第七話、行先決定
朝起きたら何故かベットの上にいた。考えても全く記憶がない。異世界でなんでラーメン屋開業してんだろう...。っとチカがベットでぼーっとしてる。
「そういや、昨日10時にお店開くって言ってしまっとったね...」
昨日、茶髪の青年に10時に開くと言っていたことを思い出した。
「準備せんといけんね」
ベットから出てセレシスとアリアを呼んで準備をする。
材料を集め、異能を使う。
「再現。オーク骨ラーメンの麺。再現。オーク骨スープ。再現。オークチャーシュー」
麺、スープ、具材に分け屋台の方に持っていき、そこでスープを煮立てる。周囲には匂いが充満し、噂と香りを聞きつけた人々が列を成していく。
「ここで合ってるんだろうな。」
「ここが噂の...」
「もう一回食べに来たかったんだけど人多すぎだろ...」
などざわざわ騒いで並んでおり、先頭には昨日の茶髪の青年がいた。さっさと準備をしなければ!っと準備をしていると、騒ぎを聞きつけたスライムから助けてくれた騎士がこっちを見て少し驚いたが騒いでいる奴を注意したりして、列を整えていた。のでチカは一応手を振っておく。
準備はできた。さあ、開こう。
「開店したけん。よかよー!」
開店を宣言し、人がぞろぞろとくる。量を多めにしたので大丈夫だったがお昼時前に完売しそうだ。茶髪の青年は最初に食べた後ニコニコしながら待っていた。客が少なくなってきたころに茶髪の青年が来た。
「噂道理の美味しさだったよ!」
「ばりうまかったろ?わたしもすいとーとよ!」
「すごいおいしかったでしょ?わたしも好きなんだ!って言っています。実はこの子田舎から来たので方言があるんですよ」
茶髪の青年に返事をし、セレシスがアシストしてくれた。
「そうなんですか!でもなんかかわいいですよね」
「同志よ!」
茶髪の青年が言ったことにセレシスは盛り上がるが皆気にしない。茶髪の青年が口を開く。
「実は用件があって...」
「どげんしたと?」
「どうしたのっていってます」
セレシスが翻訳マシーンと化している。。
「実は、おっと...名乗り忘れてました。私はこの町シークラドの領主の息子、エルドです」
「チカ。」
「セレシスです」
「私はアリアよ」
茶髪の青年は名乗った後ゆっくり話し出した
「実はお父様からこの領土を継ぐには、先祖代々決まっていて、この町で事業を成功させないといけないんです!お願いします。このオーク骨ラーメンを町の名物として使いたいんです!」
チカがセレシスとアリアにアイコンタクトをとる。
「それで、こちら側の儲けは?」
「オーク骨ラーメンの講習会を開き、参加した上承認書を発行した所から売り上げの一割はどうでしょう。」
「それぐらいがだとうかしら」
「ではそれは、商人ギルドでお受け渡しを...」
など色々あり、講習会を開くことになり、忙しくなってきた。
そしてチカは思うのだった。
私はラーメン布教するために異世界に来たわけではないんだ!っと。豚骨ラーメンはおいしいけど...。
エルドに案内された場所で講習会を開く。
「豚骨ラーメンの作り方、教えちゃあよ!」
っと本人が言っていたが実際に教えるのはセレシスである。そして千香はすることはない...いや、してもできないのだ!
そして講習会が行われてる所の端っこで一人、体操座りするのだった。いや、もう一人いた。アリアだ。
アリアは実は...料理が出来なかったのである。そして二人で端っこで体操座りするのであった。
「と、この様に一回茹でる事によって臭みのもとである血を固め取り除きやすくし、二度目に出汁を取ります。この出汁を作るときに丁寧に灰汁を取りましょう。」
「一回目じゃダメなのか」
「なるほど、これによって雑味を抑えれるのか」
っとこの調子で講習をし続けた。
「セレシスさん、アリアさん、チカさんありがとうございます!教える側の者の教育も十分になりました。ちゃんと商人ギルドに振り込んでおきましたよ!」
エルドはニコニコと微笑み、軽く頭を下げた。商業ギルドでは銀行のようなサービスを行っており、預けるときに手数料を払う。それがどの町でもできる。
チカはお金が手に入ったから旅をしてみたいと思ったのでアリアとセレシスで集まって話すことにする。
「この世界を旅してみたいっちゃけど、どこかいいところあっと?」
「そうですか...この辺だと」
「北の方にある畜産と酪農の町、クスラという町があるわ」
「畜産と酪農...。異世界っぽくはなかね」
「恐らくチカちゃんが思ってるのとは違うと思うわ。あそこでは、竜を育てていて、竜肉を食べますから。」
「竜!?」
そして、畜産と酪農の町、クスラに向かう事が決定したのだった。




