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進化論~レベル式進化説  作者: ツタンカーメン
3章 迷宮都市
47/65

47 ジョーカー

「まず、聞いてておこう。お前は日本人か?」

「っ……ええ。ということはあなたも?」

「日本人だ。自己紹介は必要かな?」

「出来ればして欲しいわね」

「そうか。おれはレイジ。日本にいた頃は八神零時という名前で、最後に覚えているのは…高校1年の夏だな。こっちに来てからのことは少々省くが、戦闘力でいえば単独で龍くらいなら倒せると思う。ステータス、見せようか?」

「思うって……私は城下美玲。渾名はジョーカーだったからジョーカーと名乗っているわ。職業やスキルはステータスを見れば分かるから省くとして、今はここでちょっとした裏組織を作っているところ。はい、ステータス」

「ステータス……これを見ればもう戻れないと思え。それでも見るか?」

「見るわ。だってあなた、とっても輝いているもの」


輝いている……?

城下だからジョーカーか。


-----

城下美玲

人族

職業:剣士 軍師 商人

Lv.83

HP2055/2055

MP4066/4066


skills

=normal:[気配察知][危機察知][剣術][話術]

=rare:[鑑定][アイテムボックス][直感][論理シミュレーション]

=legend:[恩寵視認]


魔法適性:水 光


称号:転移者 恩寵視認権 豪商 孔明 頭領 剣豪

-----


おれのはこんな感じ。


-----

レイジ

龍魔人

職業:剣士 拳闘士 召喚士 斥候

Lv.49

HP24558/20458

MP???/???


skills

=normal:[痛覚耐性][魔法耐性][状態異常耐性][瞬足][気配察知][危機察知][壁面歩行][隠形][頑強][刀術][性技]

=rare:[鑑定][収納][真眼][転移][感覚強化][部分龍化][魔眼]

=legend:[世界の声][スケープゴート]


魔法適性:無


称号:転生者 魔素の王 機動要塞 攻略者 召喚士 常在戦場 剣聖 拳聖 超級召喚士 NINJA

-----



「……え?何これ。どういうこと……?」


魔眼が既に疑問を見透かしているが、あえて聞く。


「どれだ?」

「全部よ。龍魔人、異常なステータス値、魔法適性無し」

「龍魔人は種族。おそらく新種。ステータスは高位の魔物だから?魔力は知らないけど。魔法適性は無しじゃなくて無属性。」

「じゃあ……魔素の王は……?」

「無属性魔法の影響」

「世界の声とスケープゴートは?」

「世界との意思疎通と1日1度死んでも生き返るスキル」

「もう驚きも出ないわ…………あと、斥候の上位称号ってNINJAだったっけ?」

「そこ聞かれても分かんない」

「[性技]は?」

「昨日娼館で……って、言う必要ある?」

「気になるじゃない……ていうか、あなた彼女いないの?」

「彼女?」

「そうそう。彼女いないから娼館に行くんでしょ?」

「そうだけど……別にいいじゃん。彼女いなくても」

「いや、責めてるわけじゃないんだけど……モテそうなのに彼女いないんだ、って思っただけだし」


作るよ。頑張ってカグヤにアプローチするよ。

可愛いし一緒にいて楽しいし、惚れてないと言ったら嘘になると思う。

城下もかなり美人だけど、彼女は外面と内面両方で決める主義だから。


「おれは強い」

「急にどうしたの?」

「人間で俺に勝てるのは、それこそ両手の数におさまるかどうかくらいだろう」

「テンラン入りってこと?凄いじゃん」


テンラン?……ああ、10ランキングか。


「いや、両手の数だからベストスリー」

「両手……あっ、ホントだ!こりゃー1本取られたな〜」

「あはは。ていうか、城下さん態度変わってない?一応組織を乗っ取りに来たんだけど、友達の距離感だよこれじゃ。だって『1本取られたな〜』『あはは』だもの」

「まあそうだけど……始めてあった同郷の人だし、イケメンで悪意も感じないし、これだけ恩寵受けてる人なんだから……」

「あ、そうだ。その恩寵ってのは?」

「私のスキルに恩寵視認っていうのがあったでしょ?恩寵、つまり世界からどのくらい愛されてるかを色で見れるの。私からも質問いい?魔眼っていうのはなんの魔眼?目の色が変わってることと関係あるの?」

「目の色……?鏡ある?」

「はい、どうぞ」

「ありがとう」


鏡に映ったのは黒髪黒目のいつものおれ……ではなく、黒髪金眼の男だった。

瞳の色以外はいつもと変わりなく、おれが瞬きすれば鏡の中で瞬きし、手を動かせば同じように手を動かす。


「そうだよ。これがおれの魔眼、見透かす眼。透視能力や相手の考えを見透かす能力がある。どこまで透視するかとかどこまで思考を読むかはある程度調整はできる。発動中は瞳の色が金になる」

「目の色については今知った感じ出してたけど?ていうか、いまも発動してるよね?今は何を見透かしてんの?」

「今は城下さんが嘘をついているかどうか。もうちょっと強めると……『もう少し情報が欲しい』。今はおれのステータスに対する驚きで頭がいっぱいだけど、安堵が残ってるね。もしかして今まで使ってた[話術]かな?」

「え……何の事、いや、無意味ね。確かに使っていたわ」

「知ってた。同じ世界出身だろうが初めてあった人間を信用するわけないだろ。まして、あんな問題だらけのステータスを開示するなんて有り得ない。ずっと嘘の反応が出なかった時点で全開にしたよ。にしても、この眼は人を信じられない人にとって最高の能力だと思わない?やっぱり世界はおれに甘いよなぁ……」


