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第十話、チュートリアル(いきなり騎士と試合)

昨日はグリードと練習をしたが、全くついていけなかった。どうにかしたいがどうすればいいか分からない。なのでセレシスとアリアに相談してみることにする。


「セレシスとアリア...どうすれば戦いについてけっと?」

「そうですね。異能で相手の能力を再現すればいいんじゃないですか?」

「そんなんできると!」

「出来るはずですよ。グリードさんの技術を再現してはどうです?」

「なんで技術だけと?」

「再現には素材が必要です。グリードさんの筋肉を再現するとか言ったら、その筋肉はどこから来るんですか?っていう話です。」


なるほど。再現には材料が必要って言ってたね。


「再現。グリードの技術」

『対象、グリードの技術の再現に成功しました。のこり時間は59分59秒です。』


あんまり、変わった様子はない。


「あんま、変わらんっちゃけど?」

「そりゃあ、そうよ。だって技術だものね。身体的影響はないはずよ。」

「うん、そうやね。試したか、から、訓練所行かん?」

「そうですね。」


今日も闘技場の訓練所に行くことにした。そして今日もラーメンを食べたのだった。


「やっぱ、食後の運動は大切やね!」

「そうですね。」

「いやいや、あんだけ食って動くとかおなか痛くなりそう。」


訓練所に着いたがグリードとショウは見当たらないため仕事だろうか。

仕方ないのでとりあえず、グリードの技術を再現する。


「再現。グリードの技術」

『対象、グリードの技術の再現に成功しました。のこり時間は59分59秒です。』


試しに剣を振ってみる。


「ふっ!」


チカの振り方が明らかに違かった。

まるでグリードのショウとの闘いで振った剣の速さかのような速さで振れる。

チカが放った振りはまさしく、グリードの振りだがバランスが悪い。本来は体に合わせた動きをするのだがグリードのを再現したため、グリードの体の動きになってしまったようだ。


「異能、すごかね!」

「他のは特化してもっと強いけどこれはバランスがいいやつだからこの程度ね。」

「もっと、つよかのがあっとか!?」


まあ、グリードの技術は強い。だが実力はショウの方が上。ショウの方を再現してみよう。


「再現。ショウの技術」

『対象ショウの技術の再現に成功しました。グリードの技術と多重起動しました。残り時間28分43秒』


「どゆこと?時間が二分の一になっとる!!」


チカはとりあえず振ってみることにする。


「はぁあ!!」


その振りの速さはグリードの振りの速さを明らかに超えている。


「力が合わさっとる?」

「そうみたいですね。だけどその代わりに全体の残り時間が半分になるということですかね?」

「そうみたいやね」


チカは振るだけでなく突きや薙ぎ払いしてみる。


ビュッ!ビュッ!シャァ!シャシャシャァ!!!


「はやか!!」


だがしかし、その代償として...


「うわっ!!」


チカは急に力が抜け、カランッカランッカランッ!!!っと剣が振った時に放してしまい飛び、盛大に音を鳴らす。


「うわぁ!手が痺れとる!!!」


手をプラプラさせながら地面に座り込む。


「技術的には良くても、身体的にはきついようですね。まるで火事場の馬鹿力みたいですね。」

「普段、人間は2~3割しか筋肉を動かしてないのよ。3倍から5倍で動いたら、さすがに筋肉が持たなかったのね。このままだと筋肉痛が起こるし回復するわ!寝転びなさい」


なるほど。火事場の馬鹿力とは分かりやすい。アリアの言う通り地面に寝転がる。


「命よ。再生せよ!」


痺れが引いていき、肩の力や全体が軽くなったように感じる。


「ほら、立ちなさい。」

「ありがと!」


アリアが手を差し伸べたのでそれを受け取り、立ち上がる。


「まずは、地道に筋力あげんといかんね」

「そうわね。筋肉痛にならなくても、筋線維を刺激すれば筋力つくから。待つ必要無いから、一日中できるけどね。じゃ、とりあえず今日は100回、手が痺れるまでしましょうかね。」

