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第四話 豚骨ラーメン再現してみる

結局、アリアの締め付けで寝れなかった。


「ああ、ねむか~よ~...」


「早く起きなって」


「ぬぅ~ん...」


朝、アリアに起こされそうもなるも、必死で抵抗して昼まで寝る。


「ふぅ...バリ寝れたけん、眠気かね!」


部屋にはアリアがいない。昼間まで寝ていたため、空腹感がくる。


「アリアおらんと~?お腹減ったけん。仕方なか...下で食べとこ」


下の酒場では昼にもかかわらずお酒を飲んでいる人もいる。

ご飯は、昼だから軽めに行こうと決める。


「て~いんさ~ん、巨魚の白身フライのサンドイッチ。3つ~!」


そうするとすぐに店員さんが作って持ってきてくれる。


ふわっとした白身フライに、醤油ベースのタレが掛けられ、パンでサンドされている。一口食べてみると、ぱんがふわっと、白身フライのサクっと感がそして中の魚の脂が舌に流れ込む。


「ばりうまかー!」


サンドイッチはすぐ無くなった。が昼食として軽く食べるにはちょうどいい量だなーっとチカは思った。


「ああ、久しぶりに豚骨ラーメン食べたかー...」


異界生活二日目だがもう、故郷の味を求めている。


「ああ!異能があるけん、行けるっちゃなかと?......ひとまず、材料集めんとねー!」


まずは、重要なスープ。水は井戸水、豚骨はあのファンタジーにいそうなオークの骨付き肉で代用。

麺は小麦粉。卵と塩。かん水とかは重曹で代用出来るって聞いたけど、重曹って...確か海の成分に含まれてたような....。まあ港町だし、海水で作った塩だろうし入ってるよね。

問題は作る場所。部屋でしたりしたら匂いが移りそうだしなー...とか悩んでいたら、思ったより簡単に話が進んだ。

そして宿屋さんに聞いたら食事時じゃなければ使っていいそうです。

チカが腕まくりをする。


「よし!!」


チカは材料を並べ、あることを思った。


「異能、発動する時どうすっとやったけ?」


チカが頭をひねり、異能を貰った時の事を思い出す......。


「なんか力が湧いた気がしないっちゃんだけど?」


「大丈夫。あと異能を使うときは、異能名を言うこと」


ユキの声が脳内に再生する。


「はっ!そうやった。能力名を口に出すとやったね」

 

チカは、材料の前で異能名を言う。


「再現。」


『再現をする対象を言ってください』


「うわっ!?」


脳内に声が流れ、突然の事でビックリするが、落ち着いて自分が作りたいものを想像し答える。


「豚骨ラーメン」


『再現に失敗しました。材料が足りません』


「え!?」


出来ると思ってた物が出来ず、驚愕の声を上げ、慌ててもう一度言ってみる。


「再現。豚骨ラーメン」


『再現に失敗しました。材料が足りません』


「ぐぬぬ!」


壊れたように、何回も繰り返す。


「再現。豚骨ラーメン」


『再現に失敗しました。材料が足りません』


「再現。豚骨ラーメン」


『再現に失敗しました。材料が足りません』


「再現。豚骨ラーメン」


『再現に失敗しました。材料が足りません』


「再現。豚骨ラーメン」


『再現に失敗しました。材料が足りません』


「再現。豚骨ラーメン」


『再現に失敗しました。材料が足りません』


「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬっ!!」


それでも、豚骨ラーメンを作れず、チカは絶望した。

もう二度とあの味を味わえないということを...二度と食べれないということを...

チカはしょんぼりして、仕方なく部屋に戻り、ベットに行き毛布に包まる。


「ぬ~んっ!ぬ~んっ!ぬ~んっ!」


チカは毛布に包まり、ダブルベットの端から端まで転がり、また端から端まで転がっている。

それが日が暮れるまで転がっていた。


「ぬ~んっ!ぬ~んっ!ぬ~んっ!」


「って、チカちゃん何やってるの?」


「か、可愛い!」


「あんたは、黙ってなさい。」


「ぐふ!」


チカがダブルベットでゴロゴロしてると、アリアとセレシスが部屋に入ってきて、セレシスが要らぬ事を言い、アリアに腹を殴られる。


「ぬ~んっ!ぬ~んっ!ぬ~んっ!」


駄目だ、返事がしない。だがしかし...


「ねえチカちゃん今から下の酒場にご飯食べに行かない?」


「ぬうっ!?」


チカの扱い方を分かっているアリアであった。


「て~いんさ~ん!、このオークの丸焼きと角鯨肉のから揚げとクラーケンのゲソ揚げとパンの盛り合わせ大と巨魚の白身フライと緑貝汁定食で!!」


「はい」


「私は、巨魚の白身フライのサンドイッチと赤ワインでお願いするわ」


「では、こちらは巨魚の白身フライと緑貝汁定食で」


「...え?......分かりました!」


店員さんがいちいち驚くのも無理はない。

チカが頼んだ料理は10人分に相当する。のに対しておかれた小柄なチカ、アリア、エレシスの三人。

そして、アリアとエレシスは別々に頼んだのだ。店員はチカが全員分まとめて頼んだのかと思っていた。


「もぐもぐっもぐもぐっ」


「お待たせしましたー!」


次から次へと料理が運ばれる中、チカの目の前におかれた皿はすべて平らげられ、空となる。


「もぐもぐっもぐもぐっ...ゴックン...!これうまかね!」


そして、チカはすべてを平らげ、10人分を完食したのだった。


「満足!満足!久しぶりにおなか一杯になるまで食べたけん、あんまはいらんやったなー」


「食べ過ぎよ!」


「...大食いキャラに目覚めてしまった...。頬張る姿...ふふっ」


部屋に戻り、ダブルベットでゴロゴロしていたことについて聞かれる。


「豚骨ラーメンたべたかったけん、異能で作ろうとしたら出来んやった。」


「ちょっとやってるところ見せてくれませんか?」


「よかけど、酒場の厨房は食事時に借りれんけん、明日にならん?」


「では明日にしましょう」


セレシスが明日、異能を見てくれるようだ。

結局、豚骨ラーメンを作るのは明日になってしまうようだ

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