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進化論~レベル式進化説  作者: ツタンカーメン
1章 始まりの迷宮編
14/65

14 最弱系スライム

5層。


階段を降りて唖然とした。

見渡す限りの青空が広がり、その下には草原、そして中心部には巨大な木々。

階段の裏に回り込もうとしたが、不可視の壁に阻まれた。マジックハンドも通れない。


人間なら、遮蔽物のない草原で佇んでいれば魔物がわんさか寄ってくるだろうなと思いつつ、背の低い草の間をかき分けて進む。


ふと、チャプチャプという水音が聞こえてきた。タプタプ、と言った方が正しいかもしれない。

池や水たまりから発生するような音ではない。

そして、それが姿を表した。


-----

NO NAME

ブルースライム HP10/10

称号:魔法使い ダンジョンモンスター

-----


魔法使いか。称号まで見ておいてよかった。

2~4階層の魔物は雑魚ばっかりで警戒すべき能力を持っていなかったので、最近の鑑定では称号の部分は非表示にしてある。

ファンタジー的異世界における最弱魔物、スライムがどんな称号を持っているのか好奇心にかられて久しぶりに称号を表示した。


(やっぱり魔法使うのか…)


スライムが魔法を使えることは『記憶』が知っていた。だから、モンスターが魔法を使える場合、鑑定では魔法適性の欄は見られずともどの属性を使うか匂わせるような称号が有るかも知れないという考えもあった。

称号からは得られる情報はなかったが、ブルースライムという名前と青い体色が水魔法の使い手であることを示している。これも『記憶』の知識にあった。ブルースライムは、水魔法を使う魔物だと。


さて、産まれて初めての対魔法使い戦だが、相手がスライム、つまり非常に弱い魔物だったのは僥倖だった。

魔法への対策を確立していない状態で魔法を使う強敵と戦った場合、命のストックが1つあったとしてもどうなるか分からない。


スライムの攻撃は主に魔法、体当たり、酸弾だ。

他にも身体が毒だったり触手を作って鞭のように扱う個体もいる。

言うまでもなく魔法が1番警戒すべきというのが常識だ。

体当たりというのは、唯の打撃を受けは無く、インパクトの瞬間に接触部が溶解液に塗れることになる。

スライムは自身の体液を強酸性の溶解液にするという特性を持つ。

それを利用した一撃だ。

酸弾もそう。

スライムとは、丸いゼリーの塊が本体である核を包んだような魔物だ。

その体は弾性に富み、斬撃や打撃に高い耐性を持つ。

反面、核を壊すか体内から抜けば、形を保てずに水溜まり、というかゼリー溜りになるという強烈な弱点を抱えている。


スライムの身体から魔力が放出され、水と化して矢を形作った。

レイジはマジックスピアを1本だけ待機させておき、更に残りの魔力で分厚いマジックバリアを張る。

どのくらいの威力の魔法でどのくらいのマジックハンドが削られるか。

魔法の属性によってその量は変化するか。

ぱっと思いつくのはこのくらいか。さっさと検証していこう。


遂に矢羽根まで形成し終えた水の矢は、シュッと音を立てて飛んでくる。

速さは余裕を持って避けられる程度には遅い。

そして、マジックバリアに触れ........


(ぇ?)


すり抜けて、飛んできた。


-----

レイジ

リトルバジリスク

Lv.8

HP104/136

MP129474/129474


skills

=normal:[痛覚耐性][疲労耐性]

=rare:[鑑定][収納]

=legend:[世界の声][スケープゴート]


魔法適性:無


称号:転生者 ネームドモンスター 魔素の王

----


痛覚耐性は、かなり熟練度を上げたと自負している。

しかし、とっさの回避が間に合わず胴体に深々と刺さった水の矢は、尋常でない痛みをもたらした。

思わずのたうち回りそうになるのを必死に堪えてマジックスピアで核を狙う。

次の魔法を準備していたスライムは、咄嗟に核を動かして槍を避ける。

2本目の水の矢は霧散して魔素に変わる。

マジックスピアを2本に増やすが、痛みで操作が安定しない。

それでも当たってはいるので、スライムは徐々にその体積を減らしていく。

飛び散ったゼリーは地面に吸収されていく。


そして遂に、決着の時が訪れた。


激化するレイジの攻撃に対抗して高速で体内を動いていた核が、ニュルッ、スポッ!!と体内から飛び出したのだ。


(..............)


じわぁ......と広がる染みを見て、なんとも言えない気持ちになる。

確かに、体積が小さくなって避けにくかったかもしれない。最後の方は体を伸ばして核の移動範囲を広げたりとなかなか知的(?)な動きを見せていた。

だが、最後は自爆だ。

達成感の欠けらも無い。


レイジは、スライムの核を収納して歩き始めた。しばらくは草原エリアの探索と休憩所までのマッピングだ。


【経験値を30獲得しました】


(少な......)


次に出会ったのはグリーンスライムだ。風属性の魔法を使う。

このスライムも、回避と攻撃を同時にすることは出来ないようで、不意打ちからの連続攻撃で魔法を発動させる前に倒すことが出来た。


【経験値を26獲得しました】


(魔法への対抗手段を探さないと.....)


これまでの傾向からして、ここのボスはスライム系統の上位種、そしておそらく魔法を使う。

雑魚の経験値はゴブリン程度。

ならば、この階層のコンセプトは〈魔法対策〉。


敵の使う魔法を如何に無力化、無効化するかがテーマだろう。


この迷宮は異質だ。アレンも実際に迷宮に入ったことは無いが、迷宮とは下層に行くにつれて敵が強くなり、自身の成長を促す。下層で敵を倒せば、レベルが上がりやすいということは常識だ。


つまり、経験値が上がっていく。

聞いた限りでは、ユニークモンスターの出現以外でこの法則を無視した迷宮は無い。


そして休憩所。なんだあの水晶は。

通常の休憩所は、聖域の機能を持ち、魔への反発と聖への癒しという特性を持っただけの空間であり、ダンジョンモンスターが侵入することも度々起こるらしい。


吸魔結晶なんて聞いたことも無い。


ここはなんなのか。判断材料は多いが、決定的なものは無い。


4階層までの敵が全く魔法を使ってこなかった事。

いざ魔法を使う敵が現れたと思ったら()()()全く脅威にならない魔物だった事。

そして、自分の唯一の防御手段が魔法に対して一切の効力を発揮しなかった事。

迷宮の出口がなかった事。

1~4層に、宝箱や宝箱系のトラップは出現しても落とし穴や矢、吊り天井等の通路に仕掛けられるトラップが無かった事。

薬草が、多過ぎるくらい見つかる事。


どれもこれも都合が良すぎる。

都合が良すぎで気持ち悪い。


それなら都合良く[魔法無効]をとかドロップしろよと思うが、期待できないだろう。


次に現れたのはブルースライムとレッドスライムだ。

水や風の矢なら体内に入っても継続ダメージが発生することは無いだろうが、火や土ならどうだろうか。

検証したいような、したくないような。

経験値30弱と核しかドロップしない美味しくないスライムを、5、6分かけて倒す。

ドロップは欠けた核が2つ。

効率が悪すぎる。

魔法への防御と言うと、基本的に2つ。

①魔法で守るか相殺する

②盾とか魔道具などでダメージを抑える


だから、マジックハンドで解決すると思っていたのだが。

避ける、というのは防御ではないので除くとして。

解決の鍵は間違いなく『無属性魔法』だろう。


【経験値を64獲得しました】



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