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第十九話、自重とは?

チカがエルドの開いた宴会でひたすら料理を食べていると、人が話しかけてきた。


「胸やけしそうだわ...大丈夫なの?それ」


それは、異世界初日で城壁の外で出会った、ローブを羽織った年上の紫色の長い髪をした女性出会った。


「もごもごぉ!あのふぉきの!」

「一回食べ終わってからにしなさいよ...」

「もぐもぐっ!もぐもぐっ!もぐもぐっ!ごっくん!ぱくぱく!もぐもぐっ!」


ローブを羽織った年上の紫色の長い髪をした女性が注意をするがチカは食べ終わった直後また口の中に入れる。


「って!なんで食べ終わったのにまた口の中に入れてるし...話しが進まないわ...」

「もごご!もぐもぐっ!ごっくん!...無意識に口に運んどった!?気付かんかった!!」

「相変わらず不思議な方言ね。ああ、そういえば名乗ってなかったね。あたしはティラよ。チカさん。」

「なんでうちの名前知っとると?」

「エルド様が言ったじゃない?」

「そうやった!そうやった!」


チカは頭を掻きながらクラーケンを倒す前の事を思い出した。


「そういや、ティラさん雷属性魔法やったとか!」

「ふふん!そうよ。あたしはこれでも雷属性魔法と氷属性魔法と水属性魔法使えるのよ。」

「おお!バリすごかね!」

「はあ..全く常識に疎いわね。トリプルなら他のやつならもっと驚くのに...」

「え?」

「常識では属性を3つ持ってるだけ優秀なのよ。魔法1つで平凡。2つで才能あり。3つで優秀、4つで天才。5つで英雄。それ以上は歴史上存在しないと言われているわ。」

「ほぉ〜」

「まあ、5つの英雄級と比べる方が間違ってるけどいい方だとあたしは思うわ。ところでそろそろ、種明かししなさいよ。あの魔法何?何属性使えるの?」


ティラが食い気味に聞く。どうするべきか…ホントの事は言えないし、もうここは光属性魔法と闇属性魔法にしとくべきか。


「うん、光属性魔法と闇属性魔法使えるけん。光属性魔法で太陽光集めてクラーケン焼いたと」

「太陽光で焼く?あの太陽?」

「うん。」

「どういう事?」


ティラは太陽光を集めて焼く。と言う言葉がよくわからないようだ。


「日が当たっとるとこと、日陰どっちが暖かか?」

「日が当たってる所と日陰どっちが暖かいって?そりゃあ、勿論日が当たってる所よ。」


当たり前の事をチカはティラに聞き、それをどうするか説明する。


「その熱を一点に纏めて焼いとるとよ」

「どうやって、それを一点に纏めるのよ?」

「光を反射すっと」

「そんなの魔導書に書かれてる単語だけでどう表現すればいいのよ?」


ティラは詠唱をする派で暗記している単語の中から必死で表現しようとするが出来ない。するとチカが口を開く。


「表現せんでよかよ」

「え?」

「表現|せんでよかよ」


ティラがチカの言葉に疑問の表情をするが、チカは聞こえなかったと思い、もう1回言う。


「それ...って無詠唱の事?」

「うん。」

「あんなの、よく出来るわね!?」


ティラは驚きの声を出す。


「詠唱有りは、威力とか弱いって聞いとるしアレンジも出来んし使いづらかっちゃなかと?」

「何言ってるのよ!あんな時間を食うのじゃ、実践では役に立たないわよ!」


チカの言葉でティラが反論したのだが…


「え?数秒で終わるっちゃけど?」

「え?それは頭がおかしいわ!?」


お互い疑問の表情をする。


「と、とりあえず魔法使ってみましょ!?」

「そうやね。」


という事で二人は実践してみることにしたようだ。


「とりあえずあたしからしてみるわ!」

「うん。」


ティラが手を伸ばし、手のひらを上に向ける。


「マァ・フロワ・マァ・チウ・サモン(水・冷・水・球・召喚)」


光の球体が手のひらに集まり、徐々に透明感が出てきて、透明な水の球体となる。


「どうかしら?」


ティラはチカにそう言いながら手のひらにある水の球体を握り潰すと水の球体は消え失せる。


「よかね!うちのも見せるけん。待っとってね。」


チカは目を瞑り、思い浮かべる。思い浮かべるものは、光と闇...で作るもの...影絵...。いや...別に白黒にしなくていいか。映像を頭の中から引っ張り出す。1番インパクトがあるといえば、クラーケン討伐した時。シュウがクラーケンの触手を斬るシーンからにしよう。


チカが手を出すとそこから闇属性魔法で作った黒い箱が出てきて、中から光属性魔法で作った船とクラーケンが出現しだす。


「す....ご....い.....」

「なんだ...あれ....!?」

「すげえ!」

「動いてる!?」

「どうなってんだ!?」


周りの宴会に参加していた者達に注目を浴びる。

二体目のクラーケンが現れて倒れるところまで忠実に箱の中で再現されている。


「2つの魔法を一気に....使った!?」


ティラから驚愕の声が上がる。


「歴史上に例が無い....ありえないわ...。」


そう。チカはこの世界で初めて、魔法を2つ合わせて使ったのである。

本来、魔法を使うには一個ずつしか出来ないのだが、ノータイムで闇属性魔法と光属性魔法を使ったのある。それは普通では有り得ない事だったが後で聞いたら、システム的には混沌属性魔法を持たないと使えない。とアリアが言っていた。のでおそらくチカは混沌属性魔法を持ってるのだろう

結局、チカは目立たないようにしようとしたが目立って仕舞うのであった。

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