第二十五話、リーダー格の盗賊が可哀想に思えてきたのは気の所為
「くっ!くそぉ!!ザッフっ!フォートッ!」
リーダー格の盗賊は殺された部下を名前を叫び、悔しがる。
「...間違って、殺しちゃったっちゃけど、大丈夫と?」
「......ここでは犯罪者には人権はありませんし......okだと思います。」
チカの不安げな言葉にセレシスが言った。
犯罪を犯したものは犯罪奴隷になり、犯罪のレベルで犯罪奴隷になる期間が決まる。もっとも酷いものは死刑となる。
「そうよそうよ。そんな時は、『間違えて殺っちゃった☆』って言えばいいのよ!」
神二人から酷い話が飛び交う中、リーダー格の盗賊は必死で足掻く。
「クソッ!殺してやる!!」
だがしかし、鎖により阻まれ身動きが出来ない。
「えっと?…間違えとった☆殺っちゃった☆」
「クソォッ!!!」
チカはその場で少し違うがさっき言ったアリアの真似をした。それは挑発だと思い込んだリーダー格の盗賊は激怒し、チカの方へ殺そうと近付いてくるが鎖に阻まれる。
はずだった。鎖は急に土へと還り消滅する。
「効果時間が切れてしまいましたか...そういえば捕まえるための檻や頑丈なロープ持ってきてませんでしたね」
「もう殺せばいいじゃない?」
「そんなに簡単に言わないでくださいよ。殺すとか」
「いいじゃない。もう殺しちゃえば」
なんかもう皆殺しすることをが確定な会話が行われていた。
その頃、リーダー格の盗賊はセレシスの鎖の束縛から解かれ、さっきまで、挑発発言とも言える発言をしたチカに向かって突っ込む。
「おっらぁ!!!死ねぇー!!」
チカは突っ込んで来たリーダー格の盗賊を迎え撃つため一歩前に踏み込み構えるが....
「間違えとった。これ地面じゃなか!?頭やった!!!」
「クソったれぇぇぇ!!!」
チカの天然により死んで首から切断された盗賊の頭を踏んでしまい、リーダー格の盗賊は更に激怒する。
「天然のSですね!!」
「Sかはともかく、天然だわ...。」
二人の神たちが何かを言っているがチカは聞き取れる暇は無くリーダー格の盗賊を対処するが....
「なんか弱か?っちゃけど?」
「かっ!?」
またしても首を捉え、骨までもを切断する。
ボトッと首が落ち、盗賊を二人殺した剣は既に血塗られていたが、リーダー格の盗賊の血によってより血塗られが酷くなっていた。
そして盗賊達からこう噂されこう言われる子事となるになった。
白い剣と盾を使っており、見た目が可愛いのに素晴らしい腕前を持つ女冒険者の『首狩りの白兎』っと.....。
「てか、あなた.....なんでそんなに人殺したのに平然として居られるのよ?普通、チカちゃんぐらいの年頃の人は最悪の場合、罪悪感から逃げる為に自殺するのに...」
「ああ、実は......FPSで慣れとるっちゃん!!」
そう。天然、博多弁女子のチカは...ゲーマーでもあったのだ!!
「本当は、銃があったら遠距離からキル出来とったのに」
「現代っ子って凄いのね...」
「いや、FPSゲーマーでも現実だと通用しませんって!匂いもありますし…」
「え?血や火薬の匂いがするVRのFPSならあるっちゃけど?」
「え!?....現代っ子がそれを普通にやったら引くと思いますよ!?」
「大丈夫。なんかウチ、鉄の匂いが好きやけん。血の鉄分の匂いも行けるとよ」
「それ、明らかにチカさんがおかしいだけですよね!?」
元の世界では、海外ゲーム会社が血の匂いをも再現したFPSゲームが発売された。評価は最悪だったが、チカはそのゲームで遊び、楽しんだそうだ。まあ結局そのゲームは血の匂いを入れたVRキットを初回限定発売のみにしたが、チカはネットで売られていたのをこよなく愛用していたのだった。
「とりあえず、やっぱり銃欲しかね」
「いや!?そんなに物騒な武器やったら世界中が戦争になりますって!?」
「けどやっぱり対人戦しか慣れとらんけん、獣とか未確認生命体とかえずかー」
チカは対人戦しか慣れていない。それ以外はどう相手が攻撃してくるか分からず怖いらしい。
「とりあえず、酷かねーこの状態。」
「いや、あなたがしたんでしょ!?」
盗賊の首が切られて2つに分かれ、血だらけになって地面に横たわっている。そんな死体が3体。地獄絵図である。そんな状態にした本人がこの状態を酷いといったのをアリアが突っ込むのだった。
「それでこれどうすればよかと?」
「頭運んだらお金貰えるのと無駄働きするのどっちがいいですか?」
「そりゃあ、死体と旅したくなかけん。運ばんよ」
「じゃあ、埋めますか。」
セレシスは土属性魔法で辺りを陥没させ、土を被せる。
「どうやったらそんなに魔法早く魔法使えっとよ?」
「え?チカさんの方が速いですよ?」
「え?」
セレシスの魔法を見てチカが言ったがチカの方が速い。どうやらチカは1つの事に集中すると周りが見えなくなるタイプの様で、時間を気にしていなかったようだ。
「とんだ邪魔者が入ったけど、旅を続けるわよ。」
「そうですね」
「そうやったね。」
「馬の準備は出来てるデスが....」
アリアの発言にドミニクが馬の準備が出来てると言ったが、ミアルの方を向く。
「ふぇー....」
「....腰が抜けたのね....。」
腰が抜けて動けなくなったミアルを回収し、馬車の中に座らせて旅を再開するのだった。




