第四十一話、ミアルちゃん誘拐の犯人とは?
チカは人影を追跡するグリードを追う。
「これは、再現のバフ掛けとった方がよかね...」
戦闘になる事を予想し、再現のバフを掛けておく。そして外に行く用意をしていた為、装備は揃ってるので万全の状態で戦えるだろう。
「再現。グリードの技術」
『対象、グリードの技術の再現に成功しました。のこり時間は59分59秒です。』
「あと...」
「再現。ショウの技術」
『対象、ショウの技術の再現に成功しました。グリードの技術と多重起動しました。残り時間29分26秒』
グリードとショウの技術を再現し、グリードを追う。
「少し速くなっとるねっ!体の動かし方が違っとるちゃなかとかいな...」
再現した技術で体の動かし方が変わり走る速度が上がる。
「だけど、あれ...?」
そして、ある事を思った。女の体と男の体は違う為、動かし方も違うんじゃないかと...。それだったら違和感を感じるのではないかと。一部は違和感があるが、さっき思った事が本当だとすると全身に違和感があると思う。だけどそれが無い。グリードは男。ショウは男。のはずだ...聞いたことは無いが多分そうだろう。いや、そうか?グリードはまず宿の部屋割りで確定で無いとしてがショウには...なんとも言えない。
「いや...そんな事より追い掛けんといかん」
チカは今必要ない事を考えていた為、頭を振り、忘れグリードを追い掛ける。
チカは今、人目につかない道に走るグリードを追う。
「はぁ!.............はぁ!.............」
チカは、息切れし始めるが走り続ける。キツいが走る事しか出来ない為走り続ける....いや...ショウとの試合の時に使おうかとしてた身体能力を上げる魔法があったんだった!!今度、能力をメモしこう...。そう思うチカであった。
「っふ!...........はぁ!....................はぁ!....................」
魔法を使い身体能力を上げ、息切れが少し緩和されペースが上がる。
どうやらグリードが止まり、キンッキンッと剣を交える音が聞こえる。それにチカは近づいていく。
「...撒けなかったデス」
「くそったれ!さっさと逃げろ。俺が男を止める!!」
「ッチ!クソッ!...チカが来たのか!!ドミニクをやれ!」
黒いローブを着た人が低い声でドミニクに言う。おそらく男であろう。それの持っている短剣とグリードの剣が交えている。
「う、うん。止めればよかとね!!」
チカは立ち止まり魔法を放つ事にする。まず、見えにくい対象を照らす光の球を出す。そして人差し指を対象に向け銃の形の手のポーズを右手で作る。
そして目の前に光属性魔法で作ったレンズをスコープ代わりにし対象に人差し指を向けて足を狙う。
「ここっ!」
チカは大きな声で宣言し、レーザーを光属性魔法で生成する。
チュゥーンッ!!バタッ!
「ック!.ァアアア!!いた...ィイ.....」
ミアルを抱き抱えていたドミニクは足を撃たれ、ミアルとともに、転倒し痛みに悶え苦しむ。
そして次の標的は黒ローブ。黒ローブに手をスライド。レンズも生成する。
今度も足を狙おうとするがローブのおかげで見えるところが少ないし、目の前にグリードがいるため当てにくいので黒ローブを狙うため左側に周リニア移動しようとする。
「ッチ!使えん。対象は俺が運ぶ」
「おいっ!待て!」
黒ローブは倒れたミアルとドミニクに走り寄ろうとする。ソレをグリードが追いかける。
チカはすぐに移動する黒ローブに標準を合わせレンズを生成し撃つ。
チュゥーンッ!!
「おっと!おっかねえな!!!」
だが黒ローブは撃たれることを分かってたようで、ジャンプし避け、撃たれないためにジグザクに前転で回避していく。
ソレを追いかけるように標準を合わせて撃つ。
チュゥーンッ!!
「ぐはぁ!?....」
パタッ...
「あ...」
そしてレーザーを撃つがソレは狙っていた足に当たらず、頭に当たるのだった...。ソレは見事なヘッショだった。
「えっと...間違えとった☆殺っちゃった☆」
チカは不安げな声を一旦出したが、旅の盗賊の事を思い出して言う。
「てか...ほぼ魔法で人に向けるなって赤髪のアリアって娘に言われなかったか?」
「......。犯罪者には人権無いとかセレシス言っとったよ!?」
「確かに人攫いは奴隷行きだがな...躊躇無過ぎだろ...」
それにグリードが思った事を言うがチカは言い訳をする。そしてその殺しの躊躇に無さに内心、驚いているのだった。
「って!もう終わってますね...」
「先回りしたけど無駄みたいだったわ」
そしてドミニクが逃げようとした道からセレシスとアリアが出てくる。
「って結局、殺ったのね…。それでドミニクさん?言い逃れは出来ないわよ?」
一人死んでいる事を目視して確認しドミニクによっていく。
「ック!」
ドミニクは足を引き摺りながら逃亡を試みるが突然出てきた鎖により身動きが取れなくなる。
「無駄ですよ?」
「ァアアア!」
セレシスが土属性魔法を使い捕らえた。
「さて、聞かせてもらおうかしら」
そしてアリアはドミニクに質問するのだった。




