第三十六話、チートメイド?
リルムが領主の館案内してくれる。
リルムの案内についてきたのは、チカ、セレシス、アリア、ミアルだ。他のグリードなどの騎士組は護衛を終わり、馬車とドミニクを回収し何処かの宿に泊まってシークラドの帰ろうとしたがメイドに捕まり、シークラドの館の領主の元に案内されていった。ドミニクはリルムが館を案内する事を言ったのを聞き、馬車の整備があるといい、外の馬車を待機している所に残った。
チカ、アリア、セレシス、ミアルは館の中でリルムの後を追う。後ろから一応メイドが付いてきてるので大丈夫だろう。
「ここがリルムのお家のキッチンなのだ」
「そしてここがトイレなのだ」
「次は屋根裏部屋なのだ」
「いやもう、案内しなくていいわよ!?私達がまるでここに住むみたいじゃない!って、トイレはまあいいわ。トイレは...」
リルムが案内しなくていい所まで案内している様子にアリアがツッコミを入れる。その間メイドは無言でついてくる。
「そうだったのだ。そうだったのだ。リルムのお部屋に行くのだ。」
「ふぅ...やっと本題にいけるわ...」
そしてリルムのお部屋に行く。
「ここがリルムのお部屋なのだ。」
リルムの部屋は基本的に白い家具などや天蓋付きベットがあり、そして女の子らしい沢山のぬいぐるみが目立つ部屋だった。
「ここがリルムの部屋ったい。あいらしか〜」
「そうなのだ!まあ座るのだ。」
リルムの部屋に入る。
「メテシア。お茶を出すなのだ」
「了解致しました」
メテシアと呼ばれた後ろについてきたメイドにリルムが指示をする。すると懐から一杯のティーカップに入れられたお茶が出てくる。そしてリルムに差し出される。
「はい。」
「なんでリルムだけなのだ。」
リルムは一杯だけのお茶をとりあえず受け取る。
「とりあえずお飲みを」
「なんでなのだ?.....ゴクッ....なんなのだ!?これはなんなのだ!?何か変な味がするのだっ!?」
疑問ながらも出されたお茶を出す。ソレは何かの出汁っぽい味がしたそうだ。
「毒キノコ茶です」
「ブフゥー!?な、なんてものを入れてくれたのだ!?」
メテシアの声を聞いた瞬間リルムは口に含んでいたお茶を噴き出し、文句を言う。
「大丈夫です。丁寧に毒抜きしましたから」
「よ、よかったのだ...。なんでそんなもの出したのだ!?」
「リルム様が出せと言ったじゃないですか」
「ち、が、う、の、だー!」
リルムが噴き出したお茶を手袋をはめ、布で拭きながらリルムを落ち着かせる。リルムは安心し怒るが、メテシアが触りたくなさそうに手袋をはめて、噴き出したものを拭いていた。
「今度はっ!紅茶をっ!5つ用意するのだっ!」
「しました。」
リルムは怒りながら指示を出し、メテシアは指示が出された瞬間その物を懐から出した。
「バリヤバかねっ!それどうやっとると?」
「これが、メイドの力ですっ!キリッ!」
メテシアはチカの質問に答え、ドヤ顔をする。
「じゃあ、ミアルしききるよねっ!」
「うにゃ!?で、で、できましぇんよ!?」
どうやら、領主の娘のリルムに会ってからずっと緊張していたようだ。シークラドの館のメイドとして働いてる側なのに、一体何が違うのだろうか。
「メテシアっ!砂糖が足りないのだっ!」
「はいはい」
また、リルムがメテシアに指示...というか文句を言う。メテシアは適当に返事をし、懐から物を....と思いきや何もしない。すると、いつの間にかリルムの分の紅茶に角砂糖が山盛りに盛られているではありませんか。
「メテシアっ!なんなのだ!?」
「リルム様が言ったではありませんか、砂糖を出せと。」
「ものには限度があるのだっ!」
リルムはメテシアに文句を言うがメテシアは言った通りにしているだけ。っと宣言する。それに限度があるとリルムがまたしても文句を言う。
「では、限度ですね?では、リルム様も、紅茶の砂糖の適正の量を入れるのですね?」
「...リルムの適正は角砂糖8個なのだっ!」
「普通は一個か二個、多くて3個ですよ。」
「うぐぐぐっ!もういいのだ!」
リルムに牙を剥いたメイドのメテシアは反撃とばかりリルムを問い詰めていき、結局リルムが諦めて終わったようだ。そして、ソレを聞いたメテシアはガッツポーズをするのだった。
「今さっきのあれ...異能わよね...?」
「だけど言葉に出しておりませんよ...?」
「じゃあ空間属性魔法かしら?」
「いえ....魔力が感知出来ませんでしたよね?さっき」
「確かにそうわね...じゃあ一体何なのかしら?」
いつの間にか、アリアとセレシスが何やらコソコソと話している。
「では失礼します。」
そしてメテシアは退室していくのだった。
「メテシアっていつからメイドやっとると?」
「リルムが生まれる前...?いや、忘れたけど昔からやってるのだ。」
さっきのメイドのメテシアの事について聞くと、リルムがあやふやながらも答える。
「そんな事より、父上にどういえばいいか、相談してほしいのだっ!」
ソレをほっといてリルムはチカに相談する。
そしてチカが思った。来客が来ているのに家の主である領主に挨拶しなくていいのだろうかと...