女湯も覗けるし。やらないけど。



「当たり前でしょ。恩寵っていうのは、神に与えられるものじゃない。世界そのもの……神よりもっともっと高次の存在である、この世界そのものが与えるものよ。つまり恩寵=世界の寵愛。甘くて当然よ」


まさか"世界"も種族だろうか。


「ん?ちょっとまって、透視能力ってことは見ようと思えば裸も見れるってこと?」

「うん、そうなる……痛!……くはないけど、何!?なんで殴るの?」

「見てないよね!?私の服透かして見てないよね!?」

「ちょっ、殴らないで!見てないよ!ちょっと待って!今話術使ってる事がバレてる事を知らされてピンチに陥ってるんじゃないの!?」


可愛らしいモーションで胸をドスドス殴って来る城下。

見た目に反してかなりの力だが、ステータス式異世界では実際の筋力が筋肉の密度や断面に比例しないことを考えれば珍しい事でもない。


既に後ろは壁なのでもう下がれない。

止めないと……でも、どうやって止めよう。

殴る→却下

組み伏せる→避けたい

マジックハンド→この姿では使わないのを徹底したい


……クリンチするか。抱きつけばパンチは出ないはず。


いや、組み伏せられるのと抱きつかれるのはどっちが……

抱きつけば攻撃が止まるうえに役得という夢のような事が起こるだろう。

抱きつこう!

強引に話の流れを変えようとしているの本気で恥ずかしがっているのかは視ないと分からないけど。


「ストップ!」

「わぁ!抱き着くな!」


肘鉄を何発も喰らっているが、両腕の力を緩めない。痛くないし、むしろ肩こり解消になって心地いい。

どうやら本気の羞恥心からくる連打のようだ。

さっきまでの才女っぽい雰囲気がまるで無い。


「ジョーカー!……って、貴様ァ!」

「待てお前それおれが避けたらコイツに当たるだろ!」

「だからって全力の振り下ろしを指2本で止めるなァ!」


結局二人とも頭蓋骨を握りつぶさないよう加減したアイアンクローで動きを封じた。

最初からこうすべきだったな。



護衛の女を下ろして、城下に問掛ける。


「落ち着いた?」


ついでに空いた右手で机の上の謎の鉄球を握り締める。

何かのサンプルかな?

ミシミシと軋んだ鉄球は、俺 おれの手の上で歪に変形していた。

それを見て真っ青になる城下。

自分の手を透視するって何だか気持ち悪い。

女剣士はオロオロしてる。


「落ち着きました!」

「話、戻していい?」

「ど、どこまで戻しましょうか!それと、手を離してくだされば嬉しいな〜、なんて……アハハ…」

「おれは強い、まで」

「把握しました!」

「うん、だから『あ、優秀な裏組織欲しいな』って思ったんだ」

「なにゆえ」

「自分が強くても弱くても欲しいことは欲しい。でも、万一裏切られた時に自分の命を脅かす恐れがあるなら要らない。魔法やアイテムで隷属させてもいいけど、それは人間が長く真の力を発揮できる状態じゃない。でも、強くなった今なら懸念は何もない」


怠惰で効率が悪く、少しでもこき使おうものならすぐ『black!』と叫び出す人族をどう扱うか。

瞬間効率と持続という点で見れば、自分の意思で働かせるのが1番なのだ。


「分かったわ……で、あなたはウチに何を期待しているの?言っておくけど、うちは犯罪組織じゃないからね」

「切り札かな?保険って言った方がいいかもだけど…………商売、研究、開発、諜報、武力、政治、教育……なんでも出来る組織であることを期待する。世界の全てを支配しろとは言わないけど、国くらいは裏から操れるようになって欲しい。勿論、表からでもいいぞ」

「分かったわ……レイジ?」

「ヴォイドだ。変装するけど白スーツと白仮面、白髪に白靴白手袋で全身真っ白だからすぐ分かると思う。この髪は魔道具で変えてるだけで、短時間しか使えない。偽物には気をつけて。」

「おっけー。それで、私はどうすればいいのかしら?あなたの指示に従って動くだけ?」

「おれとお前達の利益の為に自分で行動しろ。それで、今お前の部下は何処に?」

「このビルに居るわ。あなたのことを伝えるから、一緒に来てくれないかしら?そしてアイアンクローの解除を要請するわ」

「勿論だ……と。もうちょっと外れにくい仮面を探さないとなぁ」


アイアンクローから解放された城下が、机から魔道具を取り出して喋りかける。


『全員、5階中央フロアに集合しなさい』


「行きましょうか」

「うん」



移動しながら、少し話の続きをする。


「部下はどんな奴らなんだ?」

「奴隷以外は死にそうなところを助けたりして、私に感謝の念を抱いている人。あなたほどじゃないけど恩寵の色がかなりいい人を選んでるから、潜在能力はかなり高いわよ」


それは素晴らしい。


「いい感じのタイミングで出てきてちょうだい。あと、最初の方は話を合わせて。気になるならその目で忠誠心を確かめてちょうだい」


昇降盤に乗り、5階まで降りる。

廊下の先で黒服の──と言ってもスーツでは無い──男女約50名が整列している。

気配を消しているので気付かれはしないが、注目を集める城下のすぐ隣に居るのでまるで自分に視線が集まっているように思える。

よく見れば少し視線がズレているとわかるが……廊下は14、5メートルあるので誤差の範囲だ。


……あ。西暦何年の日本から来たか聞き忘れた。


「さて、今回集まってもらったのは……ある人物を紹介するためだ」


堂々たる態度。とても先程の彼女と同じ人間とは思えない。


「名はヴォイド。例の"あの方"だ」



(マグルよ、俺様は人ではない。人よりずっと上の存在なのだ……)


アッ…バッ…ダッ……ケダブラァァァ!


やばい、緊張してる。


人前でスピーチするなんて何年ぶりだろう。




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