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第三十七話、領主にならない為には


「そんな事より、父上にどういえばいいか、相談してほしいのだっ!」


そもそもの本題にリルムが戻り、話し合う事になった。


「そのまま言えばいいっちゃなかと?」

「どのようになのだ?」


チカがそのまま正直に答える事を言う。


「領主になりたくなかけん、ならなくてよか?とか?」

「うん。分かったのだ!領主になりたくなかけん、ならなくてよか?なのだ?」


チカが例えをだし、リルムがソレをそのまま言う。するとアリアが...


「待って!博多弁が翻訳されて無いわ!?てかなんでそもそも分かるのよっ!?」

「大丈夫です。博多弁の異世界の知名度上昇の為、シークラドに来てから、博多弁教を広めてますからっ!!」


アリアが博多弁のままになっていると、リルムに注意するがなぜ、博多弁がそもそも分かるのか疑問に思ったが、どうやらセレシスが博多弁教を立ち上げ、知名度を上げているから通じると言っている。


「アンタ、異世界に来て、割とマシになったと思ったのにそんな事にしてたのね!?」

「ハハハッ、シークラドの教徒は3万人に達し、侵略していっております」

「アンタ、ソレ....確か、人口の5割超えてるじゃない!?」


博多弁教徒は既に3万人を超えており、徐々に町の外にも広がっていっているようだ。


「そしてこの聖書....博多弁の言葉の意味や言うと可愛い言葉や二次元キャラの描き方なども揃えております。ソレを教徒に配布しております」

「ヤバイわ....もろもろ広め過ぎだわ...そして二次元キャラの描き方って最もいらないじゃない!?シークラドがオタクの巣窟と化すわ!?」


裏でどうやら散々布教活動を繰り返しているようだ。


「ハハハッ!もう既に遅いです!そして世界がオタクにまみれるのです!」

「いずれ創造神にバレるわよ?」

「ふっ、アリアさん、甘いですよ!能力を使っておりませんし、これは異界の文化です。後から、沢山の異界の民が来るのです。そして証拠隠滅されますよ!」

「なるほど...じゃないわよ!?」


アリアとセレシスは本題から離れコソコソと話し合っている。


「コホン....本題から外れたわね....。とりあえず、領主になりたくn....あれ?チカちゃんとリルムちゃんは?」

「あの...もう、領主様の元へ向かってますけど...」


ミアルがアリアに教えてくれる。

アリアとセレシスが話しているともう既にチカとリルムの姿は無くドアが空いており、もう立ち去った跡のようだ。


「って!?修正してないわ!?」

「別に修正しなくてm...ぐわ!?」

「うにゃ!?」


慌ててアリアがソレを追い掛ける為、セレシスとミアルの服を掴み引っ張っていく。


「そもそも、場所が分かるんですか?」

「そういえばそうだったのだわね...」

「ええっ....」


そして領主の館で迷子になるだった。

一方チカとリルムは...。


ガチャッ....

「父上ぇー!入るのだ!!」

「失礼します。って!なんで別れたグリード達がおっと!?」

「あ、ああ。案内されたんだ。」


リルムが領主の部屋の扉を開け、部屋に入っていった為、それについて行くとそこには入口で別れた騎士組...グリード、ミシェル、クラウスが領主の前にいた。領主は金髪で少し年をとっているが爽やか系イケメンのようだった。


「父上ぇ父上ぇ!」

「どうしたんだ急に...?その方は、来られた客人か」


リルムは領主を呼び、視線をこっちに向かせる。すると領主は横の客人に目が止まったがリルムが喋り出す。


「領主になりたくなか?......けんっ!...ならなくてよか?なのだっ?」

「....」

「駄目...なのだっ?」


リルムがチカが言った事の通りに言おうと頑張る。ソレを聞いた領主が沈黙しプルプルする。リルムがソレを心配して付け加える。


「...博多弁萌えぇえええ!」

「へっ?」

「えっ?」


黙っていた領主が突然意味不な事を言う。それにリルムとチカが疑問の声を上げた。


「はぁはぁ...遅れたわっ!って!教徒かアンタ....」

「ふふふっ...これが博多弁の強さです!」


突然、領主の部屋に神の二人組が入って来て更に意味不な事を言われる。


「父上ぇえー!返事をー!?」

「...コホンッ。ソレは出来ない。リルムに継いで貰わねば...最悪町は、滅びる…。」

「えっ...?」


クスラの領主は先程と違い真剣な顔をして説明をしてくる。

代々、クスラ家は使役と言う上級異能を持っており、山の竜たちを沈める為に異能を使っている。山の竜を沈める役割は領主にあり、兵力を使わず竜を山に帰す事が出来る。それがクスラ家が領主になった理由である。


「せめて、あの銀竜を倒せれば兵力で抑えられるのだが…」

「あの銀竜を?...そんなの無理なのだ...。」

「でないと...先程言った通り...町は滅びる。それを防ぐためにリルムは領主にならなければならない」

「そんな...なのだ...。」


領主がリルムが領主になる条件を口に出す。ソレはリルムが倒せないと思うものらしい。


「じゃあ...銀竜を倒せばよかっちゃないと?」


そう言ったチカに皆の視線が集まる。


「それは無理だ。そう簡単にはいかない...」

「銀竜は、周囲にある魔力や魔法を吸収し自分の魔力にすることが出来る。又、銀竜は周囲に毒ガスをばら撒く為、周囲に近付くことすら出来ない。そして弓矢程度では傷つかぬ強靭な鱗を持っており討伐は困難。でしたっけ…」


領主は諦めの声を出すがセレシスは銀竜の情報をチカに言っていく。


「じゃあ、弓矢以上の魔力で出来ていない物理遠距離攻撃をすればよかっちゃなか?」

「そんな事が出来たら、討伐できている...」


チカの話に領主が口を出す。


「むむむっ...」

「じゃあ、領主にならないといけないのだ...?」


チカが悩む中、リルムが不安げに言った。


「リルムちゃん大丈夫やけん!銀竜倒せるけん!待っとってね…!」


不安そうしているリルムをチカが勇気づけた。


「そして、まだ、なにも考えてなかけどね!」


そして無計画のようだ。


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