日常4
俺の次の癒しはここ屋上だ。
今日は天気も良いし風も弱くて丁度良い。
「ここなら……」
角で何かの音が聞こえた。
「あっ、んっ」
いや、これは声だ
「も、とぉ…はっぁっ」
「はっ、相変わらずっ欲しがりだな…ッ」
待てよ。またかよ
もういいから俺に癒しをくれよ
もう声なんか聞きたくない―――
俺はそっと静に屋上から出ていった。
(暇だから普段出来ないことをしようきっと良い気分転換になる)
そう思ったのが部活
―――――――だが
「えっ今日部活休み?えっ?」
「あれ?聞いてなかったか?顧問が今日出張なのそんで今日休みなんさ」
「うそ、、だろ」
がっくし肩を落とした
「まぁ、明日には出来るから今日はゆっくりしろよ」
「…はい」
何のために来たんだろう。
いつもは放課後の練習しか出れないから早い時間帯での部活の練習楽しみにしてたのに…
今日に限って!
もう、無理だ。俺はゆっくりというか癒しが欲しかっただけなのに部活は癒しとは言わないが。
図書室に行こうと思ったが今日は休館だと気づく。休みばっか
もう良いや。
そこら辺ブラブラしてようマジで。
ふと。思い出した
さっき弓道部の生徒達が部活やってたな
ちょっと見学しに行こうかな
今度こそはやってると良いな
流石にやってると思うが
きゃあきゃあ
と黄色い声が聞こえてくる
やってるな。しめたぞ
俺は物陰に隠れ弓道部を見学した。
パァァン
響き渡る的の音
スカッとするな
きゃーーっ陸様っふぁいとー!
陸様ぁぁー
お見事ですっっ
――コイツらが居なければ尚良いのだが…
パァンッ
またスカッとする音
歓声を聞いている限り真ん中に当たったらしい
すげーな
もうちょっと近くで見ようとした時何か踏んだ
これは…―――ヘビ!?
「ぬぅわぁっ!?」
何とまあ情けない声だろうか
この声まさしく空手部エース・生徒会会計の俺の声です
その情けない声に気付いたチワワ達は
俺に気付き
きゃぁぁぁぁぁっ美紀様ー!!!!!
何故ここに!!!??
素敵!!カッコいい!!
美紀様ー!!!
「えっちょっ…………………………………………………ってこれオモチャ………。」
何てこったオモチャに驚かされた
「………良くできてるな」
美紀様っ今日は何故ここに!?
「え?仕事が珍しく早く終わったので見学しに」
きゃぁあっ
見学だなんてっ!僕たちと一緒に見ませんか!?
「…皆さん少し落ち着いて下さい。弓道部の邪魔にならぬよう心掛けてくださいね」
分かりましたっ
美紀様っ了解です!
はいっ
目をキラキラさせながら俺を見た
しにそう
チワワ達と目線をそらしたときさっきのイケメンのり、、くさま?の男子とまた視線が合った
「…すみませんお騒がせして」
俺によって弓道部達もソワソワし始めたので
ここは素直に謝罪した。
「…いえお気になさらず」
何とも男らしい声だろうか
綺麗な声というか男らしい声というか
「では戻ります」
お辞儀をして振り向こうとしたとき
「まだ見ていかれないんですか?」
急に声をかけられた
「もう十分見たので大丈夫ですよ弓道…お上手で素敵でした」
「ありがとうございます…これからまた僕が弓を引くんですよ」
「へえ、そうなのですか」
美紀様っ陸様は誘ってらっしゃるんですよっ大変珍しいですよ!!
とコッソリ?チワワくんから教えてもらった
「成る程…分かりましたもう少し居させて頂きます」
暇だし、せっかくなら、ね
「どうぞ」
彼はとても(とても)無表情だった
俺も無表情だが彼程ではない
だが彼はさっきと感じたイケメンじゃなくて綺麗な顔をして微笑んだ
陸様がっ笑ったっ!
これはっ
ステキです陸様っ
皆驚いてる…てことはレアなのかな
あ。
そう言えば名前
「あのー…りく、さま?…えと、あれ?」
「え、」
美紀様っ海藤陸 様ですよっ!
さっきのチワワくんからまた教えて貰った
ありがとうチワワくん…
「あ、海藤、さま?」
何て呼んで良いのか分からず首を傾げながら言った。
美紀様ぁ何だかかわいらしいですっ
この子は何をいっているんだか………
「呼び捨てで結構です陸って呼んで」
陸様っ
陸様あっ
「陸…――――――やっぱり様付けます」
やっぱり様付けた方が何となくしっくり来る為、様を付けた
「――!?」
陸は驚いた顔をした
「さっき呼び捨てで良いって言いましたが」
「いや、言いづらいので海藤様って呼びます」
「……論外」
彼は呆れていた
チワワくん達はとっても青ざめていた
どうしたの?って聞くと
「海藤陸様はとても名家で有名です。普通の名家ならまだしも陸様の様な高貴な方は陸様の言うことを逆らったのならその逆らった子の家つまり将来を潰すとか自分の欲しいものはどんな手段でも手に入れる何て噂が有るんですよ!」
チワワくんは興奮ぎみで答えてくれた
後半いらないとおもったんだが……。
それが本当のはなしだったら近付きたくない存在だ。
衣和の事もあるし…
にしても誰でも容赦しないんだな…――