すぎ泣きそう。


【ドラゴンを倒した。ゴブリンエンペラーを倒した。自分は強い。……実際、この都市周辺で貴方に勝る者は居ないでしょう。だから勘違いしてしまっている。今の貴方は……RPG風に言うなら、始まりの村周辺でゴブランやスライムを倒して全能感に酔いしいれるモブキャラです。貴方は世界中を見渡しているつもりでも、世界は貴方が思うよりもっと広い。貴方がまだ知らない世界に蔓延るあなたが倒したドラゴンやゴブリンエンペラーなどとは比べ物にならないほどの魔物が攻めてこないとなぜ言えますか?いいえ、言えません。貴方が何をしようと奴等が来るなら来るし、来ないなら来ない。ただ、私から言わせてもらうと、近い将来必ず来ます。その時貴方はどのくらい強くなっているでしょう。井の中の蛙が大海を知った時、果たしてカエルは大海の怪獣達から逃げ延びることが出来ますか】



……やっぱり言い過ぎだと思う!

おれは褒められて伸びるタイプであるからして!


【無理でしょう?あなたのカスみたいな自尊心は、いずれあなたを締め殺す。クソの役にも立たない自尊心など捨ててしまってはどうですか?】


全然取り合ってくれたい。

ダメージが蓄積されつつあるガラスのハートがピシパシ泣き叫ぶ音が聞こえる気がする。



【これを聞いたあなたはどうしますか?神が貴方にスキルを与えた理由、もっと言うならあなたを転生させた理由をまず考えて見てください。自分が最強だとか選ばれた存在だとか思っていたら、この先残機が99あっても足りません。】



いつからか心の中に芽生えていた、最強であるという傲慢。


特異な出生、特異な経歴、特異な技能。

ユニークなだけでなく、それら尽くが周囲の人間や魔物を圧倒するほどのものだった。


自身が強い事を疑わない。疑える余地すらないほどに信じていた。


おれは強いと。



実際に最強。

少し腕を振るえば魔物も人も簡単に死ぬ。

実際にそう。


……それが、"井の中の蛙"だと。


世界の声(アイツ)の言うことを、どこまで信じていい?

信じられるのか?

ドラゴンなんて比べ物にならないほど強い魔物?そんなもの……存在、するはずが……


そんなことを思っているおれは井の中の蛙なのか?



……いや、上には上がいるっつってもそんな少年漫画みたいな……非現実的だ!ダウト!



【"転生"や"魔法"に驚く程度の"現実"でこの世界が測れますか?】


ごめんなさい無理です


【下ばかり見ていい気になっている貴方は、自分より上の存在に気がつかない。貴方が蚊を叩き殺すのと同じくらい容易く龍を叩き殺すような魔物に相対し、本当の死までの数瞬、自分の奢りを知り、後悔する間もなく消し飛ばされるでしょう】



「え、え、ていうかそんな強い魔物とかホントにいるの?……絶望しかないんだけど」

【いたらの話ですよ(´・∀・`)ヘッ】

「嘘かよ!?」



……最後の方でおちゃらけた。


結果、嘘かホントか分からずじまい。



【大災厄など、序章に過ぎない…………本当の破滅(カタストロフ)は……ここからだ……クハハハハ】

「マジで?」

【そうだったらの話ですよ】

「…もうわからん……」


結局、ちょくちょくフラッシュバックする例の記憶の事も教えて貰えなかったし。

謎の伏線を撒かれただけで真偽も不明。



ただ、自分自身が"最強"であるという自負、誰にも負けないという自信に、ケチが着いた。


実際、おれはどのくらい強いのか。


自分自身で疑い始めてしまった今、どこまでも好きに生きるためには、自信を取り戻すしかない。

おれが今の人生を謳歌できているのは、ひとえに自分の強さとそれへの自信ゆえなのだから。


とにかく。


嘘か本当かも分からないけれど"蚊を潰すように龍を倒せる"魔物。




「はぁ~~……」


【おや。お出かけですか】

「あぁ、うん。ちょっとね」

【どちらへ?】


着いてくるんだからわかるだろうに。




「ん~~~~……迷宮?」




蚊を叩くように龍退治してやるよ!



なんだかんだで、世界の声ちゃんは今まで大きな嘘をついたことは無い。小さな嘘ならちょくちょくある。




来ると言うなら、来るのだろう。



おれはお山の大将なのだろう。



大災厄など、序章に過ぎないのだろう……本当か?絶対嘘だ。

あれは冗談として言った雰囲気だった。



【さっき言われたこと気にしてて(´^ω^`)ワロクソ】


うるさいよぉぉぉお!


……ちゃんとした人にチェンジして欲しい


ん?……あれ、前世は?はぐらかされてない?






修学旅行の時の記憶



友人A~Gがダウト中


友人B「8」

友人C「9」

友人H「おすおす~。なにやってんの?」

友人D「ん?ダウト」

友人C「はい残念ーー!!9でしたー!!m9(^Д^)プギャー」

友人D「は!?え、それは酷くねだってほら何やってんのって聞かれたから」

「「問答無用ォォォ!!」」

友人D「しかも多いわ!!」

「「(´^ω^`)ブフォwww」」


20枚くらい出てた

(´^ω^`)ワロチ


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