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進化論~レベル式進化説  作者: ツタンカーメン
1章 始まりの迷宮編
15/65

15 最強系スライム

マジックハンドを出してスライムを拘束する。

プルプル震える、おそらく酸弾を放とうとしているのだろうスライムを地面に固定し、魔法を観察する。


休憩所の近くで、何時でも逃げ込めるように。


拘束しただけのスライムは、死ぬことなく延々と魔法を放つ。

魔力が切れるまで。とはいえ、魔法の発動速度は驚くほど遅いので一体のスライムだけでは無駄に時間がかかる上に魔法と魔法の感覚が長すぎて焦れったい。


近場にいた3体のスライムを捕え、交代交代で魔法を撃たせる。

どのスライムも発動速度はほぼ同じ様で、一度タイミングを揃えればあとの手間はかからなかった。


魔力の尽きたスライムは討伐して経験値に変え、新たなスライムを捕える。




対魔法防御の問題は、ある日驚くほどすんなり解決した。


日課の魔力枯渇と魔素吸収をしていた時のことだった。

なんで魔素なんか操れるんだろうなー、という、普段ならスルーしてしまいそうな疑問だった。


(マジックハンド:モード・マナハント)


声に出す必要も頭で念じる必要も無いが、若干カッコイイと思わなくもないし何より魔法にはイメージが大切だ。

炎の矢が空中で止まり、そのまま霧散する。


レイジは『魔素の王』。


史上初の魔素吸収に成功した要因は、魔法適性:無。


レイジは既に、魔法に干渉する技を持っていた。

ただ、その事に気付かなかっただけ。


『魔力』と『魔素』、『属性魔力』は似て非なるモノ。

だがそれらは、非なるモノでありながらも、類似している。

その源泉(ルーツ)は同じなのだから。


魔法への対抗手段ができた以上、この階層に留まる価値はない。

レイジはボスを探すため、森を目指した。


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NO NAME

ポイズンスライム HP 15/15

称号:毒体質 ダンジョンモンスター

-----


魔法を使わない代わりに、様々な毒を持つスライムだ。

つまり、物理攻撃しかできない。ピュッピュッと飛ばしてくる酸や毒をマジックハンドで弾き、マジックスピアで核を壊す。

ここ何日かでようやくコツを掴めてきた。

精密な操作をするコツが。


収納の中には既に使い道の分からない欠けた核が何百と溜まっている。

これだけやってコツも掴めなければ無能だろう。


1~4層で培ってきた気配察知が、拙いながらも木の影に隠れるスライムの存在を捕える。

木ごと斬るのは魔力の無駄なので、マジックパンチを放って反対側から出てきたところをマジックスピアでメッタ刺しかな。


所詮スライム、と油断していたのだろう。


上から降ってくる別の個体に気付けなかった。


(なんだ!?....うっわ!!)


更に言うと、そいつはポイズンスライムで、全身を取り込まれた状態では酸での攻撃、窒息以外に毒による何らかの状態異常の付与、継続ダメージを受けるという事だ。

1度死ねば治るが、おれは使えずに勝てるなら切り札は最後まで使わない派だ。


そこに、木の影から姿を現したグリーンスライムが風の矢を放ってくる。

もちろんポイズンスライムに全身を覆われているレイジには大したダメージを与えられず、ポイズンスライムが「痛いよ」とでも言うかのように身体を震わせた。


-----

レイジ

リトルバジリスク

Lv.10 状態:毒

HP129/146

MP173849/173849


skills

=normal:[痛覚耐性][疲労耐性][魔法耐性]

=rare:[鑑定][収納]

=legend:[世界の声][スケープゴート]


魔法適性:無


称号:転生者 ネームドモンスター 魔素の王

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毒の効果で、HPが毎秒2程減っていく。

なるほど、この速度でダメージをくらうのか。

冒険者がポーションやヒーラー等の解毒手段を重宝するのは何故か、数値で見れば実感も湧くというものだ。

そこに窒息が追加されれば更なる継続ダメージが待っているので、早急に脱出する必要がある。

マジックバリアを皮のすぐ上、服を纏うようなイメージで構築する。

そしてそれを内側から押し広げて脱出。

あわよくば破裂して四散してくれと思ったが、ポイズンスライムはニュルんと細長く伸びて事なきをえた。


(はい、バカ)


マジックハンドで細長い体の先端から数センチのところを握りつぶす。

核と分離された体は地面に染み込んで。

残ったのは小さい方。5センチ大の小さなスライムだ。

マジックスピアの一撃を跳ねて躱そうとしたが、起動を修正した槍に核を穿かれる。

その瞬間に、背後から着弾しようとした風の矢は、ピタリと空中で静止した。

まるで無色透明な手に掴まれたように。

魔素(マナ)狩りの手は透明だ。

魔素狩り(マナハント)→マナハンドという事で、マナハンドと命名。

マナハンドは自分以外の『魔力』には干渉できないが、『魔素』及び『属性魔力』には干渉できる。

魔法の制御を放棄され、消えゆくはずだった風の矢をマナハンドで制御し、無理矢理向きを変えてスライムを貫く。

スライムは抵抗もせずに染みとなった。


(あれー........)


マジックスピアでの攻撃は鬼のように避けたくせに、魔法は避けないのか。

どういうことだろう。


次のスライムは火属性。

マジックハンドで掴んだ剣で攻撃してみると、少し反応速度が遅いように感じられた。

違和感を感じ、一度攻撃をやめてマジックスピアに切り替える。

途端にギュンギュン音を立てそうな勢いで避けて避けて避けまくる。

魔法の発動を待ち、それを飛ばす。燃え盛る矢は、核を社射線上から動かすスライムを一瞬で焼き尽くした。


マジックスピア、魔法、剣。

この順番で反応速度が早い。


何故そうなるのか。その理由を推測するには、そもそも周囲の光を集めるセンサーを持たないスライムが、どの様に地形や敵の動き、障害物の位置等を把握するのるのかという疑問を解消する必要がある。


彼等は、魔力でモノを視る。

スライムに限らず、およそ目といえる部位を持たない生物は魔力か音で周囲を視る。

目を持つ生物は―それが医学的、物理的、もしくは魔法学的に周囲の風景を知覚できるのなら―多くが周囲の認識を光に頼る傾向がある。


ならば、答えは簡単。

『属性魔力』よりも『無属性魔力』が感知されやすいということだろう。


つまり、今まで一体に3、4分かかっていたが、本来武器を使えば1分もかからなかったのだ。

人はそれを無駄と言うが、レイジはそうは思わなかった。


(フッ......これは『経験』。紛うことなき力の結晶。誰がなんと言おうと、これは力の1つの形なのだよ.......)


だいたい500位のスライムを狩った。経験値目的でなく、実験に使ったスライムは100程。

つまり、3分×400=20時間ものロスがあったという計算になる。


(い、いや、それでも大事なのは過程だから。試行錯誤したという事実だから)


感傷にひたr、否、自分に酔う時間は与えてくれなかった。


チュッドォ!!!


そんな音と共に触手が通り過ぎた。


暗く輝く黒銀の触手が。


-----

NO NAME

ビッグメタルスライム HP83/83

称号:超合金 ユニークモンスター ダンジョンモンスター

-----


3本の触手を、マジックハンドで押える。


こいつがボスだ。そう確信した。

そして、称号を見て目を見開く。






折角魔法対策したのに、ボス魔法使わねーのかよ!!!

えーなんでー!!と頭の中で喚きながら、ボス戦は始まった。


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