「うへぇ!」

「強くなるためだもの頑張りなさい。」

「うわぁ...」

「始めるわよ」

「ふぁ~い...」


そしてチカは無心でアリアのゾンビアタック訓練を繰り返し続けるのだった。

アリアが途中、数を間違えて結局150回したがそのことは本人は知らない。

そして、筋力と体力がすごく上昇したのだった。


チカはベットに倒れこむようにして寝た。


「へ?さっき寝たとよね?もう朝やったっちゃけど!?」

「チカちゃん~!朝ごはん食べて、訓練所行くわよ~」

「ぬわあああああああ!!!」


アリアに呼ばれ今日も訓練所行きが決定し、そして食欲が増したのだった。

アリアとセレシスと共に訓練所に行った。

今日も限界が越えるまで、剣を振り続け、元気にさせられる。


「はははっ...。再現。グリードの技術。再現。シュウの技術。」

『対象グリードの技術の再現に成功しました。残り時間59分59秒』

『対象ショウの技術の再現に成功しました。グリードの技術と多重起動しました。残り時間29分58秒』


チカは全回復した後、壊れたように乾いた笑いをし、再現のバフを張りなおすと剣を振り続ける。

すると誰かが声を掛けてくる。


「朝からとは精が出るな。」

「目が死んでるぞ」


グリードとショウである。


「はははっ...。」

「ずっと訓練してるのよ。」

「それなら私がどれぐらいの技量になったか、みましょう。」

「いいよね、チカちゃん?」

「はははっ...。」

「まあいいでしょ。始めましょ。」

「あ、ああ...分かった。」


そしてチカとグリードが向かい合い対立する。


「じゃあ、このコインが地面に落ちたらスタートで。」

「はははっ...。」

「...始めるぞ」


まともに返事をしないチカに呆れて試合を始める。コイントスのように、指をコインにぶつけ、コインを飛ばす。

そしてやがて、コインが落ちる。

チャリ~ン!チャリンチャリン!!っと。だがしかし両者は動かない。


「動かないなら先に動くぞ!」

「はははっ...。」

「ああ。」


チカに声を掛け、グリードはチカに突撃しに行く。


「はぁ!!」


グリードは刺突しにいくがチカはギリギリまで動かない。


「はっ」


チカは左に倒れこむように刺突避け、踏み込み低い体勢になってから下から上に薙ぎ払う。


「ふっと!」


だがその薙ぎ払いを剣で受け止めつつ、後ろに飛ぶ。


「はぁ!!」


しかし後ろに飛んだグリード目掛けてチカは刺突しにいくと見せかけ、足払いを掛けようとする。


「ほわっと!はぁ...!その足払いの対処は知ってる!!」


グリードは刺突がフェイントと読んでおり、足払いをジャンプして避け、後ろに全力で退避する。



「はっぁ!はっぁ!はぁ...!はぁ...!はぁ...!うっ!」


チカは体力の限界のようでカランッカランッ!!と剣を落とし地面に這いつくばり、寝っ転がる。


「1日空いただけで!!ここまでぇ!はぁ...!かわるとかぁ!化け物だな!!はぁ...!はぁ...!」


チカの変わり具合に唖然としているとアリアが近づいてきて、回復してくれる。


「はぁ...!はぁ...!」

「命よ。再生せよ!」

「はぁ...!」


チカの息を荒げていたのがゆっくりと落ち着いていく。


「ふぅっ!」

「すごいな」


ショウが拍手しながらこっちに近づいてき、倒れているチカに手を伸ばし起こす。


「ありがとっ!」

「今度は...明日、俺と一戦しないか?」


そしてショウと戦うことになったのだった。

これでチートのタグ詐欺とは言わせんぞぉ~



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