第四十話、突然の事件?
「食べた食べた〜!うまかねっ!大きかステーキ!」
「量は多かったけど、味付けはよかったわ」
「そうですね!私も食べきらなくて、ドミニクさんに食べてもらいましたし」
「美味しかったデス」
食べた後の雑談をする。
「明日は観光でもしますか?」
「そういえば、言っておくか。私達がドミニクさんと馬車を連れ明日の朝、シークラドに戻ることになった。」
グリードが騎士組とドミニクがシークラドに明日戻ることを告げる。
「もう行ってしまうと?早かね」
「ここでお別れかしら」
「人数が減って寂しくなりますね…」
「まあ、シークラドに来れば会えるし気にする事はない。それでは、明日の旅の物資を補給しに行ってくるとするか。」
そしてグリードは物資を買ってくるといい、外に出ようとする。
「隊長格が使いっ走りするもんじゃないぜ?なあ、クラウス?」
「へ!?....ああ、はいそうですね!」
ミシェルに突然聞かれてクラウスは驚いたが当たり前の事を返す。
「そうかぁ!じゃあクラウス行ってこーい!」
「え!?そんなぁ...。なんで自分だけなんですか…」
クラウスは自分が行くことを予想しておらず、突然のことを驚き、文句を言う。
「しょうがねえなー...。アタシもついてきてやんよ」
ミシェルは頭を掻きながら、仕方なさげに言う。
「じゃあ、それなら僕いらないんじゃないっすか!?」
「はぁ...。いいから行くぞ!」
「ってうわっ...!引っ張らないでくださいよ!?」
そしてミシェルはクラウスを引っ張り連れていくのだった。
「あれ、付き合ってるんじゃないんですか?」
「ソレを思ってクラウスに聞いたんだが...」
「ですが?」
「全く持って付き合うことはキッパリ、拒否したぞ。僕はあんなオラオラ系じゃなくてピュア系がいいです。とかなんとか言ってたな」
「付き合ってないですか...信じられませんね。」
話はいつも間にかミシェルとクラウスの話題になりグリードとセレシスが話し始めた。
「さて、私は部屋で読書でもしてくるわ」
「うちも戻ろ。銀竜の事も考えんといかんし」
ソレをほっといて、チカとアリアは部屋に戻っていくのだった。
チカは早速、太陽代わりの光の球を上に作る。
「てか、何してるのよ?」
「銀竜は魔法は吸い取らんけど太陽光のエネルギーは吸い込まんやろ?」
「まあそうわね。それならダメージは与えられるわね」
「それで、どうやったら魔力あんま使わんで威力増加出来るか分からんっちゃけど 、なんか考えなか?」
チカはアリアに聞かれた事を説明し、何か考えが無いか聞いてみる。
「そうわね...別の力と合わせたら出来ると思うけど…」
「別の力ってなんなん?」
「チカも持ってるじゃない?例えば異能とか?」
「あ......!完全に忘れとった…!」
アリアに教えられ自分が異能、再現を持っていたことに気づく。
「そうやったそうやった。完全に忘れとった…」
「全く何度自分の能力忘れるのよ!?」
「いやいや、ステータスみたいな奴があった楽っちゃけど…」
「ソレはもうゲームじゃない...」
忘れた事は置いといて、早速試してみることにする。
「よしじゃあ、やるけん。みとってね?」
「おおー」
まず光属性魔法で1点に光の球から放たれる光を集める。
「てか、なんで、床でやってるのよ!?燃えたらどうすんのよ!?外に行くわ!外に!私もついて行くわ。」
「えー...そんなぁ....」
アリアに光を集中させてる場所がバレ、外に行くことにする。外に行けるような装備や服着替え、外に行く。
「チカちゃん、終わったかしら?」
「ちょっと待っとってー...」
チカがまだ少し時間はかかるようだ....。そしてそんな時に事件が起こった。
パリィーン!パランッパランッ!!とガラスが割れたような音が横から聞こえる。
「きゃ!?な、何かしら!?」
「今の音なんなん?」
アリアが驚き声を上げて確認しに行くため廊下に出る。
「ちょっと待っとってよ〜」
チカの言葉はアリアに届かず、慌てて着替えてついて行く。
「どうしたんだ!?」
「ガラスが割れた音が横の部屋からしたわ!」
「横の部屋って...ドミニクさんとミアルさんの部屋じゃないですか!?急いでいきましょう!!」
廊下にはアリアの他にグリードとセレシスが来ており、横の部屋に突撃にし行った。
「おい!どうした!?おーい!?」
ドアは閉まっており開けることの出来ない。この宿のドアは簡易的な鍵が一応ある。
グリードはドアを叩き、ドアを開けるのを待ったが、開かない。
「ッチ!大丈夫か!?ハァ!!」
仕方ないのでドアを蹴破る事にしたようだ。
「もぬけの殻か!?....いや...あれは?....追跡するぞ!!あいつらがいない時に...手伝ってくれるか!?手伝ってくれるならついてこい!」
グリードはドアを蹴破った後、部屋には誰も居ないと知り、急いで割れた窓を覗く。
グリードには人影が見えたようで急いで二階から飛び降りながら大きな声で言う。
「ミアルちゃんとドミニクが攫われとる!?急いでいかな!!」
「ちょっとチカちゃn...行ってしまったわね...私達も行きましょ!!」
「そうですねっ!!」
グリードが追って行ったあと、チカが慌ててグリードを追いかけて窓枠から飛び降りていった為、アリアとセレシスもそれについて行く。
「チカさんはそう言いましたが...!ドミニクが犯人の可能性があります。騎士二人いない状態は好都合ですし…!」
「確かに、鍵空いてなかったし二階だから入るのも窓からはキツいし....!ありうるわ!!」
そんな事を話しつつセレシスとアリアはチカを追いかけていく。




