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ハロハロ  作者: 枝節 白草
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実像と虚像のハロハロ

夢の中で鏡を見てはいけない。

それは現実の鏡とは性質が異なる。

私のいない私の家は静まりかえっていた。

わた…弟の部屋は二階にある。

私は一息で二階のベランダに飛び移る。


「朝渡、お姉ちゃんだよ。会いに来たよ」

弟は嬉しそうに駆け寄ってきた。

「姉ちゃん!わー!すごい!姉ちゃんかっこいい!」

ほらね、私の可愛い弟はこんな歪な私を格好良いって言ってくれる。

朝渡は豪快に窓を開けて満面の笑みで迎えてくれた。

パキパキと鳴るベランダを踏み締めて中に入る。


「全部朝渡が教えてくれた動物だよ。朝渡の大好きな動物だよ」

「うん!」

「朝渡はお姉ちゃん好き?」

「うん!」

「また会いに来てくれる?」

「うん!」

「お姉ちゃんも朝渡が好きだよ」

「うん!」


…私の可愛い弟、弟の手を優しく握る。


優しく抱き締める、壊さないように。



ふと、部屋の奥に月明かりを反射する光るものが目に入る。

真っ暗な部屋の中で一際目立つそれは姿見の鏡だった。

…。

「ひぅ!?」

そこに映っていたのは歪なキメラの化け物、間違い無い、私だった。

こんなもの、誰が見たって化け物以外の何者でも無い。

6歳になる弟が見たら叫びながら逃げ回るような化け物だ。


「…あさ…と?…お姉ちゃん…ほんとにかっこいい?」

ゆっくりと朝渡の顔を確認する、朝渡は笑っていた。

二つの目はボタンの様にくりくりと丸く、にこやかにつり上がった口はフェルトの様に柔らかい。朝渡の抱き心地は柔らかい綿の様だった。

「良かった、いつもの朝渡だね、お姉ちゃん朝渡に嫌われて無いならそれで良いよ」


私は朝渡の大好きな動物の図鑑に手を伸ばす。

図鑑には大きく夢月と書かれている。

そう、思い出した。図鑑は元々私の物で、朝渡にあげた物だ。


「ほら、今日も読んであげる。朝渡の大好きな動物の図鑑」




終わりましたー。ここまで読んでいただき感謝です。

はい、胸くそ悪いですね(笑)

これ書いた人性格悪いですね…、私でした!

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