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第二十一話、もふもふが仲間になった!

前から言っていた畜産と酪農の町、クスラ。そこに向けて今日から出発する事にしたチカ達はエルドの家、領主の館に向かう事にする。

門の前に立っていると中からメイドが出てくる


「お坊ちゃまですね!分かりました!」


茶髪の獣耳っ娘メイドのミアルが出迎えてくれて尻尾とお耳を死守する為こっちを向きながら案内する。


「ぬぁ!?」


パリィーンッ!!っと音を立て廊下にあった花瓶に当たり割ってしまう。


「ぬわぁ〜!またやってしまいました....。」

「壊れとるならもう仕方なかよ。」

「まあ失敗もあるわよ。って...また!?常習犯なのね…

。」


ミアルは箒を出し片付けようとすると、ある疑問を思い付く。


「...お客様を放置して掃除していいのでしょうか!?」

「いいわいいわ。やりなさい?」

「よかよか」

「ええっ!?」


そしてミアルは箒で、はわいて割れた花瓶を処理する。


「ぁあ...。また叱られてしまいますぅ...」

「...罪を償いなさい」

「ご愁傷様です。」

「いってら。」

「なんでお通夜ムードなんですか!少しは励まして下さいよぉ〜...」


ミアルは耳をペタンとし、表情がもう死にかけている。


「とりあえず、お坊ちゃまの部屋にご案内します...。」


しょんぼりした様子で、先に案内をする。


「ペタンってなっとる!ペタンって!あいらしかね(可愛いね)!」

「ぬぅ!?」


チカの言葉に反応し咄嗟にペタンとなった耳を手で隠す。


「そうせんでも、別に何もせんよ?」

「嘘ですぅ!私をモフるつもりですね!?」

「何もせんってぇー」

「うにゅあー!!」


ミアルは警戒し威嚇しつつ、お坊ちゃまの部屋の前まで案内した。


「ここです。」


ミアルはコンコンッ、コンコンッとノックする。


「お坊ちゃま、チカさん達が来ております。」

「おお、入っていいよ!」


ガチャっと音を立てドア開く。そこには勿論エルドが座っており本を読んでいたようだ。


「チカさん達、日頃すごいお世話になってます。ありがとうございます。今回はどのような用で?」


エルドは本を膝に置く。


「ああ、今日はね...。クスラに行こうと思っとるっちゃけど...。」

「ええっ!?っく!チカさん達は重要な人材です...。だけど、元々旅をしていると言っていたのでそれを無理やり止めるわけには....」


エルドはチカの言葉を聞いた瞬間急に立ち上がる。本は地面に落下しボトッと音を出すが、拾わず考え事をする。


「これは仕方ありません...。1つで頼み事があります。うちのミアルを連れて旅をしてくれませんか?」


エルドは悔やみつつ頼み事をする。


「うにゃ!?」

「よかと!?」


ミアルは驚きとチカは喜ぶ表情をし声を出す。


「お坊ちゃまぁ〜!モフモフされてしまいますぅ!!それは嫌ですぅ!!」

「......ミアルを連れていただければこっちで生活費と給料を出しますので!!」

「お坊ちゃまぁあー!!」


ミアルはもふもふされるのが嫌なようで全力で止めにかかるが無理のようだ。


「おお!!受けるけどそっちに利点あっと(あるの)?」

「ああ!?説明して無かったですね!ミアルは...下級異能の念話を持っていて、私と連絡が取れるんですよ。制限は有りますけどね…」

「そうなん!?じゃあ大丈夫やね!」

「うにゃ!?話が勝手に進んでいきます…」


ミアル本人が無視され、チカとエルドだけで話すが進んで行き。結局ミアルが旅に同行する事になった。セレシスとアリアはチカの自由にしてくれて構わないと言っていたので大丈夫だろう。


「ちょっとミアルの準備をしますのでちょっとお持ち下さいー」

「うん。分かっとる、分かっとる。」

「うにゃあー!?」


エルドがミアルを引っ張って行って戻ってくる。


「ふぅ...。とりあえず、準備してきましたよ!!」

「ぬぬぬぅ...」


エルドは一息ついて準備が終わった事を知らせ、ミアルは疲れ果ててるようだ。

ミアルはメイド服に大きな革製リュックを背負う。


「あ、でも...馬車の手配は三人やったと思うっちゃけど...」

「大丈夫です!うちの馬車を使って下さい!!」

「おお、それはよかね!!」


手配を断って。領主の館に複数あった馬車を借りることになり、御者も用意してくれた。


いよいよ、この街から出る。

エルドが見送りしてくれる。


「行ってきます〜!」


チカが大きな声で叫び、エルドは徐々に小さくなっていくのであった。


「ぬぬぬぅ...」


ミアルは疲れ果てていて思ったより騒がない。


「ふふふっ!......モフモフ!モフモフ!」


チカはミアルの後を取り左手はお耳を、右手は尻尾に手を伸ばし、もふもふする。


「ぬぬぬぅ...」

「モフッ!モフッ!」


本来、ミアルが払い除けるはずだがミアルは疲れ果てて無抵抗にモフられる。


「おお!!百合とは....萌え....!」


それを見ているセレシスはボソリッと呟く。そしてアリアは店で買った本をこの混沌とした状態でスルーして読むのだった。


「あっ!」


そして見送っていたエルドは昼ごはんを食べているとある事に気付いた。


「護衛付けてなかった...。大丈夫かな...?」


エルドが言った通りチカ達が乗っている馬車が他のより、よく出来ていてしかも護衛を付けていない格好の的になるだろう。


「急いで騎士を手配しましょう!!」


そしてチカ達の後を騎士が追うのだった。

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