第十三話、魔法使い過ぎにはご注意を!
アリアに魔法を教えて貰った翌日。
ショウと戦う日がやってきたのだ。
この日の為に色々と考えておいた。だがしかし...腹が減っては戦は出来ぬ!!。ということでチカは宿屋で朝ごはんを食べたあと豚骨ラーメンを....オーク骨ラーメンを食べに来たのだ。だが?見た事のある黒髪の頭が...。
「今日の見回りは頼んだぞ。明日は変わるからな。」
「分かったよ。その代わり奢れよ?」
「はぁ...。分かった。」
「よし!」
ショウと緑髪の男はラーメンを食べながら、なんかの交渉をしていたようだ。
「ショウ、なんしようと?」
「...?。...チカか。」
「それがさっき言った子かい?」
「ああ。」
緑髪の男がジロジロ見てきたのでこちらもジロジロ見返す。
「おお...すまねえ。私はショウの同僚のリビアルだよ。よろしく」
「よかよ。ウチはチカ。こっちはセレシスとアリア。」
「よろしく。」
「よろしくね」
「それで何しとったと?」
チカはショウに尋ねる。
「ああ...ちょっt「コイツはな、戦いたいが為に急に休み取ったんだよ」...はぁ...。別にいいだろ...」
リビアルはショウの話を遮り答え、ショウが小言呟いた。
「ショウ。そんなに戦いたかったとね!」
「...ああ。」
チカが笑顔で答えショウが照れる。
「まあ、とりあえず仕事よろしく、リビアル」
「ああ分かったよ、じゃあ失礼するよ。」
リビアルはショウとチカ達に別れを告げ、ラーメン屋を後にする。
「はぁ...アイツはお節介すぎるんだよ...」
ショウが文句を言っているその間にチカは...
「てーいんさん、ラーメンおかわりぃ!」
オーク骨ラーメンをすでに五杯、皿が重ねられてる。
「てか、食い過ぎだ!?」
「何言っとると?まだ足りてなかよ!」
「大丈夫か...この後戦うんだぞ?」
「全然余裕やけん。いけるよ!」
「そ、そうか。俺は寄る所があるから、これで俺も失礼する。」
「じゃあ、またね~」
ショウはチカに注意し、心配するがチカは余裕の表情を浮かべ、「こいつ何言ってるんだ」っと言ってるかのような目で言葉を返した。
ショウは声が吃りながらも用事でラーメン屋を出ていった。
「うまかうまか~!」
「食べ過ぎじゃない?チカちゃん...」
アリアは諦めがついたのか、早く行こうと急かしてこなくなった。まあ仕方ないチカがいま食べているのは15杯目のオーク骨ラーメンなのだから...。
「ふぅ~!この頃、いっちょんおなか一杯になっとった時なかけど今日なったけん。満足!」
「もう...どんだけ食べるのよ!」
「さて、訓練所行こ~」
「マジなの?お腹いっぱいだと戻したりしないわよね?」
「大丈夫やけん、ささっと行こ~!」
アリアが心配してくれたが訓練所行くことにした。訓練所に入る前に再現のバフを掛けておいた。訓練所では、勿論ショウとグリードが待っていた。
「思ったより遅かったな。俺たちより早く着くと思ってたぞ」
「ラーメン食べてたけんね」
「まあいいか。始めるぞ。」
「よかよ~!」
ショウ達と言葉を交わし、戦いを始めるため、訓練所の真ん中で両者離れて向き合う。
「このコインが地面に落ちたらスタートだ。」
「うん。」
ショウは硬貨を取り出し、指で弾いた。硬貨は放物線をを描き、地面に落下する。
『ちゃr『ダッ!』』
コインの音が鳴った瞬間、ショウは鞘が入ったままの刀の柄を持ちチカの方へ駆ける。チカは剣を構え待つ。
「はぁあ!」
ショウはチカの目の前で勢いよく地面を蹴り、居合切りをする。
「ふっとぉ!」
だがチカは最低限の動きでぎりぎり剣を横にして守り、後ろに飛ぶ。
「どうした...!守ってばかりだと何も変わらないぞ...」
ショウは後ろに飛んだチカを追撃し斬撃は入れる。
「おおっ!ふわぁっと!そぉ!おもうっ!じゃ!ん!?」
ギリギリで全てを回避し、チカはあるものを発動させた。
「ぐわぁ!?」
チカは無詠唱の光属性で一瞬だけフラッシュさせた。ショウは眼を押さえ、後ろに飛んだ。
「武器の扱いの天才剣士だと思ったら魔導士か...!?」
「ふふん!どやぁ!」
「そんなに余裕があるならなぜ攻撃しないんだ?」
「あ...」
「...」
チカはせっかくのフラッシュでの隙を無駄にしてしまった。その失態をチャンスだと思い、シュウは無言でチカに近づく。
「ふふん!そうじゃなかっちゃん、それが!」
チカは迫ってくるショウに声を掛け、迫ってくる時間を使ってもう一つ魔法を使う。
「ハッタリか?」
「ざ~んねん!」
チカから、黒い煙が立ち込めすぐさま訓練所を覆う。
「くっ!そういう事か!」
「ふっふふ!」
チカは自分の場所が分からなくなるように少しいる位置を変え、魔法の準備をする。
身体能力を上げる魔法。筋肉が疲労しないための疲労回復魔法。そして自然治癒力をあげるまほ.............
チカの意識を失い気絶する。
チカには説明していなかったが精霊器官に蓄えられた魔力を尽きるとこれ以上は使ってはいけないと精霊器官が無理に脳に伝達してしまい、気絶してしまうのだ。
そして煙が晴れると、そこにはうつ伏せののチカが...
「......こんなの無効だぁあ!」
ショウの嘆きが訓練所中に響いたのだった。。




